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2005.09.24

NO.80 2005・09・21 会計士の処分


監査役A:このところ会計士に関する記事が多いですね。

監査役B:金融庁が「株式会社テスコンの平成10年5月期の財務書類について、故意に及び相当の注意を怠り、重大な虚偽のある財務書類を重大な虚偽のないものとして監査証明を行った。」という理由で公認会計士を処分されていますね。

監査役A:平成10年5月期のものを今頃処分ですか!その間に所属のファースト監査法人も平成16年9月に解散していますね。

監査役B:処分内容は業務停止9ヶ月と3ヶ月ですね。

監査役A:具体的には何をしたのですか?

監査役B:公認会計士の1名は、当該B/Lが偽造され、当該売上に係る出荷の事実がないと認識していたと認められるにもかかわらず、平成10年5月期の監査報告書において「適正意見」を表明したのですね。
 もう一人の公認会計士は、B/Lの真偽に疑念が認められる状況にありながら、当該B/Lと他の証憑類とを照合して確認すること等を怠り、平成10年5月期の監査報告書において「適正意見」を表明したとのことです。

監査役A:それだけですか?

監査役B:その他に、国内取引先2社に対する架空売上があったのです。
 サンプル出荷や期末最終日に多額の売上があったにもかかわらず、検収状況や売上の内容等について十分な確認をしないで、平成10年5月期の監査報告書において「適正意見」を表明したようですね。

監査役A:監査役もこのような手口については気を付けないといけませんね。

監査役B:つい、会計は先生に任して・・・と思いがちですからね。

監査役A:もう一つの会計士の記事は、日本公認会計士協会の藤沼亜起会長が四大監査法人(トーマツ、中央青山、新日本、あずさ)に対し、七年を超えて同じ会社の監査を担当している会計士を早期に交代させるよう要請するとのこと。

監査役B:今頃ですか?確か昨年施行された公認会計士法で、会計士が同じ企業の監査を七年を超えて続けることを禁じていますね?

監査役A:そうなんです。会計士協会はカネボウ事件で中央青山監査法人の会計士が逮捕されたことから急きょ会見したようですね。
あの法律は、施行前の年数は規制の対象外のため、現状では同じ企業を長年続けているケースもあるのです。20年以上も継続している会社が14社もありますね。立法の趣旨を考えるともっと早く交代すべきなんでしょうが、ずるずると継続しているのですね。

監査役B:会計士をチェックする制度もあるのでしょう?

監査役A:2004年4月に改正された公認会計士法施行で、公認会計士や監査法人のチェック体制が充実されたのです。それまでは日本公認会計士協会が検査を委ねていたのですが、新法では協会による検査結果を金融庁の傘下に「公認会計士・監査審査会」を作って、さらに精査するという「二段構え」に変更したのですが、長年にわたるカネボウの粉飾を全く見抜けなかったのです。

監査役B:監査の監査、屋上屋を重ねてもダメだと言うことですね。

監査役A:監査役監査の監査ができても空振りの恐れがある?

監査役B:やはり、個人の使命感でしょう。■


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NO.79 2005・09・16 監査役が提訴される


監査役A:足利銀行が監査役4名を今日(16日)提訴しましたね。
          
監査役B:足利銀行と言えば、粉飾決算の関連ですね。会計監査人だけでなく監査役も提訴ですか!

監査役A:そうなんですよ。監査役は次のように個人名を公表していましたよ。「当行の監査役であった里見繁、沼口菊郎、田島一郎及び石嶋吉造並びに会計監査人であった中央青山監査法人を被告とする損害賠償請求訴訟を提起」する。

監査役B:いつの決算ですかね?

監査役A:平成13年3月期決算の会計監査で、監査役又は会計監査人としての任務を懈怠し、決算が粉飾決算であることを看過し、適法意見を付した監査報告書を当行の代表取締役頭取に提出したことが違法配当を実施するに至らせて、違法配当相当額の11億3580万円の損害を銀行に与えたとしていますね。

監査役B:監査役を提訴する根拠法令は何でしょうか?

