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2005.09.23

no.52/2005.02.22 経営者の自殺


監査役A:西武鉄道の前の小柳社長さんが自殺されましたね。
          
監査役B:そう言えば、去年の11月に西武鉄道の親会社のコクドの総務部次長も自殺でしたね。

監査役A:小柳社長は、総会屋への利益供与事件が明るみに出て戸田社長が引責辞任した後を受けて社長に就任されたのでしたね。

監査役B:利益供与事件と言えば第一勧業銀行の宮崎邦次元会長も自殺でしたね。

監査役A:あの一連の事件は、広がりましたね。

監査役B:逮捕者が45人、処分を受けた大蔵省や日銀職員が200人を超え、自殺者は6人も出ました。まさに未曽有の事件でしたね。

監査役A:もう忘れていましたね。

監査役B:企業不祥事で個人が命を絶たなくてはならないって考えられませんね。

監査役A:会社組織の忠誠なのか、自分さえ口をつぐめば丸く行くと考えるのだろうか。

監査役B:家族のことを考えていないですね。孫の代まで噂されるのに・・。

監査役A:新聞には「関係者によると、前社長は聴取で精神的に疲れていた」ということだが、取り調べも厳しいのだろうね。

監査役B:取り調べ官の方はその道何年のプロだが、調べられる方は初めてのことが多いでしょうから、揺さぶりに絶えられないとか・・・。

監査役A:まあ、大元は取り調べではなく、企業不祥事にあるのですが。

監査役B:それをどう防ぐか、自殺者が出るまでに何とかしないといけませんね。

監査役A:監査役の責任はどうなんでしょうか?

監査役B:このケースについてではなく一般論としては、監査役の目標は「企業不祥事ゼロ」ですからね。

監査役A:深みにはまらない前に予防措置をとらないとね。

監査役B:問題はトップの不祥事ですね。

監査役A:聞く耳を持たないトップは検察の力を借りることになるのでしょう。

監査役B:人生の最後をどう終わるかですね。■

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no.51/2005.02.15 :「企業の社会貢献力」


監査役A:今、発売している『週刊・東洋経済』(2005年2月19日号) 大企業130社の「貢献度大調査」は見られましたか?
          
監査役B:いやー、それはとっていませんね。何か載っていましたか?

監査役A:「企業の社会貢献力」という特集です。「貢献指数の高い企業は 評価される」と言うのですよ。新潟の中越地震やインド洋の津波 への支援金額などからも見ていますね。

監査役B:企業は利益を出して、税金を納めればそれでいいのじゃないのですか?それに従業員も雇用していますし・・・。

監査役A:失礼ですが、「その様な発想は、もう時代錯誤だ。利益しか考え ない企業はいずれ滅びる・・・」と書いてありましたね。

監査役B:お金以外ではどの様な評価基準なのですか?

監査役A:年間の活動支出額以外に、社会貢献活動についての方針の有無専任担当者の数、予算、事後評価、情報公開度。社員が活動しやすい制度の種類、NPOを支援しているか、それに中越地震や インド洋の津波への支援金額、ですね。

監査役B:この調査で何か分かったのですか?

監査役A:一つは「社会貢献活動に積極的な会社は社員も強い」と言ってい ますね。 その事例として、富士ゼロックスや三井住友海上火災保険、TDK、それと「社会貢献活動は未来への自己投資だ」と言う。その例をマイクロソフト、住友化学、損保ジャパンの例で説明し、「社会貢献意識の低いトップは評価されない」と言うこ とをトヨタ自動車、松下電器産業、花王の例で書いていますね。

監査役B:企業もしなければならないことが多くなりましたね。CSRもそうですし・・・。

監査役A:社会貢献活動はCSR(企業の社会的責任)の一つの要素として考えればよいと思いますね。特集では「株主利益と相反するように見えるが、実は従業員満足と顧客満足を生み出す可能性を持つ。 今後、企業力を測る有力な尺度となりそうだ。」とありました。

監査役B:そうですか、監査役にもそう言う視点が必要なようですね。

監査役A:この記事の中で、日本フィランソロフィー協会の理事長高橋陽子さんが「社会と共生するのではなく、社会の中の大企業たれ」と社会との距離をおくな、と言っているのが印象的でしたね。■

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no.50/2005.02.08 タクシー代


監査役A:NHKの不払いがその後も増えているようですね。
          
監査役B:1日の国会答弁で麻生総務大臣がNHKのタクシー代を公表 しましたからね。2003年度、全国で43億円ものタクシー 券を使っていたようですね。

監査役A:すごい金額ですね。そう言えば各省庁でも遅くまで電気がついていますね。

監査役B:同じ年度の中央官庁のタクシー代は60億円も使っています よ。NPO法人の「情報公開市民センター」の調査ですが。

監査役A:どこが多いのですか?

監査役B:最も多かったのは国土交通省で十二億円超(推定)ですよ。

監査役A:何に使っているのですか?

監査役B:タクシー利用のほとんどは深夜帰宅に使うそうです。

監査役A:そんなルールがあるのですか?

監査役B:それが明確な規定がない省庁が多かったようですよ。法務、 厚労、国交、防衛の四省庁ではまったく設けておらず、具体性を欠く規定しかないところも六省庁あった。問題は残業で すね。敢えて残ってタクシーで帰る人もいた?

監査役A:まあ、企業人も接待をして遅くなるとタクシー券が出るバー にわざわざ出かけて自宅までかえることもありましたが。

監査役B:国交省の次が厚生労働省の七億二百万円。文部科学省の六億三千三百万円。内閣府五億三千万円と続く。一番少ないのはど こと思います?

監査役A:どこでしょうか?

監査役B:それは会計検査院の千五百万円だそうです。

監査役A:なるほど。新聞社も多いのでは?

監査役B:朝日新聞社全体のハイヤー・タクシー代は全社で一日に1200万円と言うことですから、年間では44億円ですね。

監査役A:当社も実態調査をしてみないといけないですね。■


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no.49/2005.02.01 NHKのガバナンス

監査役A:先日、NHKの海老沢会長が辞任しましたね。
          
監査役B:当然でしょう。あれほど不祥事が続き、視聴者の受信料不払や保留が急増しましたからね。

監査役A:そう言う意味では良かったと思いますね。しかし、経済同友会の代表幹事の北城さんのコメントを読むと少し、違いますね。

監査役B:と言いますと?

監査役A:あなたが言われたことは認めていますが、「コーポレート・ガバナンスの観点から言えば、経営トップが自ら辞任を決断する形式は望ましくない。」とのコメントです。本人が言い出すのではなく「NHKで言えば、経営委員会がきちんと機能し、その判断によって行われるべきである。」と。

監査役B:確かにNHK経営委員会は会長の任免権があるのだから、そこが機能すべきだというのですね。

監査役A:本人が「辞任する」と言えば、「良くやった」「潔い」と日本的な判断をするがそうではないのだね。

監査役B:格好いいだけでなく、一般的には退職慰労金が違って来ますね。

監査役A:NHKの経営委員も名誉職のように考えず、しっかり機能して貰わないと困りますね。

監査役B:企業でも不詳事即トップの辞任という図式がありますが、よく見ていかないといけませんね。

監査役A:不祥事が起こらないような仕組みを構築することが肝心ですね。

 <参考>

    海老沢勝二日本放送協会(NHK)会長の辞任表明について

                    社団法人 経 済 同 友 会
                     代表幹事 北城 恪太郎

1.日本放送協会(NHK)の海老沢勝二会長が、一連の不祥事に伴う信
頼失墜の責任をとって辞任を表明したことは、視聴者による受信料不払・
保留の急増という現状を考えれば、適切な判断であったと考える。

2.しかし、コーポレート・ガバナンスの観点から言えば、単に世論の批
判を受けたからという理由で、経営トップが自ら辞任を決断する形式 は
望ましくない。NHKで言えば、経営委員会がきちんと機能し、その判
断によって行われるべきである。

3.後任人事については、経営委員会において十分検討されたものと思う
が、今後は新会長の下で経営委員会の機能をより一層強化し、実効性ある
ガバナンス体制の下で経営が行われることを望む。問題の起きないシステ
ムを構築することによって、国民の信頼が回復することを期待したい。

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no.48/2005.01.25 「日本は法治国家なのか」


先輩監査役:いよいよ年も改まり忙しくなるね。

新任監査役:気が気でなく、お正月もゆっくり休めませんでした。

先輩監査役:本当かね?温泉に行っていたと聞いたよ。
          
新任監査役:どこで聞かれましたか?

先輩監査役:この間、湯沸かし場で女の子たちが君の温泉まんじゅうを食べながら話していたよ。

新任監査役:どこから漏れるか分からないですね。

先輩監査役:話は変わるが、「日本は法治国家なのか」と元国連事務次長明石康氏が疑問を呈していたね。
      
新任監査役:読みました。私も一票の重さで最高裁が違憲と判断を下しても改善しないことはどうかと思いますね。

先輩監査役:この事は、日本国憲法 第一四条【法の下の平等】に「すべての国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。」とあるので、「一票の格差」の根本的な是正は必要なんだよ。

後輩監査役:これまで何度も同じようなことがあったように思うのですが、最高裁判所の判決でも抜本的な改善につながらないのですね。

先輩監査役:困ったことだね。

新任監査役:政治家でも総理経験者でも問題を起こしていますね。

先輩監査役:企業でもトップが問題を起こしているし・・・。昔は上場企業と言えば、信用があったのだが最近はそうとは限らないね。それも超ビッグ企業が不祥事を起こしますからね。
          
新任監査役:巨大だから社内の常識が変えられない、とか?

先輩監査役:自社の常識と世間の常識の差が分からなくなって居るようだね。

新任監査役:それで社外監査役が必要と言われるのですか?

先輩監査役:それだけではないが・・・。君も新鮮な感覚で見て欲しいね。

新任監査役:分かりました。良い社風になるように頑張ります。

先輩監査役:ところで、温泉って、どこへ?
          
新任監査役:もう、その話は勘弁して下さい。■

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no.47/2005.01.18 上場審査の前に公認会計士が企業統治の実効性を検査


監査役A:今日(2005/01/18)日本経済新聞に「大阪証券取引所は2005年度から、上場審査の前に公認会計士が企業統治(コーポレートガバナンス)の実効性を検査する制度を導入する。」という記事があったね。
          
監査役B:そうですか?見落としました。

監査役A:15頁目で小さい記事だったからね。

監査役B:急な話ですね。前から話は出ていたのでしょうか?

監査役A:例のメディア・リンクスは、上場前から架空の売り上げを計上 して決算を粉飾していたことからですね。

監査役B:いやー、あのケースは驚きました。上場審査って厳しいので しょう。 何年か前から監査法人の監査も入り、証券会社もチェックしているのにどうなっているのでしょうね。

監査役A:今日の記事で大証は「決算書から粉飾を見破るのは容易ではない」と言っているが、責任逃れもいいところだね。

監査役B:それで公認会計士に企業統治(コーポレートガバナンス)の実効性を検査させようと言うことですか。

監査役A:「企業統治へのチェックが鍵を握る」とも言って、それが実際に機能しているかどうかを公認会計士にチェックして貰うと言うこと。

監査役B:あえてその様な指示を出さなくっとも、分かっていたかも知れませんね。成果は疑問ですね。

監査役A:企業不祥事のほとんどが内部告発で明るみに出ていることから社外の目では専門家でも難しいだろうね。

監査役B:それも常勤、常駐でトレンドや臭いをかいでいないとね。

監査役A:やはり、常勤監査役の役割は重要ですよ。

監査役B:未だに本来の役割を自覚していない監査役も多いとか。

監査役A:その内にしっぺ返しが来そうですね。

監査役B:そうですね。そんな気配がしますね。■

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no.46/2005.01.12 有価証券報告書虚偽記載


監査役A:おめでとうございます。
          
監査役B:先週はお休みでしたね?

監査役A:久しぶりにゆっくりさせて貰いました。

監査役B:今日は監査役協会の賀詞交歓会ですね。行かれます?

