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2004.02.11

「忘己利他」NO.12

「MOU-CO-LI-TA」VOL.2 №12
Corporate-governance&Business-ethics Report
        -2003/05号-

    企業不祥事をめぐる2つの動き

一つは、内部告発者の保護に関する動き。最近の企業不祥事が表面化したキッカケがほとんどが内部告発であった。<12-1> そのことから内部告発の不正をただす効果について再確認された。一方、内部告発がなかった薬害エイズは、500人以上の犠牲者を出しており、。<12-2> 今、脅威の「SARS」も内部告発があったもののそれが握りつぶされていた。そのようなことがなければ感染はこれほど広範囲にはならなかったかも知れない。。<12-3>

内部告発は、個人のリスクで行われるので、告発したことが企業に知れた後の処遇を考えると二の足を踏まざるを得ない。。<12-4>そこで内部告発者を保護する制度や法律が必要ということで既に、英国、米国、韓国などで出来ている。<12-5>日本では、内閣府の国民生活審議会で検討が始まり2003年1月からは、公益通報者保護制度検討委員会で法制に関する議論がなされ、この度、中間報告が出された。<12-6> しかし、その内容は尻抜けの法律になることを危惧すると日経の社説で指摘されている。<12-7>問題は、保護される通報内容や保護される人が一部に限定されていること、内部告発の手順についても問題があるという。。<12-7-1,2,3>しかし、保護するという方向は変わらないので、内部告発は今より増える可能性は高い。内容も法案通過ま で目が離せない。
企業不祥事を巡るもう一つの動きは、企業犯罪に「法人処罰」。<12-8>が導入する準備が進んでいることである。今までは、企業不祥事であっても個人を対象に捜査し、個人に罪を押しつけてきた。それでは再発防止につながらず、問題解決にならない。米国には「量刑ガイドライン」。<12-9>というアメとムチの組み合わせのルールがあるが、同じように日本でも法人を処罰するルールを作って企業に日頃から企業犯罪の防止に努力させようというものである。
以上のように企業不祥事の防止策が厳格になってくると企業としては、相当な覚悟と仕組みで不祥事防止に取り組まねばならない。その手がかりとして、商法で監査委員会に求めていること資料10から取り組んでいくのも一案である。

< >の内は資料番号です。別途ご請求下さい。

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「忘己利他」NO.11

   「MOU-CO-LI-TA」VOL.2 №11
Corporate-governance&Business-ethics Report

         -2003/04号-

     改訂「監査基準」を巡る変化

平成15年3月期決算から会計監査人の監査が変わる。
それは平成14年1月25日に公表された「監査基準の改定に関する意見書」<11-1>によって、従来の監査基準がほぼ全面的に見直され、大幅な改訂が行われたからである。そのポイントは、ゴーイングコンサーンにある。
改訂の背景は、国際的な監査基準の動向に合わせることの他に、企業倒産後、粉飾や多額の債務超過が発見された企業が、その直前に会計監査人から適正意見を付されていたことから会計監査人の監査に対する不信と厳しい批判が相次いだことにある。

日本公認会計士協会は、この「監査基準」の改定によって「継続企業の前提に関わる開示」が義務づけられたことを受けて、「継続企業の前提に関わる開示について」を平成14年11月15日に公表した。<11-2>この指針によって、より具体化されている。

日本公認会計士協会は、続いてこの指針から、会計監査人の監査報告書のひな形を改訂した。<11-3>また、「経営者による確認書」も改正し、<11-4>「継続企業の前提」「不正に関する記載」が追加されている。この機会にこの確認書の意義などを見てみる。」<11-5>

今回の改訂のポイントである「継続企業の前提」については、まず、経営者が評価、表示を行い、それについて会計監査人が検討を行うという「二重責任の原則」が基本になっている。もちろん監査役も評価・検討は必須である。
その場合の適切なチェックリストが<11-6>、平成15年2月に公表された。これは日本公認会計士協会の関西にある三つの会と日本監査役協会関西支部がかねてより共同研究してきた成果の一端を中間報告として公表したものである。
                             以 上
  