監査役A:監査役の4名は、株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律(いわゆる「商法特例法」のこと)18条の4第1項、商法277条、278条に基づいて、中央青山監査法人や違法配当を実施した取締役らと連帯して、損害賠償として違法配当額11億3580万円の支払を請求していますね。

監査役B:どの様にして粉飾したというのですか?

監査役A:配当可能利益がないのにもかかわらず、次のような処理をしたと言っていますね。
1.繰延税金資産の計上の基礎となる今後5年間の課税所得見込み額を940億円過大に算定することにより、繰延税金資産を約210億円過大に計上。2.当行の貸付先の債務者区分を恣意的にランクアップすることにより、個別貸倒引当金を合計約368億円過小に計上するという方法により、当行の資産額を合計約579億円過大に粉飾した。

監査役B:その結果、11億3580万円を違法配当したのですね。しかし、監査役を提訴したのは珍しいですね。何か事情があったのですか?

監査役A:足利銀行は「特別危機管理銀行」になっていますので、そこには次のような取り決めがあるのです。「その取締役、執行役若しくは監査役又はこれらの者であつた者の職務上の義務違反に基づく民事上の責任を履行させるため、訴えの提起その他の必要な措置をとらなければならない。」とのルールから取締役らの民事上の責任を追及するため、2月4日に不正融資事案2件と違法配当事案1件を宇都宮地方裁判所に提訴していますね。

監査役B:監査役についてはどうなんでしょうか?

監査役A:当時の監査役4名に職務上の義務違反があったか否かについて引き続き調査を実施し、その結果、違法配当事案については、監査役4名に看過しがたい任務懈怠があったとの調査結果が出たのです。

監査役B:それで監査役が提訴され、損害賠償を求められたのですね。

監査役A:もちろん、会計監査の第一次責任を負っているのは会計監査人です。

監査役B:監査役も損害賠償を求められ、提訴されることが現実的に発生しましたね。

監査役A:足利銀行は、経営危機にある状態で一時的に国有化されていて、経営監督も受けていますから特殊な例と言えるでしょう。また、これまでに、特別危機管理銀行となったのも足利銀行だけですし。

監査役B:しかし、この提訴がきっかけで流れが変わるかも知れませんね。■


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NO.78 2005・08・27 銀行の不祥事


監査役A:東京三菱銀行で不祥事が発覚しましたね。

監査役B:9.9億円も着服していたんだね。

監査役A:10-12年間もしていて見つからなかったのですね。

監査役B:銀行と言えば、内部監査も良くやっていると聞いていたんですがね。

監査役A:昔の第一勧銀では100名近く居ましたね。

監査役B:大蔵省の検査の事前監査が中心だったのでしょう。

監査役A:それにしても9億円、10年間という数値は言い逃れは出来ないですね。

監査役B:内部統制や内部管理などが何度も話題になっていますからね。

監査役A:お客さんからの照会がきっかけで分かったようですから内部監査部門による発見ではなかった、と言うことですね。

監査役B:銀行から金融庁への報告によれば、「経営陣は、派遣社員の増加や職務内容の変化に伴う不正リスクに対する認識が不足していたなど、法令等遵守に係る経営姿勢が未だ不十分である」としている。

監査役A:同じ仕事を長期間、従事させることの危険性は知っていたようだが、派遣社員にまで適用されていなかったと言う。

監査役B:新しいルールなどはまず、正社員だけに適用することが多いですね。

監査役A:問題は、この不祥事を銀行自らで発見することができずに顧客からの申し出を受けて発覚したと言うことは、自浄機能が発揮されず内部監査機能が実効性を欠いたと言えるでしょうね。

監査役B:みずほ銀行も似たような事件がありましたね。

監査役A:信用やお客さまを大切にすべき銀行なのに他のことに目が行っているのでしょう。銀行の監査役も同じなのでしょう。■

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NO.77 2005・08・12 お客さまの立場


監査役A:夏休みはどうして居られました?
          
監査役B:孫のお相手でディズニーに行ってきましたよ。暑かったですね。

監査役A:それは大変でしたね。あそこは待たされるでしょ?