監査役A:いやー、それがダメなんですよ。

監査役B:私も社内の行事とぶつかって、でられないのですよ。

監査役A:今年は事件の少ない良い年であってほしいですね。

監査役B:ところが朝日新聞の元日のトップ記事が「西武鉄道の有価証券報告書虚偽記載」の件でしたね。

監査役A:朝日のスクープなんだろうが、採り上げ方が大きかったです ね。

監査役B:この一件で東証も動き出しましたね。

監査役A:今年の三月期分から有価証券報告書について社長など代表者から「記載内容の適正性に関する確認書」の提出を求め、正確さを誓約できない企業には、改善報告書の提出を要求する。

監査役B:今月からは「適切な情報提供に真摯な姿勢で臨む」との宣誓書も提出させるようですね。

監査役A:適時開示を実行するための社内体制の整備状況についても宣誓 に加えるよう全上場企業に要請した。

監査役B:これを機会に各企業が適時開示の実効性を高める体制を整えるようになればいいのですがね。

監査役A:他人事みたいに言っているが、まず、監査役として自社の体制をチェックしなければね。

監査役B:そうですね。■

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no.45/2004・12・28 年末に考える


先輩監査役:いよいよ今年も終わりだね。

新任監査役:暦上ではそうですが、監査役としてはこれからが本番なので私はその様な気になれませんね。

先輩監査役:しかし、年末年始は一年の区切りだから、本業を離れて反省やこれからの人生の抱負や目標を考えてみるのも良い。
          
新任監査役:そうですね。考えてみます。

先輩監査役:それに年末年始の新聞には色々なまとめが出ているのでスクラップしておくと重宝するよ。

新任監査役:仰るとおり、24日(金)の日経の24面の「ニッポンのゆくえ」は広告となっていましたが、内容は良いものでした。

先輩監査役:元日の新聞も内容があるね。私は毎年、5紙全部を買ってきて目を通しています。
      
新任監査役:そう言えば私の先輩の井上修さんは毎年、元日の新聞の社説を要約して一表に纏めていますね。

先輩監査役:それも理解促進によいですね。一番は今後の大きな流れを紙面から読み取ることだろう。
      
後輩監査役:トレンドですね。不透明な時代ですから特に大切ですね。今年一年、色々ご指導頂き、ありがとうございました。来年もよろしくお願いいたします。■

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no.44/2004・12・21 監査役候補者


先輩監査役:君は会計の方はどうなんだ?

新任監査役:お恥ずかしいのですが、ダメなんです。

先輩監査役:新しい監査役監査基準の9条2に「監査役候補者の選定に際 しては、監査役会は、任期を全うすることが可能か、業務執行者からの独立性が確保できるか等を勘案して、監査役としての適格性を慎重に検討しなければならない。なお、監査役のうち最低1名は、経理又は財務に関して十分な知見を有す る者であることが望ましい。」とあるがこれからは会計に精通している人も欲しいね。
          
新任監査役:確かにそうですね。先日の日経新聞に公認会計士を一般企業 が採用し出したという記事がありましたね。

先輩監査役:70社から120人ほどの希望があったそうだね。しかし、 アメリカでは会計士の半分は企業に行くから日本は少ないぐらいだね。

新任監査役:そうですか。会計基準もグローバル化されてきて会計も複雑になりそうですし・・・。

先輩監査役:監査への意識も高まってきたのでしょうね。
      
新任監査役:監査役にもやはり、一人欲しいですね。

先輩監査役:監査役候補の選任の時に入るようにすべきでしょう。
                  
新任監査役:当社の選任は2年後にその機会がありますね。少し先ですが。
      
先輩監査役:今から執行部に啓蒙しておかないと遅いかも知れないね。

新任監査役:そうですね。一寸、作戦を練ってみます。

先輩監査役:監査役だけでなく、経理や内部監査部門にも会計士が欲しいところですね。

新任監査役:コーポレート・ガバナンスを厳しく問われる時代の対応としては当然でしょうね。これも人事に言っておきます。当社は遅れているからなー。ありがとうございました。■

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no.43/2004・12・8 GMIグローバル格付けで日本は最下位


監査役A:今、日経新聞に連載されている「開示不信」を読んでおられます?
          
監査役B:連載されていますね。

監査役A:「粉飾決算の疑いあり」と証券取引等監視委員会に寄せられた件数は2004年6月までの一年間で67件と5年前の6倍もあったようですね。

監査役B:6倍とは、私も驚きました。コーポレート・ガバナンス議論が活発になり、このところ良い方向に進んでいると思っていたのですがね。

監査役A:この問題は個別企業で見ていく性質のものでしょうが・・、残念ですね。 「当社に限って・・」と考えてはいけないと言うことですね。

監査役B:そのこととの関係は知りませんが、GMIグローバル格付けで、日本の順位は昨年が14カ国中最下位、今年が23カ国中22位だと書いてありましたが、あれはどの様なチェックをしているのですか?

監査役A:現時点のGMIの評価の大項目は、1.取締役会の説明責任、2.財務開示と内部統制、3.株主の諸権利、4.経営幹部の報酬、5.経営支配と株式所有、6.企業行動とCSR問題の6つだそうですね。

監査役B:細目はどうなんでしょうか?

監査役A:1.取締役会の説明責任の場合ですが、会長とCEOが兼務しているか?・前CEOが取締役として残っているか。・コーポレート・ガバナンスのガイドラインを開示しているか。・全取締役は取締役会に75%以上出席しているか。・倫理規定を開示しているか。・すべての幹部社員が自社株を所有しているか。など14項目があるのですよ。

監査役B:細かく規定しているのですね。

監査役A:これが世界でのモノサシなんですよ。それを使って評価すると日本は最下位になると言うことですね。

監査役B:日本もまだまだなんですね。

監査役A:貴社の状況はどうですか?監査役監査基準によれば、このようなことも監査役は実現に向けて執行側に働きかけることになっていますね。

監査役B:うんー、監査計画というか、私の仕事を考え直さないといけませんね。ありがとうございました。■

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no.42/2004・12・1会計監査人の独立性の監視


先輩監査役:少しご無沙汰でしたね。監査役全国会議の後、西日本の拠点に行ってたんですよ。ところで今は何を?
          
新任監査役:今月、監査法人が入るのですよ。その準備と言いますか、アドバイスをお願い致します。

先輩監査役:はじめてだから「監査役監査実施要領」の第4項会計監査人との連係を読むことですね。何をすべきかのチェックリストになるでしょうね。

新任監査役:まず、「会計監査人監査の概要の把握」とありますね。

先輩監査役:この機会に過去、3-4年分の状況を把握しておかれると良いでしょう。後からでは調べづらくなりますからね。それと時系列比較をして気付くこともあるので必要なんですよ。
      
新任監査役:分かりました。この機会に過去の情報を入手してみます。

先輩監査役:君のことだからやるだろうが、パソコンに入れておくことだよ。これから4年間あるのだからね。また、会計監査人の再任を検討するときに必要になるからね。とにかくパソコンに入っていると社外監査役への報告などが億劫にならないからね。
                  
新任監査役:次に「独立性の監視」とありますが、どういう意味ですか?
      
先輩監査役:新しい監査役監査基準から入ってきたのだよ。まず、「企業の財務諸表を監査する会計監査人が経済的に利害関係のある会社に対して公正な監査を実施することは難しい」という考え方がベースにある。例のエンロン事件以前から会計監査人の独立性に関する議論があったのだが、エンロン事件で議論が再発された。それは、エンロンの監査報酬の数倍のコンサルティング報酬が同じ会計事務所に支払われていたようで、この会計監査業務とコンサルティング業務の兼務が会計監査人の独立性を損なわせる原因だったということだ。破綻後の調査によって、膨大な簿外取引が見つかったが、それは超一流の会計事務所である監査法人のアンダーセ ンが粉飾を見抜けなかったはずはない。アンダーセンがエンロンからコンサルティング報酬をもらっていたので、粉飾に協力していた、というのが定説のようだね。

新任監査役:その様な背景があったのですか。会計監査人と会社との癒着がないかという視点で見てみたいと思います。

先輩監査役:監査だけでなく、毎年、監査役会として会計監査人を再任するかどうかを検討することは欠かせないですよ。

新任監査役:監査役会の議事録を読みますと当社では今までしていなかったようですね。

先輩監査役:それは、あなたの時から変更すべきでしょう。結果として再任になるかも知れませんが、キッチリ資料を揃えて、社外監査役の目からも見直して頂く方がよいでしょう。監査役会で検討していることが良い意味で牽制になりますよ。

新任監査役:分かりました。株主総会前の監査役会で議題にします。

先輩監査役:担当者が変わると革新が出来るのでよいですね。会計監査人の任期も2004年4月1日から改正公認会計士法が施行され、7年(会計期間)で交代が義務化されました。これは監査法人の交代ではなく担当の会計士が交代することです。

後輩監査役:なるほど。何でも「ボウフラ」がわかないうちに手を打つのですね。

先輩監査役:度々代わると、その企業の会計システムの勉強や内部統制システムの見直しなどで時間と費用がかかるのですが、7年での交代は必要なことでしょう。

後輩監査役:会計監査人との「連係」とありますが、「連係」って具体的には何をするのでしょうか?

先輩監査役:新任の監査役の場合は、会計監査人からいろいろ教えてもらうことに尽きますね。それには、腰を低くして、機会を多くして、質問を準備して、教えてもらったことはノートする。この常識を守って下さい。そうすると丁寧に教えて頂けますよ。

後輩監査役:今お聞きしたこともノートしています。とりあえず、今日はこれくらいで頭が一杯です。ありがとうございました。■





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no.41/2004・11・23 三井物産がまた事件を


監査役A:三井物産がまた、事件を起こしたね。

監査役B:ディーゼルエンジンの排ガス浄化装置(DPF)のデータ虚偽報告ですね。

監査役A:三井物産によると、不正が発覚したのは同社の内部監査がきっかけだったそうだから、その後、内部統制は厳しくしていたのでしょう。

監査役B:今夏の定例の子会社監査から問題が見つかり、専任の監査員を常駐させたようですね。今月十二日に若手の社員が直属の上司にデータの虚偽報告の事実を告白した。

監査役A:これも内部告発ですか。それにしても虚偽報告の事件が多いですね。

監査役B:今日の日経だけで次のような記事がありましたよ。

1.「大阪港埠頭(ふとう)ターミナル」の輸入青果偽装事件で、大阪地検は二十二日、輸入カボチャをめぐる不正競争防止法違反(虚偽表示)の罪で三人を起訴。又、両罰規定に基づき、法人のターミナル、ローヤル両社も起訴した。

2.北海道警の裏金問題で一九九八年度から二〇〇三年度の六年間に不正に支出された捜査用報償費などの裏金総額が十一億円だった。そのうち捜査活動に使った支出を差し引いた約七億一千五百万円(利子含め約九億一千六百万円)を国や道に返還する。

3.生コン製造業者「オギノコンクリートがコンクリートの検査データのねつ造や、強度試験のサンプルの偽造を半年以上も続けていたことが判明。日本工業規格(JIS)表示の認定を取り消した。

4.メディア・リンクスは株式上場前の二〇〇〇年ごろから、売上高の極端な水増しを続けていた。元社員の一人は「実体のある取引はほとんどなかった」と話しており、粉飾操作を見抜けなかった監査法人や証券取引所
の審査体制の甘さも問われそうだ監査役B:このような企業の不正がいろんな所に波及することを恐れていたのですが、高校生までマネをし出しましたね。

監査役A:「モーニング娘」や松浦亜弥さんの偽のサイン入りブロマイドをインターネットのオークションで販売し、六十三人から約百二十万円をだまし取っていたとして、大阪府警少年課は女子生徒三人を詐欺容疑で書類送検していますね。

監査役B:監査役もしっかり監査し、内部統制システムの構築と運用状況についても見ていかないといけませんね。■
     

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no.40/2004・11・16 監査役監査基準


監査役A:監査役全国会議が先週、終わりましたね。
          
監査役B:2500名の参加だとか。監査役協会の意気込みも感じられ ましたね。

監査役A:新監査役監査基準を各監査役に早く実践してもらいたいとい うことが伝わってきましたね。

監査役B:協会の笹尾会長の挨拶にも「今、監査役は行動が求められて いる」とハッパが掛かりましたね。
      
監査役A:監査役監査基準を行動に移すための知識や情報の解説会的な 会議でしたね。

監査役B:確かに知識や情報を与えてもらってよかったが・・・・。 何か一歩踏み出せないのですよ。
                  
監査役A:それはご自分で帳票をめくることへの抵抗感でしょうか?
      
監査役B:それもありますね。今まで部下に指示ばかりして、自分ではやってこなかったのでね。

監査役A:うちの以前の監査役も同じでしたね。ですから視察や面談 がほとんどでした。地方や海外出張が多かったようです。

監査役B:面談は悪くないのでは?

監査役A:監査のための面談ではなく、お説教や「オレの時は・・」との自慢話が多かったと不評でしたよ。

監査役B:実は、私も同じなんですよ。どうすれば良いのかな?

監査役A:私の場合は、監査のポイントやコツを掴むまでは何度も帳票や決裁伺い書などをめくりましたね。

監査役B:書類を持ってくることも気が引けるというのか、抵抗感がまだ少しあるね。

監査役A:慣れですよ。しばらくやってみられては?

