2009.07.03

NO.20 内部統制報告書


監査役A:株主総会が終わるとすぐに、有価証券報告書の提出ですね。今年は 2009年3月期から始まった内部統制報告制度で内部統制報告書を添えないといけないですね。

監査役B:3月期決算企業の各地の財務局への提出期限は6月末でしたから。
しかし、これが株主総会の後になることは、問題だとの声もありますが、結果が気になるところですね。

監査役A:昨日(7/2)の日経にありましたね。記事によると経営者自ら「重要な欠陥」があると開示した上場企業が一昨日(7/1)までに56社、開示された2%にあったようです。先に導入した米国の初年度は、16%の企業が「欠陥がある」と記載したことを考えると少なかったですね。

監査役B:各社の内容は、金融庁の電子開示システム「EDINET」で見られます。 http://info.edinet-fsa.go.jp/ 

監査役A:監査法人のトーマツも独自の調査結果を次のように発表していました。上場企業を対象にアンケートに回答した企業の21%で不正が発生していたとのこと。その不正行為の内容は、「現金や在庫の横領・窃盗などが69%と最も多く、売上高の架空計上などの不正な財務報告が、22%」
この内部統制報告制度への対応が、不正の防止や発見に一定の効果があると答えた企業は70%に上った、とのことです。
 また、「重要な欠陥」がどうして分かった、と言うことですが、日経では、「多いのは会計監査人による会計処理の誤りの指摘」「不適切な取引や従業員による不正発覚」。今年3月末時点で「重要な欠陥」と記載していても、現時点では問題点を改善している企業は多いようです。

監査役B:内部統制報告制度によって、正確な財務報告をする体制が整い、不正の防止や発見に一定の効果があるようだからがんばって推進していきましょう。■

<参考>出典:日経新聞
内部統制報告書において2009年3月期末の時点で「重要な欠陥」があるなどと報告した企業は以下の通り。(社名は日経略称、証券コード順に記載)
 ジェイオHD、Br.HD、東邦GA、西松建、Hヴェラス、滝沢ハム、バルクHD、インスパイアー、ホッコク、ソリトン、KFEジャ、ブックオフ、21LADY、USシステム、紀州紙、セ硝子、戸田工、細火工、OPENIF、ダイオーズ、デジアド、BワンHD、COTA、日本興業、A&AM、ヤマシナ、ダイキン、加藤製、リバーエレ、岩崎通、エプソン、フォスター、オメガプロ、日本アンテナ、日ケミコン、市光工、アールビバン、大水、幻冬舎、平賀、アーク、浜丸魚、ミツウロコ、遠州トラック、フォーバルR(旧フリード)、広ガス、葵プロ、ウィルソンW、東京美装、ビジ太田昭、御園座、カラカミ観光、バーテックス、トラベラー、シャルレ、サハダイヤ ■

<参考> 広島ガス内部統制報告書 
                         【提出日】 平成21年6月25日
            【代表者の役職氏名】 代表取締役社長執行役員  深山 英樹

1 【財務報告に係る内部統制の基本的枠組みに関する事項】<略>
2 【評価の範囲、基準日及び評価手続に関する事項】<略>
3 【評価結果に関する事項】
下記に記載した財務報告に係る内部統制の不備は、財務報告に重要な影響を及ぼしており、重要な欠陥に該当するものと判断した。したがって、平成21年3月31日現在の当社の財務報告に係る内部統制は、有効でないと判断した。
                      記
(1)不備の内容
 有価証券報告書「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 追加情報」において詳細に記載しているとおり、連結子会社である広島ガス開発株式会社及び広島ガスリビング株式会社において、循環取引による実体を伴わない不適切な取引が平成11年度から当期まで行われていたことが判明し、当年度及び過年度の連結財務諸表の売上高、売上原価等に重要な修正を行うこととなった。
 これは、当社のグループ各社に対するモニタリング機能が不足していたこと、及び上記2社において管理者のリスク管理意識が不足していたことにより取引の実在性の確認手続に不備があったこと、加えて広島ガス開発株式会社においては、取引開始から債権管理に至るまでの職務分掌が不十分であり、また、業務処理管理部門から営業部門に対するモニタリングが不十分であったことを原因とするものである。

(2)事業年度末日までに是正されなかった理由
 不適切な取引の発覚が期末日直前であったこと、不適切な取引が長期にわたって行われていたため、その取引実態の把握、原因の追究に相当の時間を要したことにより、事業年度末日までに是正を完了することができなかった。
 当社は、統制環境の改善、リスク管理意識の向上、経営管理体制の強化を3つの柱として、内部統制システムの一層の強化に向けた取り組みを進めていく計画であり、平成21年5月に新たに設置した内部統制推進部を中心に取り組みに着手している。