監査役B:「忍」の一字ですね。ディズニーと言えば香港にも出来るようですね。

監査役A:その香港ディズニーで従業員の給料をピンはねがあったようですね。いくつかの工事業者が従業員に最低賃金を下回る給料しか払わずに長時間労働をさせていたなどの疑いがあったようで、「監査役」を雇い、調査する、との記事を見ましたね。

監査役B:ああー、見ました。「監査役」と言っても、労働者の権利を守る非営利団体ベリテというところに監査を依頼したようですね。やはり、監査は独立した組織でないとね。

監査役A:日本のディズニーでも良からぬ話がありましたね。お客さま商売の企業は特に企業イメージを大切にしないといけないですね。

監査役B:そう言えば、ディズニーの株価が冴えませんね。

監査役A:そちらの情報は知りませんが・・・。

監査役B:いくら人気だと言っても、2時間も炎天下で並ばせることを何年も放置しているのはどうかと思いますね。

監査役A:社内の人には問題だと見えないのでしょう。愛・地球博の影響だと言い逃れして終わっているのでは?

監査役B:やはり、社外の眼が必要ですね。また、社内の人だと分かっていても言いにくいですからね。

監査役A:待たせると言えば、愛・地球博の電力館のお客さまの待たせ方は、素晴らしいですね。並んでいるときから「お客さま」扱いをして、暑さや退屈さに配慮していますからね。ぜひ、行かれるときはそんな目で見てきて下さい。■

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NO.76 2005・08・12 会社法(5)


新任監査役:8月5日に第一法規の会社法のセミナーに行ってきました。
          
先輩監査役:よく勉強されますね。内容はどうでしたか?

新任監査役:これまでのセミナーと違っていました。最初の演題は「中小企業の実態を踏まえた使いやすい会社法へ」でして、講師は全国中小企業団体中央会の北原直氏でした。第二講は「中小企業における会社法対応」で講師は鳥飼総合法律事務所の村瀬孝子弁護士でし た。

先輩監査役:どちらも中小企業の人向けのセミナーだったのですね?

新任監査役:そうなのですが、今までとは、違った視点でのお話しでしたので会社法が立体的に見えてきました。

先輩監査役:確かに、我々は経団連や経済同友会などの情報が中心だったからね。それでポイントを教えて欲しいね。

新任監査役:全国中小企業団体中央会の主張は「株式会社の98,3%が中小企業なのだから、中小企業が使いやすい会社法であるべきだ」と言われていました。

先輩監査役:それで具体的には?

後輩監査役:全国中小企業団体中央会が主張して会社法に反映されたこととして次のようなことを言っていました。
1.最低資本金制度の廃止 2.新しい株式会社は、有限会社並みの規整でスタートし、ステ ップアップできる「成長の視点」を持った制度設計にすべき。 3 .監査役の設置は任意とすること。 4.監査役の権限は会計監査に限り、一律に業務監査権限を賦与 しないこと。 5. 取締役会の書面決議を認めること。

先輩監査役:意見が通らなかったこともあったのじゃないか?

新任監査役:あります。次のようなことがそれで、現状と変わらずです。
1,3ヶ月に一回の取締役会での業務報告。 2,決算公告の緩和

先輩監査役:なるほど。双方から聞いてみるものだね。村瀬弁護士の方はどのようなお話しだった?

新任監査役:特に今までのセミナーの内容を中小企業者向けに話されただけで した。

先輩監査役:ご苦労さんでした。もう勉強は終わりにして自社への影響などに焦点を向けることですね。■

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NO.75 2005・08・03 戦争


監査役A:今年は「戦後60年」ですが、ぜひ戦争についても考えるべきと思っているのです。
 
監査役B:そう言えば、平和ボケにならないようと言われながら何もしていませんね。

監査役A:また、NHKが良い番組を作ったのです。取材を受けた知人から聞いたのですが。

監査役B:いつですか?