監査役B:そうですね。早くしないと時間がなさそうだし・・・。■

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no.39/2004・11・11 監査報告書のひな型


先輩監査役:監査役会の監査報告書のひな型も変わったね。
          
新任監査役:そうなんですよ。「注記」が多くなりました。

先輩監査役:監査報告書は監査役として株主に出す唯一の報告書だからね。それも書面で、署名捺印までするのだから確信の持てるものでないといけないね。

新任監査役:その重要性は一応、理解しているつもりです。

先輩監査役:あのひな型内容は、法的に最低限必須の事項が網羅されているから、あれを一つのチェックリストにして見るのも良いね
      
新任監査役:今回の改定のひな型では、各社で対応しなければならないところが多く出てきましたから大変です。

先輩監査役:本来、そういうものなんだよ。各社一律って、おかしいことだよ。
                  
新任監査役:はい、ひな形はあくまでも参考と考えていますが。
      
先輩監査役:自社の方法や結果を簡潔に表現することだよ。そのためにも監査調書は欠かせないね。

新任監査役:非常勤の監査役さんに説明し、ご納得を得ないとなりませんからね。

先輩監査役:それもあるが、監査調書は自分のためにも日々の証として必要なんだよ。かなり面倒に思えるがね。

後輩監査役:大変でしょが、がんばります。■


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no.38/2004・11・4「監査役監査実施要領」

先輩監査役:少しご無沙汰だったね。  
          
新任監査役:どうしておられたのですか?

先輩監査役:実は海外旅行に行っていたのだよ。非常勤になったので女房孝行だよ。

新任監査役:いいですね。私も行きたいですよ。

先輩監査役:後4年後だよ。ところで、コクドの問題などで監査役への風当たりが厳しいようだね。
      
新任監査役:各紙の論調も監査役に目が向けられているような気がしますね。

先輩監査役:だから基本的なことはキッチリやっておかないとね。
                  
新任監査役:やはり、監査役監査基準でしょうね。
      
先輩監査役:11月号の付録に「監査役監査実施要領」があったね。100頁を越える詳細なものだね。

新任監査役:実は、私はまだ、よく目を通していないのですが・・・。

先輩監査役:実に細かく、親切に作られているよ。

新任監査役:月度別の監査業務一覧などもありましたね。

先輩監査役:これだけのものを実際問題どう実施するかだね。

新任監査役:急いで当社なりの、私としての内容に置き換えてみたいと思います。

先輩監査役:そうだね。そのとき、関係法令にも目を通しておきたいね。

後輩監査役:大変ですが、がんばりましょう。■

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no.37/2004・10・27 セクハラ


監査役A:セクハラで福岡ドーム、ホテルなどを運営するホークスタウンの社長が辞めることになりましたね。

監査役B:セクハラってどの程度か知りませんが、昔は日常茶飯事?今でもあちこちで残っているらしいですよ。

監査役A:なのに、経営の立て直しで名をあげて、著書もある社長だから大きく採り上げられたのでしょうか?26日の読売新聞ではトップ記事だけでなく、「論断」や三面記事のトップでも大きく扱っていますね。

監査役B:今回のケースは、単なるセクハラでは無さそうですね。常態化しており、公然と著書にまで書いていますからね。

監査役A:それでも問題にならなかったのは不思議ですね。誰も何も行動を起こさなかったのですね?

監査役B:今回は複数の社員が告訴して、警察が逮捕に踏み切ったようですね。

監査役A:経営の建て直しに乗り込んできた社長に注意をするなど出来ないでしょうね。それなのになぜ、辞めることになったのでしょうか?辞任ですか?

監査役B:球団を除くダイエー福岡事業を買収した米国の投資会社コロニー・キャピタルが9月29日に臨時取締役会を開き、高塚猛社長ら3役員を解任したようですね。 その時は「重大な法令違反があったため」と解任理由を説明し、内容は「プライバシーの問題もあり、明らかにできない」と言っていた。

監査役A:そうですか、やはり、内々の取締役や監査役では出来ませんね。

監査役B:その時の報道では「無理やり理由つけて高塚社長たちを降ろして、コロニー色を強くする人事をしたかっただけ??」というのもありましたが・・・。

監査役A:監査役も問題ですが、それ以前に経営手腕があれば、少々のことは目をつむり、社長に任命したことがいけないですね。

監査役B:背に腹は替えられなかったのでしょうか。

監査役A:大学教授もセクハラで惜しい能力を埋没することになったことがありましたが・・・、
      
監査役B:「男の性だから」では、済ませられない社会の変化をキャッチしていなかったのでしょうか?

監査役A:そのクセのある人は、「君子危うきに近寄らず」で行くことしかない?それにしても読売新聞の取り扱いは大きすぎませんか?

監査役B:それは読売がスクープしたかららしいですよ。他社の新聞でも同じことはやっていますが。

監査役A:そんなことでトップ記事が決まるのですか。これからはトップ記事に注意しないと。■

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no.36/2004・10・19 情報公開と不祥事


監査役A:北オセチア共和国で300人以上の犠牲を出した学校テロ事件 から1カ月以上になりますが、その後どうなったのでしょうか。

監査役B:事件当日は何度も裸の子どもが逃げる映像が放映されましたがそれからは音沙汰ないですね。

監査役A:いまだに人数の確認も明確でないようですね。

監査役B:それだけでなく、それ以外にも報道規制があるようですね。

監査役A:先日、『チェチェンやめられない戦争』(アンナ・ポリトコフスカヤ著、三浦みどり訳、NHK出版・2,400円)の書評が日経に載っていましたね。
     
監査役B:それは見逃しましたね。

監査役A:それによると「ロシア・北オセチア共和国での学校占拠事件、非人間的なテロ行為がもたらした惨劇は、映像とともに広く世界に伝えられた。しかし、事件の背景にあるチェチェン紛争の実態は、ほとんど知られていない。」と。

監査役B:この本の内容は確かなのですか?

監査役A:この著者は著者はロシア人のジャーナリストで「ノーヴァヤ・ガゼータ」新聞の評論員で、2002年にあったモスクワの劇場占拠事件では仲介役に指名され、交渉に当たつた人のようですね。世界のメディアから隔離されたも同然のチェチェンで何が起きて憎悪の連鎖を生み、泥沼の状況が続くのかについて、命懸けの現地取材を積み重ねてきたようですね。

監査役B:そうですか、それで内容は?

監査役A:ロシア革命で30万人ものチェチェン人が中央アジアへ強制移住させられ、1991年にソ連が崩壊し、第一次チェチェン戦争を経てエリツィン政権との合意が成立し、事実上の独立に近づいたかに見えたが、ロシア軍の政治的な巻き返しと「強いロシア」のイメージづくりにチェチェン対応を利用するプーチン政権登場によつて状況は変わってしまった。

監査役B:そんな背景があったのですね。

監査役A:1999年に始まり、今も続いている第二チェチェン戦争では、ロシア軍の作戦は、兵士による金品の略奪脅迫、従順でない住民の拉致と身代金の要求などの蛮行に変質したと著者は指摘している。 これらの行為を「テロに対するロシアの国家的テロ」「司法の死」と非難し、こうした手法は「新たな抵抗を生み、憎悪をかきたてるだけだ」と強調している。

監査役B:ひどいですね。

監査役A:それだけではないのだよ。罪を問われることのない軍幹部は掃討作戦や犯罪組織からのピンハネを 蓄財し、報告を改ざんして自らの昇進を狙う。一方でイスラム原理主義色を強め「聖戦」を叫ぶ独立派の野戦司令官たちも、中東から流れ込む資金の受け皿となる利権目当てに動く。双方とも戦争をやめる気がない中で産業基盤は破壊され、住民は密告を生存の手段にするようになった。

監査役B:このようなことは全く知らなかったですね。

監査役A:取材先で不審な死や失そうに至った人は少なくないらしく、著者自身も学校占拠事件取材に行く途上の機内で出されたお茶を飲んだ後に倒れ、毒殺未遂説も流れている。「本書はロシア政治の闇の深さを物語る本でもある。」と書評を書いた日経新聞の国際部長の脇 祐三氏は結んでいますね。
                 
監査役B:情報が公開されない所や評価制度のないところでは、間違いなく腐敗や悪事が発生すると言うことですね。いやー、ありがとうございました。■

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no.35/2004・10・12 「法の支配が危機にひんしている」


監査役A:アメリカが京都議定書署名しない方針ですね。その理由が「米経済に大きな打撃を与えかねない」として、一貫して反対してきたんだが・・・。

監査役B:ロシア政府がやっと京都議定書の批准案を承認したのですが。

監査役A:地球規模の問題でも自国のエゴが優先するのですね。

監査役B:それにまだ発効していないが、国際条約ですからね。

監査役A:もっと深刻なのは、民間人や弱者、特に子どもの尊重を定める国際法が世界中で「恥ずかしげもなく無視されており、(国際)法の支配が危機にひんしている」ことですね。

監査役B:それは、21日の国連総会でのアナン事務総長の冒頭演説の内容ですね。

監査役A:「世界は、国家の強弱大小にかかわらず公平な法の支配の枠組みを必要としているが、その枠組みはあるが不均衡と脆弱さにむしばまれている。」とも言っていたね。

監査役B:国際法の枠組みが「あまりにも選択的に適用され、恣意的に執行されている」とし、単独行動主義で国際法秩序を破壊するブッシュ米政権を暗に批判していたね。

監査役A:なかなか言えないことですね。社長への苦言も同じだが。

監査役B:「法の支配が危機にひんしている」と訴えは強烈ですね。

監査役A:法を無視する傾向を何としても早く止めないと・・・。
      
監査役B:企業内でもやり手の営業担当取締役が冗談交じりで言ったことも敏感に従業員は捉えていますからね。

監査役A:経営トップが倫理綱領や企業倫理と叫んでもどこまで本心なのか、密かに見守っていますよ。

監査役B:業界がどうであってもルール違反は絶対にせず、早くなくすことですね。

監査役A:監査役が知恵を絞り、勇気を持って行動するしか無さそうですね。

監査役B:監査役会の力も使ってね。■

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no.34/2004・10・05 CSR

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         ▼▲▼▲ 監査役への応援歌 ▼▲▼▲

┗━━━━━━━━━━━━<  NO.34 先輩監査役 編  >━━━━┛


監査役A:NTTドコモがプリペイド型の携帯電話サービスを廃止しましたね。

監査役B:中村社長は三十日の会見で「最近、携帯電話の負のイメージが注目されている。企業の社会的責任を果たすべきだ。プリペイド携帯は犯罪にも利用されており、廃止したい、と言っていましたね。

監査役A:儲けはどうなんでしょうか? 少し前なら考えられなかったことですね。

監査役B:アサヒビールも年内に発売しようとしていたペットボトル入りビールの発売を当面見合わせましたね。既に八億円もかけて専用設備を新設した後ですからね。大英断ですね。

監査役A:その理由は何なんですか?

監査役B:それは、現在のペットボトルのリサイクル網では処理しきれなくなる恐れがあるとのことですね。消費者団体などからの追求もあったようですが。

監査役A:環境問題に配慮して発売を見合わせるなんて、すごいですね。このような動きの背景は何かあるのですか?

監査役B:最近、良く新聞紙上で出てくるCSR(Corporate Social Responsibility)ですかね。

監査役A:そう言えば、人事欄にも出てきますから、担当役員やら新規の部署名など・・・。

監査役B:英、仏ではCSR担当大臣も置かれていますね。

監査役A:あっそうですか。欧州では進んでいるのですね。
      
監査役B:いやー、世界レベルでの動きですね。国連は1999年に「グローバル・コンパクト」を提唱し、現在、世界
のビジネス・リーダーに対し「より良き地球市民」をめざそうとこのグローバル・コンパクトへの取り組みを呼びかけています。

監査役A:それだけでしょうか?

監査役B:従来、商品やサービスを安く提供するために原価を下げる必要がある。そこで安価な素材を手に入れようとやむを得ず自然環境を破壊したり児童を労働力として雇うことに目をつむったりする。本来社会のためにやっているはずだったのに、結果として地球環境を傷つけてしまったり社会を不安定化させてしまったりという矛盾が生じてきた。

監査役A:ありますね。売上げのためなら少々のことなら黙認と言うことが。

監査役B:先進国というか、社会が豊かになると経済的成長以外のさまざまな価値観が育まれてきたようですね。また、企業の評価基準として、法律や制度で決められた範囲を超えて“よりよい行動”をすることを望ましいとする傾向が生まれてきているようですね。

監査役A:そのような社会的要請に企業が応えようってことですね。

監査役B:実際の活動内容は、従来の「法規の遵守」「雇用創出」「メセナ活動」などだけではなく、「地球環境への配慮」「企業統治と情報開示」「個人情報保護」「ボランティア活動支援」「地域社会参加」などが典型的なCSR活動と言われていますね。

監査役A:企業の力も巨大になったので、一つの企業の経済力が、一国をしのぐようになっているところもあるようですね。これほどまでに強大になった企業が目先の利益のみを追求するとどうなるか。その影響はすでに地球環境問題や貧富の差の拡大して、地球規模で表面化してきている、のですね。

監査役B:仰るとおりです。日本も動き出したようですね。
      
監査役A:判例ではないのですが、「裁判所が広く経営者に向けて鳴らした警鐘」だと弁護士の鳥飼重和氏は語っていましたね。■


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no.33/2004・09・28 10月は「企業倫理月間」


監査役A:10月は「企業倫理月間」ですが、貴社では何かされます?