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「忘己利他」NO.10

「MOU-CO-LI-TA」VOL.2 №10
Corporate-governance&Business-ethics Report
         -2003/03号-

     企業不祥事のトップの責任

先日、日興ソロモンの「株価操作」という企業不祥事が明らかになった。企業不祥事といえば、近年、内部告発で明らかになったものだけでも1997年の野村証券と総会屋との違法な取引、鹿島、清水建設などゼネコン31社が談合事件、2000年、三菱自動車のリコール隠し、その後も雪印食品、日本ハム、東京電力と続く。<10-1>

今まで企業不祥事が続くと商法を改正し監査役の機能強化を何度も図ってきた。今回の商法改正でもかなり監査役の機能は強化された。<10-2>その機能を活かすも殺すも監査役次第だが、トップにかかっていることも大きい。

一方、経団連としては、「経団連企業行動憲章」を1991年に制定。2002年に改訂するなど傘下の企業に企業倫理の徹底を促してきた。<10-3>しかし、経団連の幹事企業からも不祥事は出ている。
本来、商法には、株主総会や取締役会、監査役会などの会社機関が経営をチェックし、コントロールすることが定められている。<10-4> にもかかわらず、それらの一部は、形骸化されたままで十分機能しないで今日に至っている。
企業不祥事の原因についてトップはどのように考えているのだろうか?同友会のメンバーや東証一部・二部上場企業のトップへの調査では、多くの人が経営者自身にあるとし、企業風土や企業体質にある声も多くあった。<10-5>トップは、経営者に原因があると考えているが、巨額の負債を抱えて倒産寸前でも、また、巨額の債務免除や公的資金の注入が目前でも辞任を言い出さず、挽回のタイミングを逸することも多い。

企業不祥事は、トップ単独のことは少ないからか、コーポレート・ガバナンスを事故防止的な意味合いで捉えて、トップ自身の問題については、避けてきた嫌いがある。トップの交代や解任を求める仕組みについてオリックスの宮内会長や日本IBMの北城会長はその必要性を提唱している。<10-6>

両会長が提唱する仕組みをも組み入れたのが「委員会等設置会社」と言える。<10-7>しかし、「制度は所詮、ハコモノに過ぎない」との見方もある。
確かに、その成否は運用する人の倫理観にかかっていることはエンロンの例でも明らかだ。
企業倫理を企業内で徹底しようとしてもトップが問題に絡んだり、見て見ぬ振りをしていては、社員に徹底を図ろうとしても通じないだろう。
また、トップは「知らなかった」では済まされず、不祥事を未然に防止する<内部統制システム>の構築は、「社会からの強い要請だ」と神戸製鋼所の和解時に裁判所が見解を出している。もう言い逃れは出来ない。<10-8>企業改革、特に倫理に絡む改革は、かけ声やポスターだけでは、動かない。トップ自らが改革に賭けている「本気」を行動で示す事実があって、初めて始動する。そのことで思い出されるのがジョンソン&ジョンソンの「タイレノール」事件である。<10-9>                           以上

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「忘己利他」NO.9

「MOU-CO-LI-TA」VOL.2 №9
Corporate-governance&Business-ethics Report
         -2003/02号-