監査役A:次の文章をお読み下さい。

NHKスペシャル
「被爆者 命の記録 ~爆心1000メートルで被爆した人々の60年~」 (仮)
8月6日(土) 午後9時~ NHK総合テレビ

 8割以上の人が亡くなったとされる爆心地から1000メートルの地帯。奇跡的に生き残った人々に、いま放射線の影響と考えられるガンが多発している。爆心地から900メートルの中学校で被爆した兒玉光雄さん(72)は、10年程前から11度のがんを発症。手術を繰り返している。こうした中、一緒に被爆した旧友の消息を尋ね歩き、ホームページにまとめている。

爆心地から550メートルで被爆した寺前妙子さん(74)は、子宮がんと乳がんを経験した。病気になるたびに死の恐怖に苛まれてきた寺前さんだが、被爆によって自分の体に何が起きたのかを知りたいとある医師のもとを訪ねる。寺前さんはここで、真実を聞かされる。

NHKは、爆心地から1000メートルの地帯で被爆した人々を取材し、それぞれの60年と今を見つめる。と同時に、広島大学や放射線影響研究所などの研究機関を訪ね、核兵器が人間の何を冒してきたのかを、明らかにする。■

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NO.74 2005・07・27 人は変身する


監査役A:7月24日(日)のNHKスペシャルをご覧になりましたか?
 
監査役B:いいえ。来客がありまして・・・、何でしたか?

監査役A:21世紀の潮流 「アフリカ ゼロ年」 4回シリーズの3回目で「子ども兵を生んだのは誰か」というタイトルで、内容は、アフリカで継続している内戦や地域紛争の戦場で子どもが銃を持って前線で闘っている話でした。

監査役B:うーん、少し聞いたことがありますね。その子ども兵は、誘拐されて連れてこられて、麻薬と暴力によって強制されている。

監査役A:誘拐がしやすいので、死ねば、また補充すれば良いという戦争の道具として扱われている。

監査役B:日本の戦前の召集兵のようですね。1銭5厘のはがきで集めてこれる。しかし、馬はそうはいかないと人より馬が大切にされたとかね。

監査役A:テレビによれば、子ども兵についてクローズアップされたのは、モザンビークの内戦で1990年頃だったようですね。

監査役B:しかし、人間は残酷なことを考えるものですね。

監査役A:安い商品がよいとか、利益を稼ごうと児童労働者を使うことはまだあるようですが、麻薬や暴力で使い捨ての戦力にするなんて・・・考えられませんね。

監査役B:人はブレーキがなければ、どこまでも残酷になれると言うことですね。

監査役A:カネボウの元社長も粉飾を認めたようですが、自分をセーブする人がいないと社長も予想外の行動をとるものですね。

監査役B:監査役の役割が重要ですね。

監査役A:サラリーマン監査役ではダメですが・・・。使命感や正義感、そして勇気が必要です。■

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NO.73 2005・07・20 会計士の監査基準


監査役A:今朝(7/20)の日経新聞によれば、来年から新しい監査基準で監査することになるようですね。

監査役B:監査法人や公認会計士が企業をどう監査するかの基準ですね。

監査役A:監査法人の内部でダブルチェックをするとか、発見しにくい粉飾決算を想定して弁護士や業界動向に詳しいコンサルタントの力を借りるなどですね。

監査役B:西武鉄道の名義株偽装やメディア・リンクスの粉飾決算などプロが入っていながらあの様ですからね。会計不信が出るのは当然ですね。しかし、これで監査の「質」が高まるのでしょうかね?

監査役A:この問題の先輩である米国の企業改革法(サーベンス・オクスレー法)なども参考にしているようです。例えば、会計士が別の会計士の監査に問題がある場合の通報を監査法人が事態を放置することのないように
するとか・・・。

監査役B:任期満了で会計士が交代する際に「粉飾の可能性」について後任に必ず引き継ぐことを義務付けることになったようです。今までは後任の会計士から求められた場合だけ引き継ぎをしていたようですね。

監査役A:その当たりのルールは杜撰ですね。

監査役B:元々、監査報酬をもらっているお客さんに厳しいことは言いにくいものですね。契約を切られたくないですからね。

監査役A: それに3月決算がほとんどだから監査も集中して、監査内容は杜撰になりがちでしょうね。

監査役B:それにしても監査役について言及されないのはなぜなんでしょうか?