監査役B:いやー、お恥ずかしいことですがその様な月間があったのですか?

監査役A:日本経済団体連合会が音頭をとっていましてね、昨年からスタートして、今年は第二回目ですが。
      
監査役B:内容としては、どんなことをするのですか?

監査役A:日本経団連としては、次のようなことに取り組むよう会長からメッセージが出ていました。
     A.コンプライアンス体制の整備と見直し
       1.各社独自の行動指針の整備・充実
       2.企業倫理担当役員の任命や担当部署の設置等、全社的な
         取り組み体制の整備
       3.企業倫理ヘルプライン(相談窓口)の整備
     B.コンプライアンスの浸透と徹底
       1.経営トップの基本姿勢の社内外への表明と具体的な
         取り組みの情報開示
       2.役員を含む階層別・職種別の教育・研修の実施・充実
       3.企業倫理の浸透・定着状況のチェックと評価
     C.事前の備えと不祥事が起きた場合の対応
       1.適時適確な情報開示、原因の究明、再発防止策の実施、
         ならびにトップ自らを含めた関係者への厳正な処分

監査役B:コンプライアンス関係ですか、大切なことですね。

監査役A:奥田会長も挨拶で経営トップの責務だと次のように言っていますね。 「企業不祥事は、企業そのものの存立を危うくし、経済界全体に対する信頼を大きく損なうものであります。経営トップの姿勢こそが不祥事防止
の根幹であり、企業行動を常時点検し、企業倫理を確立することは、経営トップの責務であります。」

監査役B:当社はどうしているのかなー?

監査役A:今からでは準備ができないでしょうから、来年を目指されてはどうでしょうか。

監査役B:そうですね。何か参考情報がありますか?

監査役A:基本的には、「企業行動憲章」と「企業行動憲章 実行の手引き」(平成16年6月22日・第4版)でしょうか。実行の手引きには≪具体的アクション・プランの例≫が出ていますし・・・。
            
監査役B:ありがとうございます。
      
監査役A:問題は、この実施を上部団体の指示だとか、他社もやっているからということで行動するのではなく、貴社のトップを含めて経営陣がその気でやらないとね。

監査役B:浸透しないでしょうね。分かりました。■

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no.32/2004・09・21 澱むとボーフラが


新任監査役:やりましたね、プロ野球のストライキ。

先輩監査役:今までストが無かった方が不思議なくらいだね。
            
新任監査役:特殊な社会だからと我慢していたのでしょう。

先輩監査役:スト突入で経済同友会の北城会長が又、コメントを出したよ。

新任監査役:スポーツ新聞にはなかったので、知りたいですね。

先輩監査役:まず、「プロ野球の発展にとって、経営側および選手会側は共にファンの期待に十分応えることを最優先に考えるべきである。その意味で、日本プロ野球選手会によるストライキが決行されることは残念である。」

新任監査役:それだけですか?

先輩監査役:「すでに複数の企業が新規参入を希望しているが、障壁をできるだけ低くし、来年春からでも新球団がパ・リーグに参加できることが望ましい。新しい視点が導入されることによって様々なアイデアや創意工夫が生まれ、それによって球界全体の活性化が達成されることを期待する。」と言うことだ。
                  
新任監査役:新規参入を阻止していてはダメなのが分からないのでしょうか?
      
先輩監査役:ずーっと同じ環境だから、そんなことも考えていなかったのだろうね。

新任監査役:「楽天」が入ると三木谷社長の発想が入り、面白くなりそうですね。

先輩監査役:三木谷社長は少なくとも若いね。

新任監査役:そう言えば、社外監査役はお年寄りが多いですね。

先輩監査役:少し問題が違うがね。

新任監査役:どんな組織でも新しいものが入る仕組みは必要ですね。

新任監査役:澱むとボーフラも湧いてくるからね。■

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no.31/2004・09・14 お客さんを忘れた経営

新任監査役:プロ野球のストライキがとりあえず、なくなりフアンとしてはホッとしましたよ。

先輩監査役:なくなったのではなく「延期」ですね。私は野球のことを知らないが、今回のことでいろいろ分かっ
たね。
      
新任監査役:選手が一団となってオナー側と交渉したのは初めてですね。

先輩監査役:何となく古い体質のようだね。

新任監査役:大ボスも居ましたし・・・。

先輩監査役:今回の件で経済同友会がコメントを出していたね。

新任監査役:へー、スポーツのことにね。どんな内容ですか?

先輩監査役:まず、ストが「回避されたことは、プロ野球の発展を考えれば望ましい結果であったと評価する。」と言って、「球団合併については、基本的に各球団経営者の経営判断に基づくべきものである。これまでのように事業として採算のとれないような球団経営を継続していくことは不可能」である。やはり、「プロ」野球だからね。

新任監査役:新たに「シダックス」など3社が参入したいとの話もあるのですが、60億円では難しいですからね。

先輩監査役:経済同友会は「プロ野球に限らず、参入障壁の高い業界はその発展の可能性が低いと言える。」と言っているね。
                  
新任監査役:小売業でも「大規模小売店舗法」が新規参入を阻止していたとか?
      
先輩監査役:一つの企業でも社外の目が入った方が良いからね。それで取締役にも監査役にも社外が義務づけられたのだ。

新任監査役:それに選手やフアンの声を聞き、その期待に応えることですね。

先輩監査役:お客さんを忘れた組織はダメになるね。

新任監査役:そのような経営常識がなぜ、分からなくなるのですか?

先輩監査役:独裁者が居るとか、外の情報を入れないとか、メンバーの奢りとか、いろいろあるね。監査役は独立した立場にいるのだからその様な視点も持っていないとね。■

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no.30/2004・09・07 「私は知らなかった」


監査役A:又、不透明なお金のやりとりがありますね。

監査役B:1億円の件ですね?

監査役A:何故それだけの額が必要なのか、それほどのメリットがあるのか分からないことが多いですね。
      
監査役B:それよりも1億円もの金額のやりとりがあったことについて覚えていないとは、驚きですね。

監査役A:何人もの人が同席していたのだから、すぐに分かるのにしらを切ることに、私は驚いていますよ。

監査役B:企業人でも、「部下のしたことで、知らなかった」という答弁をするエライさんもいましたがね。

監査役A:その手も通じなくなりましたね。

監査役B:えっ?そうなんですか?

監査役A:総会屋問題を総務担当者任せにし、自らは関知していないという立場を取っていたトップが、社内の違法行為について「知らなかった」では済まないという裁判官の所見が出ました。

監査役B:それはどこの裁判所ですか?

監査役A:神戸地裁です。神戸製鋼所が総会屋に利益供与しましたが、その件で株主代表訴訟がありまして、その和解に際して裁判長が所見を述べたのです。
            
監査役B:判例ではないのですね。
      
監査役A:判例ではないのですが、「裁判所が広く経営者に向けて鳴らした警鐘」だと弁護士の鳥飼重和氏は語っていましたね。

監査役B:政治の世界はまだまだですね。

監査役A:と言うより、バレナないと思うと人間は大胆になるものですよ。

監査役B:バレナイものって、ありますでしょうかね。

監査役A:その判断ミスかも知れませんが・・・。

監査役B:やはり、監査役のモニタリングは不祥事防止に役立っていると言うことですね。■             

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no.29/2004・08・31 UFJグループと三菱東京フィナンシャル・グループの経営統合


先輩監査役:UFJグループと三菱東京フィナンシャル・グループの経営統合で信託部門の交渉差し止めを求めた住友信託銀行の抗告を最高裁が棄却したね。

新任監査役:今回の問題で「契約を破る自由」があるのか?という疑問が出ましたね。企業が契約を尊重し、順守するのは当然でしょう?

先輩監査役:うん、そうだが・・・。「ここまでこじれたのは「白紙撤回」の際の違約金条項がなかったことが一因だ。」という考えもあるようだね。
      
新任監査役:今までは契約相手の「善意」を信じてきましたからね。今後は「法的な厳格さを要求する欧米流の対応を迫られる」と大手銀関係者は語っていますが、そんな気がしますね。

先輩監査役:それで、池田裕彦弁護士(大江橋法律事務所)は次のように語っている。「今回の係争は企業の契約という問題について課題を残した。今後は企業が合意書で独占交渉権を定める場合、違約金の規定や差し止め請求の可能性など、具体的な条件を書き込む方向に進むだろう。」

新任監査役:特に、企業の合併・買収などの場合、法的リスクも重視する欧米型へと転換していきそうですね。

先輩監査役:もう一つ、住友信託が簡単に引かなかったのは、株主代表訴訟で経営陣の不手際を責められることを意識したからだと言われている。

新任監査役:株主代表訴訟はこんな側面でもありうるのですね。

先輩監査役:やはり「経営判断原則」には留意しないといけないと言うことだね。

新任監査役:最近、青色発光ダイオードの発明裁判で二百億円の支払い命令がでましたが、裁判所の関わりが多いようですね。

先輩監査役:それで今日に日経新聞では「今回の法廷闘争劇は<変わる司法>と<戦略法務>の重要性を浮かび上がらせた。」と書いているね。
            
新任監査役:監査役は大丈夫ですか?
      
先輩監査役:監査役は今までほとんど司法から問題にされてこなかったが、外堀は埋められつつあるような気がするのだが・・・。

新任監査役:やはり、監査役として誠実に仕事をすることでしょうね。■

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no.28/2004.08.25 社外取締役


監査役A:先日の日経に「社外取締役を起用する上場企業が急増し、3社に一社にあた
     る630社に上る」と報じていましたね。

監査役B:見方を変えれば、33%だけと言うことですね。他社は導入しないのか、
     適任者が居ないので導入できないのか、分かりませんが・・・。

監査役A:有名人をお願いして企業イメージを上げるという形式的なこともこれからは
     しないでしょうし・・・・。

監査役B:アメリカでもかつては有名な退役軍人を取締役にお願いしていた時があった
     ようですが、今ではその様なブームはなくなったとか。

監査役A:社外取締役が何をすべきか、ということを経営トップも社外取締役も充分に
     理解しているのだろうか?「大所高所からご意見を頂ければ・・・」という
     レベルかも知れないね。

監査役B:社外監査役の方も同じことが言えるのではないでしょうか。

監査役A:平成13年の法改正で、社外監査役の人数を「半数以上」(同数は可)と 
     し、5年間に限らず「就任前に会社・子会社の取締役・執行役・支配人・そ
     の他の使用人となったことがない者」でなければならないとされましたね。

監査役B:施行は、一寸先でしたね。

監査役A:施行は平成17年5月1日からで、施行後最初に到来する決算期に関する
     定時総会の終結の時までは、従前の規定によるとされているので、3月決算
     の会社で言えば、平成18年6月の総会で社外監査役を補充選任することで
     すね。
 
監査役B:それでは来年あたりから適任者さがしが始めないといけませんね。

監査役A:監査役会としてもどのような人物がよいか、検討を始めて方針を決めないと
     いけませんね。

監査役B:社外監査役の役割も明文化してみることですね。今までのように「お顔だけ
     出して頂ければ・・・」ということでは済まないでしょうから。

監査役A:また、忙しくなりそうですね。

監査役B: 監査以外にも結構仕事が出てきますね。■

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no.27/2004.08.17 巨人の渡辺オーナー辞任


先輩監査役:巨人の渡辺オーナーが辞任したね。

新任監査役:可哀想なのは一場靖弘さんですよ。

先輩監査役:そうだね。小売業界でも似たケースがあってね。
      
新任監査役:と言いますと?

先輩監査役:仕入れ先が社員を口説き落とすのだよ。最初は「お茶でもどうですか?」から始まって、お昼ご飯、夕食、飲酒と徐々に誘い込むのだ。

新任監査役:一場靖弘投手の場合も読売の部長が昨年12月~今年7月まで小遣いなどと言って強引に現金を渡していたようですね。

先輩監査役:純真な社員や学生に交渉に手慣れたプロが口説くと断り切れないだろうね。一度、接待を受けるとそのことを理由に脅しとも思える言い方で深みに誘い込んでいくのだ。

新任監査役:明大の別府総監督は「巨人のやり方は汚い。信頼を裏切られた」と怒っていたが、完全試合を達成した一場選手の野球生命が心配ですね。

先輩監査役:経営トップも知っていたのだから企業ぐるみで、若き有望な選手をダメにした。まさに企業エゴだね。

新任監査役:あれほど選手の層が厚い巨人でもあのような卑劣な手段を何故使うのでしょうね。

先輩監査役:本当のことは分からないが、一般論では、トップの考え方だろう。
            
新任監査役:企業の風土もトップの考え方次第ですからね。
      
先輩監査役:先日も渡辺オーナーは「2リーグ制を支持する声が高い?何がファンの声だ。君らが勝手に扇動しといて、そんな事は関係ない。世論は関係あるが、君らの予想が間違っているだけだ!!」と記者に言っていたね。

新任監査役:インターネット上で「球界に君臨する渡辺オーナーこそが“ガン”。今こそ抹殺すべき」との物騒な書き込みもあったようです。

先輩監査役:今回、オーナー辞任だけでなく、土井球団社長、三山秀昭球団代表・編成本部長、高山鋼市球団副代表らの解任したことは往生際が良い方だね。

新任監査役:こんなことにならない前に何とかならないのでしょうか?