最近のコーポレート・ガバナンスを巡る各社の動き

昨年は標記について色々な動きがあったが、それに対して各社はどのように対応しようとしているのかが、気になるところである。日本経団連は傘下の一部の企業にアンケートを行い、結果の概要をこのほど公表した。
まず、各社は会社機関の見直しを行っている。その視点は、「意思決定の迅速化」と「投資家から見た分かりやすさの向上」が多い。<9-1>
経営陣の経営判断や執行をチェックする体制の整備としては、「取締役相互による監視と取締役会による監視」と「監査役のよるチェック体制の充実」が主流で、その具体適法補は多岐にわたる。<9-2>監査役についての期待や人数や構成、監査役室のスタッフ、内部監査部門の陣容も出ている。<9-3>
監査役制度の強化のために取り組んでいることは様々であるが、情報提供の充実がトップに来ている。なお、社外取締役へに期待や人数などもあるが、期待は監査役と似た傾向である。<9-4>アメリカでの「サーベインス・オクスリー法」の決定による対応の上位3項目は「内部統制」「内部通報」「内部監査制度」の見直しである。意見は多岐にわたっている。<9-5>
委員会等設置会社を選ぶか否かは「採用しない」方向で検討している企業が60%、「前向きに検討」が6%である。各々の理由が述べられている。<9-6>
なお、重要財産委員会の設置を前向きに検討しているのは3社のみであった。
役員報酬の見直しは、「当該年度などの業績・成果に応じた給付」と「将来の業績向上へのインセンティブとしての給付」が多い。<9-7>
取締役等の責任軽減を2002年の株主総会で定款変更したか、した場合には、軽減額についての考え方や「D&O保険」の内容や問題点があり、各社での再検討の資料になりそうだ。<9-8>
これらについて99社から回答を得ている。内、上場企業は83社。。<9-9>
経営体制の意思決定は、自社の特性や環境を見定めて、独自の意思決定が必要なことは言うまでもない。しかし、今までは、経団連の方針や有名企業の施策に動かされ、ブーム的な動きがあったことは事実で、反省すべきであろう。
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「忘己利他」NO.8

   「MOU-CO-LI-TA」VOL.2 №8
Corporate-governance&Business-ethics Report
        -2003/01号-

      委員会等設置会社

昨年の商法改正で経営の構造、企業統治の方法の選択肢が増えた。それに伴い、各社はどの方法を選ぶかの意思決定が必要となる。
選択肢は、従来の監査役制度の他に、取締役会の権限(商法第260条)の一部を重要財産委員会に委任できる「重要財産委員会」<8-1>とアメリカ型企業統治とも言われている「委員会等設置会社」がある。これらの中から自社に適したものを選ぶことになる。

委員会等設置会社の導入を既に決めている企業は、イオン(株)、オリックス(株)それと今年8月に経営統合するコニカとミノルタ、筆頭株主が米ウォルマート・ストアーズである西友、それとソニー。それぞれに導入理由があるが、概ね、経営革新や経営刷新に役立てようということである。
その委員会等設置会社については、十分に理解するために、法案の成立経過や各界の主張などを知っておくことは有用であろう。

 まず、法案提出時の森山法務大臣の趣旨説明<8-2>を確認して、法務委員会での経団連の発言<8-3>や日本監査役協会の意見<8-4>日本共産党の反対意見<8-5>についても見ておきたい。
法案が成立後、法務省の始関参事官が「委員会等設置会社制度の導入理由」<8-6>や「選択制にした理由」<8-7>を「旬刊商事法務」に掲載されていた。
更に、注目すべきは、委員会等設置会社に充実が求められることになった「内部統制」についてである。それは、特例法21条の七の第一項二号に定めがある。その具体的な内容はまだ、決まっていないが、それについて横内副大臣が法務委員会で答弁している。<8-8>
また、取締役と執行役の差を知るためにも特例法21条の7③1~22の「執行役に決定を委任できない事項」についての解説も確認しておきたい。<8-9>
最後に根拠法令である「株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律」の目次を提供する<8-10>。

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「忘己利他」NO.7

「MOU-CO-LI-TA」VOL.2 №7
Corporate-governance&Business-ethics Report
          -2002/12号-