監査役A:金融庁と言うところの所轄ではないからでしょうか?兎に角、我々も頑張らないといけませんね。

監査役B:相当性判断もしていますのでね。■

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NO.72 2005・07・13 内部統制(1)


新任監査役:初体験の株主総会も終わりましたので、内部統制について本腰を入れて勉強しなければと思っていますが、何かアドバイスをお願い致します。
          
先輩監査役:実は、私も一番分からない分野なのだよ。私だけでなく日本全体かも知れないが・・・。

新任監査役:これほど良く目にする用語なのに「日本全体」が理解できていないのと言えるのですか?

先輩監査役:内部統制という用語は、早くから公認会計士が使っていたが、今のような意味合いで使うようになったのは1992年にCOSOレポートが発表されてからのようだね。これを見直して日本ナイズすることを今年の2月から金融庁で開始していますね。そして、「日本版COSO」と呼ばれているものが先月、できたという状況ですからね。

新任監査役:先輩は、内部統制のデファクトスタンダードと言われている 「COSOレポート」を勉強しておられるのでしょう?

先輩監査役:それが理解しづらいのですよ。でも4月に良い本が出ましたよ。 以前からCOSOレポートの翻訳に係わってこられた早稲田大学の鳥羽至英教授が書かれた『内部統制の理論と実務』(国元書房) 内部統制について多角的に書いてくれていますね。 それと最新情報が入っているのが嬉しいですね。

新任監査役:早速。買ってみます。

先輩監査役:勉強熱心は結構だが、監査役としての基本的知識もキッチリ確認しておくことも必要ですよ。


後輩監査役:と言いますと?

先輩監査役:例えば、監査とは何か、大和銀行事件や神戸製鋼所の裁判所の見解、コーポレート・ガバナンスの意味などについては、その本にも必ず出てきますよ。そのことについて、内部統制以前に明確に理解しておくことですね。それと分かりやすいと言っても新しい概念だから何人かで輪読して、知恵を出しあった方が理解がすすむだろうね。

新任監査役:しっかり勉強します。

先輩監査役:「内部統制について監査役に聞いたが、まだご理解されていないようです」と言われないように、信頼される監査役になるためにも頑張って下さい。■

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NO.71 2005・07・05 株主総会の形骸化


監査役A:5月18日のことですが、民主党の富岡議員が参議院本会議で株主総会の形骸化などの問題点を指摘していましたね。
          
監査役B:わたしは知りませんが、珍しいですね。国会議員がその様なことを質問するなんて・・・。

監査役A:私も先日、民主党のWebを見ていて知ったのですがね。 次のように書かれていました。
富岡議員は、わが国においては安定株主の比率が高いことなどから、一般株主が経営者をチェックするための株主総会の形骸化がすすん でいる実態を示し、この問題の解決なくしては会社法は絵に描いた餅 となると指摘した。

監査役B:今年は、会社の思惑通りに行かなかった会社もありましたが、ほとんどは前日に勝負は決まっていますからね。

監査役A:これに対して法相は、安定株主の存在は直ちに株主総会の形骸化にはつながらないと言いつつ、今後とも必要な検討を行うと答弁したようです。

監査役A:また、富岡議員は、株主総会が形骸化している現状では取締役などの選任に対するチェック機能が働かないとの指摘を行ったが、法相は情報提供の強化などによって株主総会での判断材料を提供することで解決可能であるとの見解を示すのみで、問題の本質にかかわる答弁は行われなかった、とのことですね。

監査役B:取締役候補の株主総会への提案権は取締役会にありますのでね。それと招集通知に書かれている候補者の情報だけでは判断できないとある株主総会で株主が指摘をしていましたね。

監査役A:富岡議員は、会社法についても提案していましたね。今回の会社法案での会社区分を公開会社と非公開会社で区別すべきであると提案していますね。これに対して南野法相は、会社法案では株式の譲渡制限の有無によって会社を区分していると答えていたようです。