先輩監査役:やはり、取締役と監査役だろうな。

新任監査役:王国が出来上がってしまう前でしょうね。効き目があるのは・・・。

先輩監査役:何事でも最後まで隠し通せることはないと言うことだよ。■

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no.26/2004・08・11 関西電力


監査役A:今度は関西電力ですね。

監査役B:点検すべきだった破裂個所は、点検リストへの登録洩れと見逃しがあることを昨年気付いていて、点検は14日にすることになっていたとのことで残念な結果だった。

監査役A:関西電力では最近、火力発電所の点検・検査でデータの不正申告があり、社内処分を行ったばかりだったね。

監査役B:電力会社は原発を含め、あらゆる電力施設の安全と安心を保つため、会社の隅々まで再点検しなければならないはずだが・・・。

監査役A:それと、なぜこのような重大事故が起きてしまったのか。原因の究明を徹底的にしなくてはならない。

監査役B:これだけ電力会社の事故が続く、これからの我が国の原子力政策の行方を左右しかねないね。そのことを十分に認識して、関西電力はもちろん、国も一緒になって再発防止策を立てないとね。

監査役A:監査役との関わりは、どう考えるのかな?

監査役B:もちろん第一義的には、執行側がすべきことで、その内部統制も執行側がすべきでしょうね。

監査役A:まず、内部統制ありきで、その内部統制が機能しているかどうかを監査役が監査することだろう。

監査役B:内部監査部門も監査することになっているでしょうね。

監査役A:そう思うが、点検箇所数が膨大になるだろうね。

監査役B:それにしても運転開始から二十七年間、点検していなかったことは言い訳できないね。

監査役A:事故防止は経営ノウハウの重要なものだね。

監査役B: 監査役監査チェックリストも見直さないとね。■

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no.25/2004・08・03 「新任監査役ガイド」


先輩監査役:『月刊監査役』490号の別冊付録に良いものが付いてきたね。

新任監査役:「新任監査役ガイド」ですね。

先輩監査役:内容を1年目に必要なものに絞って「監査知識」「法律知識」「会計知識」に分けて掲載してあるね。
      
新任監査役:辞書代わりに使っていこうと思います。

先輩監査役:「監査役小六法」は条文ばかりだが、参考資料6.「商法等の主要内容」は「知っておきたいポイント」も付け加えてあるので分かりやすいね。

新任監査役:私は経理も法律も経験がないので、用語自体がなじめませんね。

先輩監査役:慣れだろうね。そのためには本当に座右の書にして、辞書のように丹念に使うことだろうか。

新任監査役:受験時代を思いだしてがんばります。

先輩監査役:内容をじっくり見ていくと知識だけではないね。「監査役としての心構えや心得」や「監査手続き」「パソコン操作」などは技術も必要だから特別に習得の計画が必要だね。
      
新任監査役:そうですね。パソコンも一寸部下に頼むと言うことも出来ませんからね。

先輩監査役:法律の勉強方法の一つとして、「監査報告書」文面全体は法律によって規定されているものだから、一体どの法律のどの条文かを探っていくのも面白く、勉強になるよ。正解は参考資料の5にあるので、見ないでやってみては。
            
新任監査役:分かりました。同じように監査役監査基準でも出来そうですね。
      
先輩監査役:サラッと書いてあるが内容の難しいのが商法133条だね。利益相反取引などは、別の本も読まないといけないですね。

新任監査役:問題は会計です。全く分からないのです。

先輩監査役:うーん、会計監査人に食らいついて教わることだな。昼食も一緒に出かけて、往査にも同行して、質問することが良いね。

新任監査役:ポイントは何でしょうか?

先輩監査役:一番は「相当性判断」について勉強をしてみたら。

新任監査役:夏休みも忙しくなりますね。■

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no.24/2004.07.27 中部電力


監査役A:中部電会長が辞任しましたね。太田会長は01年まで6年間の社長だった。
     99年に会長になり2年経過している。電気事業連合会会長も務めた電力業
     界の重鎮だ。中部経済連合会の会長でもあるが、退任するようだ。

監査役B:それだけの人がね・・・・。
     キッカケは、昨年九月に古美術商が名古屋国税局から脱税容疑で取り調べを
     受けて、取引先として中部電力も調査された結果のようですね。

監査役A:当初、太田会長は「世間をお騒がせした」と陳謝したが「取引は会社によか
     れとやったことで何ら問題はない」と責任を否定していて、25日には、辞
     任する意向を示していなかったね。

監査役B:副社長の一人が購入の経緯や金額に問題はなかったかなど昨年末に社内調査
     を申し立て、川口文夫社長や代表権を持つ副社長五人ら経営幹部が同問題に
     ついて協議し、購入経緯などを解明することを決めた。

監査役A:監査役はどうしていたのでしょうね?
     中部電力には社内業務を監視するため弁護士や労働組合代表らを含む法令順
     守推進会議(議長・川口文夫社長)と言うものがあるようですね。

監査役B:社内の調査結果が出ないうちに太田会長自身の進退問題が取りざたされてい
     るようですが、このような事態に発展した背景には、実力会長による行き過
     ぎたトップダウン型経営に対する社内の不満があったようです。

監査役A:太田会長は「展示用の美術品購入は常務会で決めたことで問題はない」と 
     言っていたようですね。

監査役B:しかし、購入方針は1997年の常務会で決まっていたが、点数や合計金額
     が未定のままだったようだ。

監査役A:古美術品の購入については川口社長には決裁権がなかったので、役員陣の中
     にも「購入額が年々高額になっているのに、社長決裁がないのはおかしい」
     との声もあったようですね。

監査役B:美術商は太田会長の知人で、会長はこの古美術商から、会社としての購入と
     は別に約500点、計約一億九千万円相当の古美術品を個人的に預かってい
     たというから公私混同と言われても仕方がないね。

監査役A:中部電力のホームページによれば、今日(27日)7月度の社長定例記者会
     見を開催し、そこで社長から次のように発表していますね。

     太田会長の辞任について 
     ・本日の取締役会におきまして、太田会長から「中国の古美術品の蒐集に関
      する一連の報道により、世間をお騒がせし、多くのみなさまにご迷惑をお
      かけしたことを重く受け止め、取締役と会長職を辞任したい」との申し出
      がありました。
     ・この申し出については、ご本人の意思を尊重し、承認されました。
     ・問題となっております取引の経緯等につきましては、コンプライアンス推
      進会議において鋭意調査を進めているところであり、明らかになり次第速
      やかに皆さまにもお知らせいたします。

監査役B:又、辞任で幕引きですか。

監査役A:公私混同は、誰にでもあるものですね。それにしても自分の立場や影響力が
     分からなくなるものでしょうかね。

監査役B:中部電力は昨年12月に社員約一万二千人のサービス残業が判明し、未払い
     残業代計約65億円を支払っていましたが、続いて残念なことですね。■

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no.23/2004.07.20 常務会への出席


先輩監査役:取締役会には出ているね?

新任監査役:はい、初めて出席しましたが、審議も何にもしないのですね。

先輩監査役:貴社では常務会があるのでしょう?
      
新任監査役:あります。しかし、今までの慣習で監査役は出ていないのですよ。

先輩監査役:取締役会は常務会で決まったことを「追認」しているだけだからね。

新任監査役:やはりそうでしたか。何かおかしいと思いました。

先輩監査役:重要な意思決定は常務会で審議されますから監査役は常務会に出席する必
      要がありますね。

新任監査役:ん-ん・・・。

先輩監査役:次の監査役会で社外監査役にも相談して、監査役会として出席できるよう
      書面で社長に申し入れてはどうでしょうか? 慣習と言っても最近はコー
      ポレート・ガバナンスなどの理解が進んでいますからね。
      
新任監査役:そうですね。監査役会の監査報告書の文言にもありますからね。

先輩監査役:そういうレベルの問題でなく、株主代表訴訟などもあることですし、
      社外監査役にも出席頂き、ご判断頂くことが取締役にとっても良いことな
      のですがね。
            
新任監査役:分かりました。監査役会で申し入れの文書を考えて、代表取締役に提出し
      てみます。

先輩監査役:最近は株主総会で素朴な質問も多くなってきたから常務会に監査役が出て
      いないというのは説明付かないですね。

新任監査役:ぜひ、実現するように働きかけます。ありがとうございました。■

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no.22/2004.07.14 独占禁止法改正


監査役A:昨日(13日)に日本経団連が「21世紀にふさわしい独占禁止法改正に向け
     た提言」を公表したね。

監査役B:それでですか、今日の日経に「独禁法課徴金で花火」と大きく出ていたので
     すね。

監査役A:日本経団連として次のような抜本的改革が実現することを求めているね。
    1.独占禁止法の充実・近代化により、わが国の国際競争力の強化を図る
    2.これまでつぎはぎ的な法改正が繰り返されたことによる独占禁止法の措置
      体系の構造的な歪み、課徴金のぬえ的性格を正し、課徴金を制裁と位置付
      けた上で、21世紀にふさわしい競争政策の土台を構築する。
    3.課徴金と法人に対する刑事罰の併科を解消し、諸外国の独占禁止法とも整
      合性のある法改正を行う。
    4.公取委については、権限の強化に伴い、より一層適正手続(デュー・プロ
      セス)を確保し、準司法機関として真にふさわしい体制を構築する。
    5.政府全体の責任において、透明かつ公正な手続の下で独占禁止法改正作業
      を進め、法案提出に向けて、徹底した議論を行う。

監査役B:今日の記事に寄れば、公取との話だけでなく、OECDも絡んでいますね。

監査役A:日本経団連は、昨年9月に「独占禁止法の措置体系見直しについて」を提言
     し、『独占禁止法研究会報告書』に対する意見」を昨年12月1日に公表し、さ
     らに今年の4月15日、公正取引委員会からの意見照会の前に「『独占禁止法改
     正(案)の概要』に対する日本経団連意見」を取りまとめ、公正取引委員会
     の示す独占禁止法改正案について、細かく問題点を指摘してきているね。

監査役B:かなりの力の入れようですね。

監査役A:問題はOECD案も含めて、どれが効果的かと言うことですね。

監査役B:いつまでも大手の企業が、それも何度も談合で摘発され課徴金を支払ってい
     るということは何とかしたいですね。

監査役A:サービス残業もそうだが、談合も何とかしないと法治国家として、コンプライアンス経営などと言っても虚しいね。

監査役B:秋の臨時国会で決まるのですね。

監査役A:今回の選挙結果、昨日の公表、政治献金、秋の国会・・・。

監査役B:少し考えすぎじゃないですかね? しかし、日本経団連の動きで各企業が
     どう動くか少し心配ですね。

監査役A:目先のことしか考えない経営者は、利益と課徴金との比較で意思決定するの
     だろう。

監査役B:遅れていますね。とにかく我々監査役は自分の立場で何ができるか、何をす
     べきか考えることですね。■

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no.21/2004.07.06 セミナー


先輩監査役:日本監査役協会の新任監査役向けのセミナーはまだでしたかね?

新任監査役:ホームページでは8月からですね。

先輩監査役:少し遅いと思いませんか?

新任監査役:できれば、就任準備セミナーなどがあっても良いと思いますね。

先輩監査役:監査役が入手すべき情報は幅が広いので、徐々に監査役協会
      以外にも目を向けていた方が良いよ。
      
新任監査役:そうですか。どんなものがあるのでしょうか。

先輩監査役:たまたま、昨日(5日)日本学術会議2F大会議室で、「企業の統治と社会
      的責任 現状と方向」というシンポジュームがあったよ。
      主催は日本学術会議コーポレート・ガバナンス研究連絡委員会だがね。

新任監査役:そんなのがあったのですか?内容はどのようなものでしたか?