機関投資家によるガバナンス

シャンシャン総会も株主の質問にジックリ答える3時間株主総会もそれを可能にする大きな要素は、総会の前に白紙の議決権行使書を決議に必要な数を確保しているからである。それが確保できたのは、大口の株主からの白紙委任があったからである。しかし、昨今、事情が大きく変わってきた。株式の持ち合い解消や銀行の保有株の放出、海外株主の増加など白紙委任が入手し難くなってきた。問題はそれだけではない。米国で現実になっている機関投資家の動きが、今年に入って次のように本格化してきた。<7-1>その影響力が日本でも現実のものとなってきた。
主なものは、昨年の10月5日: 厚生年金基金連合会が「株主議決権行使に関する実務ガイドライン」<7-2>を策定、公表した。今年3月:地方公務員共済組合連合会が議決権行使に向けて「コーポレート・ガバナンス原則(案)」を策定。7月30日:(財)年金総合研究センター「株主議決権行使ガイドライン(試案)」<7-3>を発表。
これらの動きには、株価の下落により運用益が出ず、二年連続の赤字が出たことがトリガーになり、年金の運用を委託されている受託責任を果たすために株主議決権行使の実行を本格的に取り組むことになったことが背景にある。
では、機関投資家はどのような情報を収集し、判断して株主議決権行使を行うのか。このことは至難の意思決定で、米国でも機関投資家に対して株主議決権行使の助言・代行を行う「IRRC」<7-4>や「ISS」といった専門機関があるぐらいだ。
日本でも(財)年金総合研究センターなどが既に研究を開始している。その一つにコーポレート・ガバナンスの質を数値化し、企業業績との関係等を研究している「JCGR」<7-5>という研究会があり、12月5日、その結果を入手した。<7-6> 近々、コーポレート・ガバナンスをベースにしたファンドの売出しも予定されている。
米国では、早くからカルパースのような年金基金が機関投資家として公開会社のガバナンスを監視しているが、日本でも同じような動きがいよいよ出てきた。これらの動きの中では、企業をどのような要素について、どのように評価するのか、これを確認しておくことはトップとして必須事項であろう。

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「忘己利他」NO.6

「MOU-CO-LI-TA」VOL.2 №6
Corporate-governance&Business-ethics Report
       -2002/11号-

東証・企業統治の取り組みを公表へ

昨今、マスコミを賑わしているのは、日本信販の利益供与事件。(摘発された主な総会屋事件は1984年以降27件にのぼる。)<6-1>
日本信販はなぜ、15年間の長きにわたって「闇」との癒着が続いたのだろうか。真の理由は当局の捜査待ちだが、業績の悪化は以前から言われており、特に子会社の問題が多い。ノンバンクのインターリースは2000年10月に負債総額は8000億円で特別清算を申請したが、その前に連結から外す方法には不自然さが残るとされた。<6-2> 不採算部門であったニコス生命はウィンタートウル・ライフに売却、撤退している。
経営悪化だけでなく、2000年には、NICOSカードの「無効通知表」が社外流出するという信販事業では考えられない事件が発生している。
山田洋二社長は創業者の長男で、1984年に社長に就任。1996年には会長に一度退いたが、2001年5月には、又、社長に返り咲いている。その間、18年もの間、一貫して代表取締役である。
山田社長は、今回の事件を「警察の捜査が入って初めて知った」とのことであるが、真偽は別として、言い訳にもならないことは、神戸地裁も所見を述べていることは既報の通り。<6-3>
東証は相次ぐ上場企業の不祥事に対しての対応策を発表した。それは、「望ましい企業統治のあり方をベストプラクティスとして上場企業に提示し、それと異なる統治手法をとる企業は決算短信で理由を開示してもらうなど、決算短信への記述を義務化し、違反企業には罰則も科す」との方針を発表した。その実施は、来年2003年3月期の決算短信からであるので、その対応準備は急がねばならない。その検討委員会委員長はオムロンの立石信雄会長。対応準備は、立石会長が関わった日本コーポレート・ガバナンス・フォーラムの「改訂・コーポレート・ガバナンス原則」<6-4>や経済同友会の「コーポレート・ガバナンス」<6-5>を熟読することだろう。

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「忘己利他」NO.5

 「MOU-CO-LI-TA」VOL.2 №5
Corporate-governance&Business-ethics Report

      -2002/10号-

   東京電力事件から学ぶこと

10月22日、政府が新たに導入する原発の傷の安全基準案がまとまった。このことは政府としては異例の早さと言えるだろう。当事件は国のエネルギー政策を揺るがしかねないものだけに小泉総理も9月30日、平沼大臣に大臣続投の指示の中で一番重視していた。<5-1> 国としても大事件であるが、我々企業人としても学ぶべき事が多い。 
東京電力の不祥事は、種類も事業内容も一般の企業とは大きく異なるが、188ページもの詳しい報告書と新聞報道などの情報を重ね合わせるとコーポレート・ガバナンスや内部統制に関して学ぶべきことが浮かび上がってくる。
<5-2>
それは、取締役の監査役への認識、内部統制システムを見直すシステム、代表取締役の責任、特にチェックが必要な部署などである。
東京電力の歴代のトップは経団連の企業倫理委員会や企業行動憲章のリーダーとして関わってきた。勿論、東京電力にも企業行動憲章<5-3>や行動原則<5-4>などが制定されている。企業行動憲章を作るだけで一安心している企業への生きた警告である。
 