 〔主要な取り組み内容〕
 ①統制環境の改善
  ・リスク管理意識のさらなる醸成
  ・取締役会の監督機能強化
  ・グループ経営陣によるモニタリング機能の強化
 ②リスク管理意識の向上
  ・役職員に対するリスク管理教育・コンプライアンス教育の継続、強化
  ・定期的なリスク管理調査およびコンプライアンス意識調査
  ・広島ガスグループ社員行動指針の再徹底
 ③経営管理体制の強化
  ・内部統制推進部門の設置 ・グループ内部監査の強化 
・グループ業務の監督活動の機能強化

4 【付記事項】該当する事項はない。  
5 【特記事項】該当する事項はない。■

- 監査役や内部監査は監査を通じて、会社と社会に貢献できる-

| Comments (0)

2009.07.02

NO.19 今年の株主総会

監査役A:日経では今年の株主総会について「09株主総会シリーズ」を連載し、まとめもしていましたね。

監査役B:そうですね。

監査役A:今年は株主提案議案が例年、多いのはJR東日本と東芝に出かけてきました。JR東日本は10議案、東芝も10議案で、そのこともあって総会の所要時間はJR東日本が3時間40分、東芝も同じ3時間40分。一握りの株主のために多くの人がお付き合いをさされた、という感じですね。

監査役B:株主提案は、会社法では、株主として当然の権利行使ですから、適法であれば、押さえ込むというわけにはいきません。東芝の株主提案をしている人は、元社員個人ですが、JR東日本の場合は、労組系の団体でし、原発反対の電力各社などは今後とも継続すると思います。しかし、発言の行儀がとても悪いですね。汚い言葉でヤジを飛ばし、時間も守らない。うんざりしました。

監査役A:一般の個人株主は、業績悪化や減配に関心があるようで、住友金属鉱山では、無配でしたが、それなのに取締役賞与を7名で3千万円支給したいとの議案を出していたが、株主からは「不自然だし、良心を疑う」との発言が出ていました。

監査役B:しかし、業績の良かった上期分でしょうから、それはそれとして議案にしたことは立派ですよ。

監査役A:しかし、機関投資家の中には、反対するところもあるので、議案によっては、議案の説明のために機関投資家を回っているようです。

監査役B:今年の総会集中日は26日でほぼ半分の会社がこの日の開催するようですが、兎に角、三月決算が多いので、機関投資家の所には一時に、総会関係の書類が殺到するので、短時間で見なければならないので、理解を得ておきたい会社は訪問して説明するようですね。

監査役A:株主総会の集中度のピークは、1995年の96・2%でしたから、かなり分散しましたね。会場が取れなかったという理由もあるようですが。

監査役B:そういえば、東芝は昨年から「国技館」変わりました。個人株主の参加が増えたのでしょう。東芝は以前から個人株主には人気があったようで、お土産以外に昼食が出るのは、他社であるのでしょうか。昨年と今年は、大相撲弁当が用意されていました。
まあ、1時40分まで掛かりますからね。しかし、同じ所要時間でも、JR東日本は、お土産も出していませんね。

監査役A:日経の記事にありましたが、個人株主で議決権行使書に「全議案に賛成」と答えた人が、個人全体の22%にすぎず、2007年は52%、2008年は32%でしたから徐々に低下してきている。それだけ個人株主もしっかり考えて議決権行使をするようになってきたということです。また、多くの有力企業では外人の持ち株比率が下がり、個人が上昇するという傾向のようです。今後とも個人株主の立場は重要になっていきそうですね。

監査役B:話が変わりますが、日経では「今年の株主総会では買収防衛策の新規導入議案が急減する。」その理由の一つとして「有力企業による導入が一巡したほか、金融危機を受けて投資ファンドなどの投資余力が弱まり、企業の警戒感が薄れてきたことが背景だ。」と報じていました。

監査役A:そう思っていたのですが、東芝では「当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)更新の件」が付議されていました。もう一度見直して修正や更新が議案として出てくることもありますね。当社でも見直さないといけませんね。

監査役B:「買収防衛策を廃止する動きも徐々に広がっており、直近1年間で防衛策の継続をやめた企業は19社に上った。」ということですし、昨年の6月に経済産業省の企業価値研究会の報告書に「買収者に対して対価を支払う必要はない」との指針が出ましたので、それも参考に見直しをしてみます。■

- 監査役や内部監査は監査を通じて、会社と社会に貢献できる-

| Comments (0)

«NO.18 株主総会でのパワーポイント