先輩監査役:報告者が3名で「法制度の対応と法律家の責務」について 本林 徹 前日
      弁連会長。「上場会社コーポレート・ガバナンス原則について」が長友 
      英資株式会社東京証券取引所常務取締役。「経営者とCSR」を鈴木忠雄
      メルシャン株式会社会長兼CEO、でしたね。
      
新任監査役:私には難しそうですね。

先輩監査役:うーん、そうかも知れないが、法律などの話は何度も聞くことだと思うよ
      法務部にいたわけでもない者は一度や二度で理解しずらいものだよ。
      
新任監査役:分かりました。機会があれば何度も聞いて勉強します。

先輩監査役:4年間という就任期間を無為に過ごさないためには必要なことだね。■

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no.20/2004.06.30 「株主総会は必要か?」


監査役A:やっと3月決算の株主総会も終わりましたね。

監査役B:三菱自動車も結局、会社の原案どおり可決しましたね。

監査役A:そうでしたね。姿勢を低くして、そつなく答える・・・。
     そして、約2時間我慢する・・・・。

監査役B:うちの会社も大騒ぎして準備をして開催しいるが、株主総会って
     なんだろう?と思いますね。

監査役A:日経新聞にも「株主総会は必要か?」との記事が出ていましたね。
     
    「年一回の定期株主総会の存在意義そのものが低下してきたからだ。
     株主総会をつつがなく終えるということが重要な課題ではなくなって
     しまった。株主総会無用論は以前から言われてきたが、株主総会を
     毎年開く必要があるかどうか本格的に議論すべき時がやって来たのかも
     しれない。」

監査役B:コストもかかっている。経営トップとしてはこの機会を生かさないと損です
     ね。

監査役A:監査役としても考え直すべきではないでしょうか。

監査役B:正直なところ株主総会での監査役も形骸化していますね。

監査役A:報告も昨年とほとんど変わらない・・・。

監査役B:となると監査役会での協議内容も虚ろなものになるし・・・。

監査役A:そうなんですよ。社外の監査役も「又、例年どおりだろ?」と片目をつむる
     んですよ。

監査役B:しかし、もう変わっていかないと今のままでは済まないと予感するね。

監査役A:何からどう変えていくか、ですね。

監査役B:私の場合は、今までより密度の高い監査調書を作成していこうと考えている
     んですよ。

監査役A:なるほど。私も真剣に考えてみようか。■

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no.19/2004・06・23 現実との乖離


先輩監査役:おめでとう。正式に株主総会で選任されましたね。

新任監査役:ありがとうございます。しかし、総会で選任されたという実感はしませんね。

先輩監査役:そうだね。株主総会と言ってもどこも賛成多数で原案どおり決まってしまうからね。議案は取締役会で決めるのだが、実質は社長が決めることが多いからね。

新任監査役:株主から選ばれたという実感がしないですし、「株主の負託に応える」という気持ちも本当のところ湧きませんね。

先輩監査役:最近は、取締役会や社長だけでは議案に出せないようになったのだがね。
      
新任監査役:そうですね。私の場合も、「監査役会の同意を得ております」と添え書きしてありましたね。

先輩監査役:その一文が入ることは重要なことなんだ。しかし、生かすも殺すも監査役会次第だがね。

新任監査役:それと監査役の報酬も監査役で協議するのではないのですね。当社では常勤監査役も監査役での互選ではなかったですし・・・。

先輩監査役:法律と実態の間には、いろいろ乖離があるんだよ。
      
新任監査役:そうですね。サービス残業だけではないのですね。

先輩監査役:サービス残業は「会社のために」ということで暗黙の了解のようなものがあったが・・・。監査役の問題は、君に預けるよ。
      
新任監査役:それは困りますよ。

先輩監査役:まあ、就任早々にぶつかったこの問題は大切にしておいて欲しいね。我々は「そんなものだよ」と考えがちになるからね。

新任監査役:分かりました。ずーと、解決に向けて、抱いておきたいと思います。就任早々に大きな宿題ですね。■

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no.18/2004.06.15 公益通報者保護法


監査役A:三菱自動車や三菱ふそうのリコール隠しはひどいですね。人命に関わることなのに。

監査役B:この事件の発端は、三菱自動車の社員からの内部告発だったね。

監査役A:そうでしたね。内部告発がなければ、どうなっていたでしょうね。

監査役B:最近の企業不祥事のほとんどが内部告発で公になっていますね。

監査役A:それで「公益通報者保護法」が進展し、やっと、昨日(14日)成立しましたね。

監査役B:そうでしたか。それにしても長い時間掛かりましたね。良い法案だと思うのですが・・・。

監査役A:あれでもいろいろなところから反対があり、骨抜きになったと評する人もいるが、一歩前進ですね。

監査役B:これで内部告発は増えるでしょうか?

監査役A:それは分かりませんが、昔と違って、企業内の悪事を内部告発をすべきと考えている人は多くなっているでしょう。

監査役B:やはり、一度原文をキッチリ読んでおかないといけませんね。

監査役A:つぎのところにありますよ。
     http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_gian.htm
     
     付帯決議はつぎのところですが。
     http://www006.upp.so-net.ne.jp/pisa/2004/20040611.html

監査役B:内部告発が難しければ、別のルートで公になることも考えられますね。 例えば、株主オンブズマンの「公益通報支援センター」(通称・内部告発支援センター)とか、「労働基準オンブズマン」という団体もありますね。

監査役A:昔のように「会社のため」「利益のため」と言うことで曲がったことを押しつけるということはできないですね。

監査役B:監査役としてこの辺りの変化についても取締役に啓蒙が必要な気がしますね

監査役A:特に新任の取締役には、コーポレート・ガバナンスなども合わせて情報提供しておきたいですね。■

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no.172004.06.08 監査役の英訳


監査役候補:もうすぐ株主総会ですね。何だか落ち着かないですよ。

先輩監査役:そうだろうね。株主総会後の監査役会の準備はできましたか?

監査役候補:一応、前例にならって準備をしましたが、これでよろしいでしょうか。
      1.常勤監査役の互選
      2.賞与の額についての協議
      3.退職慰労金についての協議
      4.監査役の報酬についての協議

先輩監査役:それぞれの書類と社長宛の送付書があれば、それでよいね。監査役の皆さんから署名押印してもらえるようにね。

監査役候補:そうですね。社外監査役さんにもご迷惑をお掛けしないようにしたいと思います。

先輩監査役:終了後にすぐ議事録にも押印して頂けるように準備しておいた方が良いね。
      
監査役候補:準備してあります。修正があれば昼食中に直してもらうように手配してあります。

先輩監査役:準備万端だね。それに君の名刺は?

監査役候補:あっそれなんですが、監査役の英語での表現ですが、Auditor ではないのですか?

先輩監査役:実はね、いろいろ議論があったのだよ。それでね日本監査役協会としては Corporate Auditor に決めたんだよ。

監査役候補:そうですか。単に Auditor なら会計監査人もそうですね。

先輩監査役:監査役は日本独自のものだから正確な訳語はないのだよ。これを決めるときに「Kansayaku」がよいと意見が出たのだよ。
      
監査役候補:面白いですね。

先輩監査役:さあ、あと2週間だね。関連の商法など読んでおくことだね。

監査役候補:分かりました。■

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no.16/2004.06.12 役員報酬の個別開示


監査役A:いよいよ株主総会シーズンだね。今年の焦点は何だろうか?

監査役B:例年、取締役報酬の個別開示かな、退職慰労金の開示もあるが。

監査役A:早々に日興コーディアル証券が役員報酬の個別開示に踏み切ることや   
     退職慰労金の廃止を決めたね。つぎにあるよ。
     http://www.nikko.co.jp/GRP/news/2003/p_0305131.html

監査役B:この二つは、前から株主オンブズマンが問題にしていたね。

監査役A:今年はソニーで次のように株主提案していたね。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<株主提案(第5号議案)>
 第5号議案は、株主からのご提案によるものであります。
 なお、提案株主(30名)の議決権の数は、418個であります。

  第5号雄案  役員の報酬等の株主への個別開示に関する定款変更の件
   1・提案の内容
    事業年度毎の取締役および執行役が受ける個人別の報酬(商法特例法第21条の
    11第3項において報酬委員会が決定した内容)については、個々の取締役および
    執行役毎にその内容を当該事業年度の営業報告書に記載して開示する。

    の条文を定款に新設する。

   2・提案の理由
     2002年度、2003年度の当社株主総会にこれと同じ議案を提出し、2002年度は
    議決権行使株数の27・2%、2003年度は30%強の賛成を得ることができた。
     昨年の総会では、退任した大賀典雄名誉会長に16億円の退職慰労金を支払う
    ことが承認された。このことは、役員の報酬や退職慰労金の個別開示に踏み 
    切ったとしても、さしたる障害がもはや存在しないことを意味している。
     上場企業の役員報酬の個別開示は世界の常識であり、日本でもすでに個別開
    示をしている上場会社がいくつかある。
     世界的規模で事業活動を進めている当社が役員の報酬および退職慰労金の個
    別開示に踏み切るなら、国内の株主はもちろん外国の機関投資家からも、情報
    開示の進んだ企業として高く評価される。それは同時に、当社の国際的信用を
    高め、株主の負託にこたえ企業価値を増大させるものである。
     よって、上記のとおり提案をする。

これに対して、取締役会発議のように反対している。

<取締役会の意見>
  取締役会としては、本議案に反対いたします。
  当社は、昨年の定時株主総会後から「委員会等設置会社」へ移行いたしました。
 「委員会等設置会社」では、過半数を社外取締役で構成する報酬委員会が、取締役
 および執行役が受ける個人別の報酬(退職慰労金を含む。)を決定するとともに、
 報酬委員会が定めた報酬決定の方針は、営業報告書において開示されます(18頁を
 ご参照ください)。
  取締役会としては、報酬が取締役・執行役各自にどのように分配されているかを
 開示することよりも、当社を経営していくうえで経営陣に対してどれくらいのコス
 トがかかっているのかを開示することの方が、株主の皆様にとって重要であると考
 えております。
  報酬総額につきましては、営業報告書において株主の皆様に開示しておりますが、
 取締役・執行役別の報酬を定額報酬・業績連動報酬・退職慰労金に区分して記載する
 とともに、業績連動報酬および退職慰労金の支給予定額も記載しております(17頁を
 ご参照ください)。これらの報酬開示に関する取扱いは、コーポレートガバナンス上
 の観点からも十分であると認識しております。
  以上から、取締役会としては、本議案のような規定を定款に設ける必要はないと
 考えます。

                                   以 上

P.18〔取締役および執行役の報酬に関する基本方針〕

 報酬委員会によって定められた個人別の報酬の内容の決定に関する方針は、次のとお
りであります。

1.取締役報酬について
 取締役の主な職務がソニーグループ全体の業務執行の監督であることに鑑み、グロー
 バル企業であるソニーグループの業務執行の監督機能の向上を図るため、グローバル
 な観点で優秀な人材をソニーの取締役として確保するとともに、その監督機能を有効
 に機能させることを取締役報酬決定に関する基本方針とする。
 具体的には、取締役の報酬の構成を
  ・取締役報酬(定額報酬)
  ・株価連動報酬
  ・退職慰労金
 とし、各報酬項目の水準および構成比については、前記方針に沿った設定を行うもの
 とする。
 なお、執行役を兼務する取締役に対しては取締役としての報酬は支給しないものとす
 る。

2.執行役報酬について
 執行役がソニーグループの業務執行の中核を担う経営層であることに鑑み、会社業績
 の一層の向上を図るため、グローバルな観点で優秀な人材をソニーの経営陣として確
 保するとともに、短期および中長期の業績向上に対するインセンティブとして有効に
 機能させることを執行役報酬決定に関する基本方針とする。
 具体的には、執行役の報酬の構成を
  ・執行役報酬(定額報酬)
  ・執行役賞与(業績連動報酬)
  ・株価連動報酬
  ・退職慰労金
 とし、各報酬項目の水準および構成比については、業績および株主価値への連動を重
 視し、前記方針に沿った設定を行うとともに、うち執行役賞与(業績連動報酬)につ
 いては、担当職務に関する業績達成度を支給内容決定の基礎とする。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

監査役B:厚生年金基金連合会が平成15年2月20日策定した株主議決権行使基準に
     も次のようにも言っているね。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

役員報酬
1.役員報酬は、企業業績や株主に対する利益配分と整合性のある水準とす
  べきである。
2.長期的な株式価値の上昇と連動するインセンティブ報酬を導入すること
  は、原則として積極的に評価する。
3.役員報酬は、個別開示することが望ましい。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

監査役A:株主オンブズマンはそんなに株主総会を持っているのでしょうか?

監査役B:いやー、その都度、つぎのように募るようだ。
     http://www1.neweb.ne.jp/wa/kabuombu/040315-1.htm

監査役A:目が離せませんね。■

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no.15/2004.05.25 「閑散役」か?


監査役候補:お早うございます。24日の日経の「春秋」を読まれましたか?