◆事件の推移
  平成12年7月4日 通産省から電話で入手した情報の事実確認調査依頼あり。
  以下、平成14年
  5月10日 GEと東電の幹部が面談の中で内部告発以外にも問題が24件ある
         ことが判明。
  5月22日 「安全情報申告制度に係わる調査委員会」を発足し調査を開始。
  8月 9日 保安院に安全性について問題ないことを報告。
  8月30日 保安院は東電に「自主点検作業の適切性確保に関する総点検について」
         を調査し、9月20日までに報告するよう求めた。
  9月 2日 会長、社長などの辞任を公表。<5-5>その後、株主に詫び状を発送<5-6>
  9月17日 東電は保安院に次の報告書を提出。
        「当社原子力発電所の点検・補修作業に係るGE社指摘事項に関
        する調査報告書」<5-7>16時にプレス発表。
  9月28日 原発気密試験データ疑惑が発覚。<5-8>
       この事件は1992年のことだが、東電の幹部は「一連の不正をはるか
      に上回る重大問題で責任が問われる」と言う。やはり根は深そうだ。
  
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「忘己利他」NO.4

「MOU-CO-LI-TA」VOL.2 №4
Corporate-governance&Business-ethics Report
        -2002/09号-

不正防止は、「内部統制」の整備から

東京電力の不正も内部告発で暴露された。これだけ内部告発が続くと内部告発者保護法や内部通報制度など「内部告発」に話が偏ってくる。
しかし、内部告発者保護や通報制度だけでは、不祥事防止に直接的な効果は期待できない。不正が起こらないように、元から絶つには、何をすればいいのだろうか。
経営をコントロールする方法には、大別して2つある。コーポレート・ガバナンスと内部統制システムである。<4-1>内部統制の重要性とその整備については、かねてより産業構造審議会の企業分科会<4-2>で検討され、最近では経済産業省の「企業経営と財務報告に関する研究会」<4-3>でも議論されている。
また、大阪地裁が12年9月大和銀行事件の判決<4-4>の冒頭で、神戸地裁<4-5>が14年4月神戸製鋼所の総会屋事件で内部統制のトップの責任を言及している。
米国では、内部統制のグローバルスタンダードとも言われている「COSO報告書」(COSOモデル)<4-6>が1987年に米国トレッドウエイ委員会組織委員会から報告されている。その内容は、『内部統制の統合的枠組み』と題して理論編とツール編が白桃書房から1996年に出版されている。
また、「中小企業における内部統制」<4-7>について知ることは、内部統制の理解に役立つ。
2002/9/15付け日経新聞<4-8>で麗沢大学梅田徹教授は、この問題解決のためには「企業風土からつくり替えること」と「発想を変えること」それは「まず企業はマイナス情報でも積極的に開示すべき」と提言している。
なお、「行動規範をつくり、コンプライアンス(法令順守)委員会を置いて社内報告制度も設けた」企業で贈賄疑惑が発覚した事例をあげて「仏作って魂入れずというのが往々にしてある。機能させる仕組みを導入しないと意味がない。」と指摘されている。
「築城三年、落城一日」。営々と築いてきた企業やブランドを「内部告発の一刺し」で崩れないよう地味な努力が今求められている。
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「忘己利他」NO.3

「MOU-CO-LI-TA」VOL.2 №3
Corporate-governance&Business-ethics Report
      -2002/08号-