先輩監査役:勿論、読んだよ。珍しいね、監査役のことが載ることは。

監査役候補:やはり、新任の監査役の皆さんは戸惑っているのですね。

先輩監査役:うーん、監査役のことは経営トップも含めてみんな正確には知らないね。新任取締役セミナーでもあまり触れないし・・・。

監査役候補:講師が触れていても、監査役には関心がありませんからね。

先輩監査役:やはり、監査役については監査役以外は誰も知らないんじゃないだろうか。
      
監査役候補:私のように先輩の監査役が近くに居るという環境の人は少ないようですね。

先輩監査役:そうなんだ。先輩は入れ替わりで退任してしまって、いわゆるOJTがない。だから、日本監査役協会が主催するセミナーを頼りにしてきたのだよ。

監査役候補:「閑散役」って、昔の話でしょう?少なくとも我が社では当てはまらないですね。

先輩監査役:昔からのあだ名だったようだね。

監査役候補:今年、改定された監査役監査基準を見ると、これをこなすには大変だと思いますね。どうですか?

先輩監査役:大変だよ。ところで、あの記事に「マイナスを除く仕事なので外から見えにくい。不祥事が起きると、「何をしていたのか」と批判される。」と書かれていたが、不祥事の未然防止という役割と効果は外からは見えないね。

監査役候補:それもありますが、監査役さんが何をしているのかについて社内報などでも載ったことがありませんね。もっとPRというか、理解を得るようにされても良いんじゃないでしょうか。

先輩監査役:賛成だね。ぜひ、自信ある監査をして、言い出しべいの君から書いてもらいたいね。

監査役候補:私がですか?

先輩監査役:そうだ。そのためにはキッチリ監査計画を立てて、監査の経過や監査意見を持つに至ったことを記録して、確信を得てから書くことだね。

監査役候補:分かりました。チャレンジしてみます。

先輩監査役:日本監査役協会の『監査役十年の歩み』は、あの書棚にあるからね。良いことが書いておるよ。

監査役候補:読ませてもらいます。■

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no.13/2004.05.12


先輩監査役:今年の連休も終わったね。

監査役候補:いよいよ株主総会の日が近づいてきました。

先輩監査役:勿論、当社の株主総会には出たことはあるのだろう?

監査役候補:はあ、何年か前に総務から頼まれて、一番前の方でがんばっていましたよ。

先輩監査役:今はね、その様なことはしていないのだよ。

監査役候補:確かに、あの頃でも違和感がありましたね。

先輩監査役:それだけではなく、いくつかの判例が出ているのだよ。住友商事の判決から、総会の進め方が変わってきたし、最前列に社員を並べるのも四国電力の判例以降、減ってきたようだ。

監査役候補:へー、判例も出ているのですか。

先輩監査役:それは特殊な株主がいた頃の話で、今じゃ、IR型の株主総会を各社は志向しているからその様なことはないがね。

監査役候補:そうですか、何となくホッとしました。

先輩監査役:ところで他社の株主総会には出たことはあるの?

監査役候補:いやー、そんな経験はありませんよ。

先輩監査役:そうだろうと思って、会社が持っている株の議決権行使書をもらってきたよ。一度行ってくるといいよ。

監査役候補:ぜひ、監査役候補という目で見てきたいですね。見てくるポイントは何でしょうか?

先輩監査役:最初だから監査役という立場を離れて、一般の株主として参加してみることだよ。

監査役候補:と言いますと?

先輩監査役:まず、招集通知が見やすいか、分かりやすいか。総会場の最寄り駅からの道案内はどうか、受付の体制や開会までの休憩場所などなど細かく言えばきりがないので、やはり、一般の株主として、IR総会になっているか、という視点でみてくるかな。

監査役候補:分かりました。兎に角細かく観察し、メモしてきますよ。

先輩監査役:そうだね。監査役は監査の後に監査調書というものを作成する必要があるが、そのためにも現場での観察眼と記録がものをを言うからね。

監査役候補:報告書を見せてもらったときに又、アドバイスをしよう。

先輩監査役:よろしくお願いいたします。他の会社のことなのに何かドキドキします。■
       

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no.12/2004・05・04 元早稲田大学総長の奥島先生

 
監査役A:監査役全国会議で元早稲田大学総長の奥島先生が最後に監査役への
     期待を話しておられたね。

監査役B:時間がなかったのか、早口で聞き取れなかったよ。

監査役A:あのお話は別の所でも話しておられたような気がしたので
     インターネットで探してみたよ。

監査役B:どうでしたか?

監査役A:ありましたよ。相手は警察官の幹部ですがね。同じお気持ちのようだ。

監査役B:興味がありますね。

監査役A:それでは少し長いが、つぎに載せておくよ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 塩野七生さんが書いた「ロードス島攻防記」という本であります。この「ロードス島
攻防記」は、12世紀にイスラムからキリスト教の聖地エルサレムを守るため十字軍の
攻防が続きますが、その戦いの中で多くの負傷者が出て、その負傷者を救うために「聖
ヨハネ病院騎士団」がローマ法王から軍旗を渡され、ロードス島を拠点として負傷者の
救護活動をしていくうちに、ついにイスラム軍から本格的な攻撃を受けることになって
しまった、その攻防の様子を書いた本であります。

1453年、東ローマのコンスタンチノーブルがトルコ軍によって陥落し、ローマ帝国とい
うものは地上から消滅してしまいましたが、聖ヨハネ騎士団はなおもロードス島で頑
張っていたのです。この聖ヨハネ騎士団は800人の騎士を中心として活躍していました
が、やがてヨーロッパの各国から応援の兵士が集まり、1500人位になりますが、オスマ
ントルコの兵力は9万人という絶望的な状況の中で、1年間戦い続けたのであります。
そこで、聖ヨハネ騎士団はベネチア共和国の優秀な築城騎士として有名なマルティネン
コを呼び寄せ、当時攻撃の主流であった大砲にも崩れないようなすばらしい城壁を築き
あげました。

それにもかかわらず、このとき、マルティネンコが言った言葉は含蓄に富むすばらしい
言葉であり、いまなお私の心に深く残っており、あちこちでときどき引用させてもらっ
ておりますが、それは次ぎのような言葉です。

「いかに難攻不落の城でも、時間は常に攻撃側の味方です。」という言葉がそれであり
ます。
我々の社会も、小悪を放置していれば、時間の経過によって治安は崩壊してしまいま
す。大悪に対してしっかり対応しているつもりでも、時間が経過するうちに、その防衛
が崩れてゆく。つまり、いまの世の中、時間は常に悪いことを企んでいる者の味方に
なってしまうということです。

我々もこのマルティネンコの言葉に学び、守りの姿勢だけでなく、未来へ先制攻撃をか
けるくらいの姿勢が必要です。もとより、日本という国を築き上げている基礎というも
のは、そう簡単には崩れるものではないとは思いますが、しかし、時間が経過すること
により秩序が崩れ、いつ東南アジアのように不安定な治安情勢になるかも知れないので
す。

そいう意味で、警察官である皆さんに頑張っていただきたいと思うのであります。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
                              以上

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no.11/2004・04・26 5月の連休

 
先輩監査役:もうすぐ連休だね。

監査役候補:そうですね。先輩はどこかへお出かけですか?

先輩監査役:うんー、田舎に帰るんだ。法事をこの時にやるというのでね。君は?

監査役候補:たまに家庭サービスをしますよ。それと監査役のことが気になるので、何か読んでみようと思っているのですが・・・。

先輩監査役:もう、いろいろ読んだのだろう?

監査役候補:お勧めのものには目を通しましたが、実のところ分からないですね。

先輩監査役:確かに、「内部統制」と言っても何となくしか分からないだろうね。用語の一つ一つの意味が深いからね。

監査役候補:そうなんですよ。何か良い本がありませんか?

先輩監査役:連休だし、肩の凝らない漫画はどうだ。最近はコミックと言うらしいが。 『監査役野崎修平』というのがあるよ。 若い銀行の監査役の物語だよ。 これなら読みやすいし、イメージが湧くと思うよ。
      
監査役候補:面白そうですね。

先輩監査役:冊数が相当あったよ。12巻かな? 私は「ヤングジャンプ」の連載で読んでいたが。

監査役候補:それなら漫画喫茶ですね。

先輩監査役:もしも時間があれば、今後の生活設計も考えておいては?

監査役候補:と言いますと?

先輩監査役:監査役は賞与は無いに等しいからね。

監査役候補:それはどうしてですか?

先輩監査役:実は監査役になると退職金が支給されるのだよ。

監査役候補:へー、そうですか。

先輩監査役:なぜ、退職金が出たり、業績に連動する報酬がもらえないのか、これは宿題だな。

監査役候補:これは大変な連休になりそうですね。先輩は田舎の良い空気を満喫してきてください。ありがとうございました


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NO.10/2004・04・15 監査役全国会議


監査役A:13日の監査役全国会議に出られました?

監査役B:毎年出ていますよ。今回は協会の設立30周年の記念式典で日本経団連の奥田会長の記念講演もあるので楽しみにしていました。

監査役A:奥田さんは、コーポレート・ガバナンスや内部統制について定義をしておられたね。
     コーポレート・ガバナンスとは「企業が競争力を失ったり、またその行動が正常でなくなったりするときに、これを感知して機動的に問題点の解消企業行動の修正を行うこと」内部統制とは「企業がその業務を適正かつ効率的に遂行するために、社内に構築され、運用される体制」

監査役B:どちらもピンとこなかったね。しかし、「コーポレート・ガバナンスの要は経営者の姿勢」との話は賛成ですね。

監査役A:グループ・ガバナンスについても提言しておられたね。

監査役B:完全子会社については会計監査人や常勤の監査役、社外監査役などの設置義務を簡素化すべきという趣旨のようだったね。

監査役A:そのことは、日本経団連の会社法改正への提言でも触れていたようだね。

監査役B:あの提言を見ていると現在の商法の問題点ばかりでなく、執行側のものの考え方など分かって興味深いね。

監査役A:最後に監査役への言葉として「監査役は監査品質の向上のために自己研鑽をしていただき、経営者が気付かないことを遠慮なく指摘して欲しい」と言っておられたね。

監査役B:私は、「もっと勉強し、充分監査して、ものを言って欲しい」と受け取ったよ。

監査役A:会議はいつのながら大勢の参加者でしたね。

監査役B:2,700名との発表でしたね。皆さん勉強熱心ですね。■

                      (レジュメが手元にあります)

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no.9/2004・04・06 総会直後の監査役会


先輩監査役:今、時間があれば少し考えておいた方が良いことがあるのだが。

監査役候補:それは何でしょうか?

先輩監査役:株主総会の直後に開かれる監査役会のことだ。

監査役候補:その時の監査役会ではどのような議題があるのですか?

先輩監査役:通常、考えられるのは1.常勤監査役の互選 2.監査役報酬の決定  3.本年度の監査方針と監査計画の決定だが、今年は、まず、監査役監査基準の改定が大きな議題になるね。

監査役候補:いやー、大変そうですね。今年は。

先輩監査役:君は運がよいのか、悪いのか、分からないが就任前から基本を勉強できるね。

監査役候補:運がよいと考えましょう。さて、1.常勤監査役の互選 2.監査役報酬の決定については、昨年の監査役会議事録から推測できそうですが、問題は監査役監査基準の改定ですね。これが決まらないと3.本年度の監査方針と監査計画も決らないでしょうね。

先輩監査役:そうなんだよ。しかし、今回の監査役監査基準の改定は抜本的な改定なので、自社の監査役監査基準を作成するにも少し時間がかかりそうだね。それに社外監査役の皆さんのご意見や知恵もお借りした方がよいので、株主総会直後の監査役会で決定できないだろうし、決定せずに1ヶ月ぐらいかけてじっくり検討した方がいいね。
      
監査役候補:私も『月刊監査役』に目を通しましたが、読んだだけでは分かりませんね。

先輩監査役:協会の監査役監査基準をベースに自社ではどうするのかを考えていくことになるから、大変だ。私も協力するよ。

監査役候補:よろしくお願い致します。■

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no.7/2004・03・20 まず、すべきこと


先輩監査役:いよいよ役員人事の公表だね。

監査役候補:そうですね。ところで、公表された後にすることは何でしょうか?

先輩監査役:後からではし難いことがある。それからやってみられては?

監査役候補:それはどんなことでしょうか?

先輩監査役:会社の基礎資料を入手して、読むことからはじめることだろう。定款や社史などキッチリ読んでいないだろう?

監査役候補:そう言えば、いつかもらったような気がしますが・・・。

先輩監査役:その他に、社内の諸規則がある。先ずは、取締役会規則、監査役会規則、株式取扱規則、権限規程、職務分掌規程・・・などあるね。

書類は3年分は見ておきたいね。商業登記簿謄本、有価証券報告書、決算短針、株主総会議事録、取締役会議事録、監査役会議事録など。 これらは監査役室に備えられているよ。
   
実は、ここに虎の巻があるんだよ。日本監査役協会が発行している『監査役監査資料集』というものがある。これに従って、入手したり、読んでメしたりしておけばよい。

監査役候補:はい。

先輩監査役:後からでは、出来ないよ。忙しいこともあるが、初心が必要だからね。それと就任直後なら規程や書類ももらいやすいものだよ。

監査役候補:分かりました。早速かかりましょう。■


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no.6/2004・03・12 株主総会

株主総会

監査役A:もうすぐ、株主総会ですね。

監査役B:うちは、昨年、2回も株主総会を開催をしたよ。

監査役A:そうでしたね。監査役が亡くなられましたからね。

監査役B:大変でしたよ。手間も時間も・・・。それで今年は、定款変更をすることにしたのですよ。

監査役A:と言いますと?