急ごう! 「内部告発」への備え

日本ハム事件は、7月下旬に近畿農政局にEメールで届いた内部告発で明らかになった。その後、社内の関係書類がFAXなどで届けられた。三菱自動車のリコール隠し以来、内部告発は続いている。これはブーム的な現象だろうか。
厳しい競争社会では、勢い余ってか、目先の目標に目がくらむのか、不正は古今東西例外がない。しかし、不正が明るみに出るか否かには、差がある。それは内部告発による差である。
わが国の内部告発は確実に増えている。その要因は、社員の価値観の多様化とEメールやFAX、インターネット上でのWebやホームページなど匿名性のあるアクセス手段の多様化などが相まってのことだろう。
内部告発でこれほど多くの企業の不祥事が明らかになると、市民感情としての内部告発への「密告」と言うイメージもなくなり、逆に社会的に評価したい感情も生まれてくる。又、消費者行政部門では、内部告発を有用なものと認識し、内部告発者を保護する法案の検討に入っている。(既に、原子力関係では内部告発の価値を認めて、告発者を保護する法律を定めている)
個人の価値観の多様化、世論の内部告発に対する評価、そして、法的な保護とその環境が揃えば、内部告発は多発することは、英米の例でも間違いない。
一方、企業不祥事による企業へのダメージは、雪印食品の倒産、関係企業の株価暴落など衝撃的、壊滅的なものになっている。
このような状況を併せ考えると対策は急がねばならない。まずは、不正を防止する対策である。これは倫理綱領の制定を通じてトップの意識改革から始まり、仕組みの整備がなされる。しかし、問題はそれらが組織の末端にまで浸透するのに時間が掛かることにある。それ故、急がねばならない。
内部告発者の保護は、英米、韓国で既に法律が出来上がっている。その内、英国の「公開開示法」は企業としても参考になる。日本での動きにも留意しつつ、進んでいる企業の例も参考にしながら、自社に確実に定着するものを策定、運用していかなければならない。
この失敗は、トップや経営陣への不信が決定的なものになるから恐ろしい。(別途、資料あり)

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「忘己利他」NO.2

「MOU-CO-LI-TA」VOL.2 №2
    
    Corporate-governance&Business-ethics Report
            -2002/07 号-

 早急に着手すべき「自主行動基準」の策定

企業として体制を整えなければいけないことは、企業独自のニーズの他に社
会的要請や行政指導などがある。環境問題など企業として支出が多くなっても
取り組まねばならないこともある。また、自社についての社会からの評価や株
主からの評価に配慮した行動もあるだろう。
最近のトレンドとしては、雪印問題を端にして、企業不祥事やコンプライア
ンス、企業倫理などの問題がある。これらは単にブーム的なことで終わるのか、
それが企業の重要な柱として定着するかは、個々の企業の問題ではあるが、行
政の方は、着実にステップを踏んで、この問題に取り組んでいる。
2001 年1月から内閣府国民生活局では、私的に「コンプライアンス研究会」
を立ち上げ、6回に亘って検討を進め、2001 年9月に議論の論点をまとめて
発表した。(「自主行動基準作成の推進とコンプライアンス経営(概要)」)
それを受けて、2001 年10 月に国民生活審議会として自主行動基準検討委員
会を設置。それ以降、検討を重ねて2002 年4月には「消費者に信頼される事
業者となるために」-自主行動基準の指針-という中間報告をまとめ、パブリ
ックコメントを募り、12 月の最終報告に向けて作業が進められている。
最終報告の後は、業界団体を通じて推進を図られる予定である。
この内容は特徴は、企業サイドの目線だけでなく、消費者サイドの目線でも
見直し、その上に行政も意見が入るということにある。また、中小企業にも採
り入れてもらおうと具体的な策定ステップの例示などしている。
「自主行動基準」として盛り込む内容は、企業理念や企業姿勢など企業の根
幹に関わることだけに、慎重な討議検討を重ねることになろう。また、それが
空文に終わらず、企業体質として定着、体内化させるとなると更に検討工夫が
必要となる。となるとその着手は、早すぎることはない。指針の内容を正しく
理解し、自社の問題として取り組むべき重要課題である。(別途つづく)
 

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