監査役B:監査役の員数を欠くことになる場合に備え、予め補欠監査役を選任することができるという制度を活用することにしたのだよ。
     (次のところに詳しく解説されているので、参考にしてください。)
       http://www.kansa.or.jp/X-01_030411.html

監査役A:他社の動向はどうなんでしょうか?

監査役B:昨年、このことで定款変更した企業は約30社あったと聞いているし、今年は、東燃ゼネラル石油株式会社が3月26日の株主総会で議案として付議されますね。

監査役A:我がグループ各社も上場企業が多いので臨時株主総会を開催するとなると手数や経費も大変ですからね。執行側に情報を入れてみましょう。 ありがとうございました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<参考情報>

第2号議案 定款一部変更の件
 (1)変更の理由

   1.略

   2.不測の事態により法令に定める監査役の員数を欠くことになる場
    合に備えて、定時株主総会において予め監査役の補欠者を選任する
    ことができるよう、監査役の補欠者の選任や任期に関する規定を定
    款第22条の2として新設し、定款第13条及び第23条について所要の
     変更を行うものであります。

(2)変更の内容
    現行定款と変更案は次のとおりであります。
      
定 款 変 更 案

(新 設)
第22条の2(監査役の補欠者)
当会社は、法令に定める監査役の員数を 欠くことになる場合に備えて、
   定時株主総会において予め監査役の補欠者を選任 することができる。
  2)監査役の補欠者の選任の効力は、選任 後最初に到来する決算期に関する定時株
   主総会開催の時迄とする。
  3)監査役の補欠者は、法令に定める監査 役の員数を欠くことになった時に監査役
   に就任する。

第23条(監査役の任期)  < >内を挿入、変更する

2)任期の満了前に退任した監査役の補欠として選任された監査役の任期
  <及び監査役の補欠者が就任した場合の監査役の任期>
  は、退任した監査役の任期の満了すべ き時迄とする。

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no.4/2004・03・05 「監査役監査基準」

「監査役監査基準」
 
 昨日(4日)東京国際フォーラムで「監査役監査基準」の解説会がありました。
あの5,000席を超える東京国際ホールAが一杯になるような大勢の参加者でした。

講師は社団法人日本監査役協会の監査法規委員会の委員長の大川博通氏。東大法学部を出て、伊藤忠で常勤監査役を勤められた方で、内容は、単なる解説だけでなく、基準策定の裏話や個人的見解も披露された。なお、講師大川氏の最後のまとめだけは間違いなく書き留めた。

 内容は、「本来商法などが期待していたものや社会が期待していたものを明確にしただけ」とのことであるが、監査役の責務の重さと業務量が多いことを今更ながら驚いた。今までの監査役のイメージでは、間違ってしまうだろう。

 一方、監査役協会も情報開示が進み、ホームページでは、監査役監査基準の新旧対比表や関係規定の一覧、そして、最終決定の監査役監査基準と昨年12月12日付けで公表した監査役監査基準改定案<公開草案>との対照表もオープンにしている。

 この解説会に参加できなかった方は、協会のホームページから情報を得られるが、淡々とした条文では、強調点やニュアンスなどは伝わりにくいだろう。その点を中心にご希望の方には、お伝えしたいと思っている。■


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no.2/2004・03・01 コーポレート・ガバナンス


社長と監査役のコーポレート・ガバナンスについてのミーティング

・社 長「監査役、よく勉強しておられますね。」
・監査役「いやー、それほどでも・・・」
・社 長「色々説明頂いたが、申し訳ないが本当はよく分からないね。」
・監査役「そうですか?」
・社 長「私は色々な会合で聞いてはいるが、取締役の皆さんにとっては初めての内容
     も多いと思いますね。」
・監査役「いろんな部署の取締役がおられますからね」
・社 長「全社的なことだから、全取締役が理解しないとね」
・監査役「取締役会までに練りなをしてみます。」

      *************************************************


        << コーポレート・ガバナンスとは? >>


 コーポレート・ガバナンスは「企業統治」と訳されている。それで、分かったような
顔をしてきたが、本当のところピンとこない。

 少し調べると「会社は誰のものか?」という禅の公案のようなものが立ちふさがる。
また、定義となると慎重になり、洩れがないように包括的な表現になり、自ずと抽象的
になる。いくつかの定義を見てみよう。

◆経済同友会の定義

「企業の継続的な成長・発展を目指して、より効率的で優れた経営が行われるよう、経
営方針について意思決定するとともに、経営者の業務執行を適切に監督・評価し、動機
付けを行っていく仕組み」 

そして、つぎのようにも言っている
「コーポレート・ガバナンスは、各社の置かれた社会的・経済的・文化的・時代的な環
境によって異なるものであり、唯一の理想形が存在するわけではない。また、継続的に
改善を重ね、進化させていくべきものでもある。」
      
     「企業競争力の基盤強化を目指したコーポレート・ガバナンス改革」
                            2002年7月より

◆日本コーポレート・ガヴァナンス・フォーラム
 「コーポレート・ガバナンスとは、会社をあずかる経営執行者がその責任を全うする
ことを確保するための仕組みである。」
       
           2001年10月に「改訂コーポレート・ガバナンス原則」より

◆経済団体連合会
 2000年11月に、同会のコーポレート・ガバナンス委員会は、「わが国公開会社におけ
るコーポレート・ガバナンスに関する論点整理(中間報告)」を発表し、そこで次のよう
に述べている。
「今後はこうした企業を取り巻く環境変化に対応して、より一層株主価値を重視した
コーポレート・ガバナンスを構築していく必要があろう。そこでは、特に(1)経営のス
ピード化・戦略性の向上、(2)企業行動の透明性の確保、(3)ディスクロージャーとアカ
ウンタビリティの充実といった視点が重要な要素になると考えられる。」「大規模公開
会社において、コーポレート・ガバナンスの実効性を確保するためには、市場機能をよ
り重視し、各企業が自らの裁量と責任において、経営環境に適合した組織を構築し、ア
カウンタビリティの向上の要請に自主的に対応できるようにすることが重要である。」

◆田中 正継(経済企画庁経済研究所総括主任研究官)
 コーポレート・ガバナンスとは、「利害関係者(主体)が、自己の利益(利害)を守
る(目的)のために、企業に対して影響力を行使(手段)することである」と定義する
ことができる。各利害関係者の利害は相互に反する場合と、一致する場合があるが、企
業が効率的に運用されることを目的とするものは後者に属する。

    日本のコーポレート・ガバナンス -構造分析の観点から-(1998年3月)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

           ■ 経営者による定義

 
◆日本IBMの代表取締役会長北城恪太郎氏

『取締役の条件』で次のように書かれている。
「日本でのコーポレート・ガバナンスは、社会的な違法性を監視するという意味合いが
強い。しかし、コーポレート・ガバナンスのもう一つの機能として<会社の経営が競争
力を持ち、成果を出しているかどうかを監視すること>が重要である。

すばらしいトップでも、選任後の時間的経過や環境の変化に伴って、必ずしも最適の
リーダーでは無くなる可能性がある。そうなったとき、CEOを監督・支援する仕組み
がないと軌道修正は遅れ、取り返しのつかない状況になるかも知れない。このような事
態を避けるためCEOを交代させる仕組みが必要である。」

◆キヤノン社長・日本経団連副会長 御手洗富士夫氏
                      雑誌「経済Trend」2003/8号より
                          
「コーポレート・ガバナンスとは、企業が正しい方法で利益をあげているかどうかを
チェックするとともに経営陣の不正を防止する手段の一つである。その方法は一律では
なく、それぞれの国や会社にとって最も合理的なものを追求すべきである。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

やはり、実務家の定義は明確である。学者や団体とは違って、厳密さより分かりやすさ
を考えての説明になるからであろう。

コーポレート・ガバナンスには、二つの側面がありそうだ。
一つは「企業が正しい方法で利益をあげているかどうかをチェックする仕組み」
もう一つは「経営陣の不正を防止し、問題あるCEOを交代させる仕組み」

最近の数々の企業不祥事を見るとこのような仕組みの必要性が理解できるであろう。

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no.3/2004・03・03 監査役と総務担当取締役

          監査役と総務担当取締役の会話

・監査役「京都の鶏インフルエンザも内部告発でオープンになったね。」
・取締役「あれもでしたね。」
・監査役「最近の企業不祥事はほとんど内部告発だね。」
・取締役「その様ですね。」
・監査役「ところで公益通報者保護法って知っている?」
・取締役「骨子(案)<下記>は見ましたが・・・」
・監査役「それがパブリックコメントを終えて、法文になった。もうすぐ国会に出され
     る予定だが、その前に自民党の先生方に法文が配布されているのだ。」
・取締役「見てみたいですね。少しでも早く対応すべきかを考えるために。」
・監査役「それなら、次に掲載されているよ。」
・取締役「監査役はいつも情報が早いですね。」
・監査役「ネットワークの整備次第だよ。」 ■

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no.1/2004・02・25  監査役候補のひとりごと

NO.01 


               監査役候補のひとりごと

 社長から内示があり、社長室を出たものの足が地に着かない。社内を少し遠回りして自分の席に着く。「どうしよう?」「何をしよう?」「部下や同僚にどう話せばよいのか?」「女房にはなんて言おうか?」などと疑問やすべきことが頭の中を駆けめぐるが、監査役についてはほとんど知識のないことに気付く。

 「分からないときには、インターネットを見ることだよ」との同窓会での彼の言葉を思い出し、早速、パソコンに向かった。「googl」で監査役で検索するとなんと97,000件以上もある。
 とりあえず画面の内容を見ると人事異動や決算報告などが多い。かなりの絞り込みをしないと有用な情報に出くわさないようだ。それも新任者用としてのもかどうかも疑問だし・・・・・。

      *************************************************


          << 情報源を整える >>


 ◆ 確実で権威ある情報を! ◆

 監査役という立場上、どのような情報でも「確実な情報」か否かについて特に留意すべきであろう。また、新任者は最初に正しい情報に接しないといけない。最初に誤った認識をしてしまうと先入観となり、判断が狂うので注意したい。

 先ずは、社団法人 日本監査役協会の情報からスタートすることだ。
社団法人 日本監査役協会のホームページはここから入る。
        http://www.kansa.or.jp/index2.html

1.監査役とは

 この基本的な問いのためにも「監査役監査基準」にまず、目を通して頂きたい。
 日本監査役協会は、平成16年2月12日に「監査役監査基準」を見直し、構成も含め全面改定を行った。近年の内外の環境変化に対応して、監査役に今日的に期待されている役割と責務を明確にし、その具体的行動指針を示すべく、各委員会・研究会等の成果・意見をも織り込んで、作成されたもの。

 今、監査役のあるべき姿が大きく変わろうとしている。その内容が「監査役監査基準」として明文化されたのである。従来の種々の監査役論はさておき、ここからスタートを切っていただきたい。

2.法規集

 「確実な情報」のために監査役は、法規集をいつも手元に置いて、参照したいもの。
その法規集も日本監査役協会が監査役のために編纂した「監査役小六法」を勧めたい。
ここには法規法令だけでなく、日本監査役協会関係の資料である「監査役監査基準」「監査役会規則(ひな型)」「監査役報告書ひな型」なども編纂されているので重宝する。毎年秋に次年度の「監査役小六法」が発刊され、監査役全国会議で配られてきた。

3.商法の教科書

 これを選ぶのも大変なことだ。商法は毎年のように改正されているので、古いものを掴むおそれがある。それに解釈に諸説があるので初心者にはやっかいなことだ。しばらくの間は一本に絞って見ることであろう。それは協会のホームページで「監査役とは」の解説をしている東大の神田教授の著書からスタートすればよいだろう。弘文堂発行の『会社法』第四版補正版(法律学講座双書)である。
これは2003年の4月に出されたものの補正版になっているが、このように法改正に即、対応して逐次、カバーしているものは少ない。内容は安心して読める「教科書」と思っている。

4.商法の解説書

 商法の現代化は進行中であるが、現状は読みづらい。特に初心者は、ある特定の条文についての意味を知りたい時があるが、その時には神田教授の「会社法」もまどろっこしい。特定の条文を解説しているのが、自由国民社の『口語商法』である。これは口語での表現だけでなく「注解」や図解があるので理解しやすい。難点は度重なる改正への対応が少し遅れることである。

 当面はこの四つの情報源を拠り所にしていただくことをお勧めする。「守破離」の「守」はこの4つであろう。その後は、良き参考書が沢山ある。■

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