監査役B:指摘や質問の内容はともあれ、議員さんがコーポレート・ガバナンスなどに目を向けるなんて時代が変わってきましたね。

監査役A:日本経団連などが要望していた内容でも民主党の力で修正や削除がありましたね。今後も期待したいですね。

監査役B:政治献金で動くという議員は許せませんね。■

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NO.69 2005・06・21 株主総会(1)


新任監査役:いよいよ株主総会の本番です。落ち着きませんね。
          
先輩監査役:そうだろうなー。会社の関係者や株主などの大勢の目の前であれだけのことを言い切るのだから大変だよ。

新任監査役:定型の報告は、書いたモノを読めばよいと割り切っていますが質問が恐いですね。

先輩監査役:監査役への質問は、過去、ほとんど出ていなかったよ。しかし、最近は個人株主を増えて、総会慣れというか、質問することが平気な人が増えたような気がするね。

新任監査役:答えるときの注意点を教えて下さい。

先輩監査役:まず、真摯に答えることだね。どちらにしろ内容は分からないのですよ。だから質問者を丁重に扱ったかどうかがポイントになりますね。

新任監査役:分かりました。

先輩監査役:回答の柱は、監査役会の監査報告書です。監査報告書に始まり、報告書で終わるというのがよいね。

後輩監査役:と言いますと?

先輩監査役:そうですね「私たちの監査役がして参りましたことは、監査報告書に書いてあるとおりでございますが、お尋ねの件は・・・・でございます。その他は、やはり、監査報告書に記載のとおりでございます。」と言うことかな。

新任監査役:その時になればどうなるか分かりませんが、頑張ってみます。

先輩監査役:その初心が大切ですね。ある会社の監査役は威張って、質問者をバカにしたような言い方をしていたが・・・。まあ、大丈夫ですよ。■

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NO.70 2005.06.29 株主総会


監査役A:今日で3月決算の株主総会も終わりですね。
          
監査役B:今年はいろいろ変化がありましたね。そのために宝印刷の経常利益が増えたりしましたね。

監査役A:商法改正で株主総会の招集通知のページ数が増加しましたからね。まあ、それだけではないでしょうが・・・。

監査役B:もっと売上が増加する要因がありますが。

監査役A:それは何でしょうか?

監査役B:招集通知のサイズを大きくすることです。世の中は高齢化社会を迎えたリッチな定年退職者は株式を買っている。にもかかわらず、招集通知のサイズは昔のまま。新日鐵の取締役も質問の時にメガネをかけ替えて見ていましたよ。

監査役A:日立製作所や本田技研のサイズは大きく、見やすいですよ。

監査役B:同じメーカーでもこんなに違いが出るのですかね?

監査役A:お客さまを考えと社内の常識のどちらが強いかですね。

監査役B:逆に、売上が減るのは日経新聞ですね。決算広告が急減しましたね。明日の朝刊で分かりますが。

監査役A:インターネットでの公告が認められましたからね。これも新聞協会が反対していましたね。自分の利益のみを考えての主張ですね。

監査役B:株主総会の所用時間ですが、ほぼ2時間が標準になってきましたね。

監査役A:そうですね。以前は40数分くらいでしたが、2時間ぐらいで終わるように質問を打ち切っていますね。

監査役B:判例で何かあるのかも知れませんが、2時間なら出席者の納得が得られそうですね。

監査役A:個人株主の発言が多くなってきましたね。質問以外に意見や要望、感想なども入ってきますが・・。

監査役B:ある会社の総会で、会社と全く関係のない個人的なアッピールのようなものを言っていた女性が居ましたよ。「関係ない」とヤジが飛んでましたが。

監査役A:その問題ですが、気になっていたのです。IR総会と言っても限度がありますよ。議案に関係がなければ、切るべきでしょう。

監査役B:程度によりますが、場合によれば、厳しさが必要ですね。

監査役A:株主総会も生き物で対応を変えていかないといけませんね。個人株主はあちこちの株主総会に出ていますからね。役員より詳しいかも?

監査役B:今年については、忘れないうちにしっかり分析しておきましょう。■


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No.68 2005.06.14 談合企業へ


監査役A:株主オンブズマンが橋梁談合の企業に株主代表訴訟をするようですよ。会員に呼びかけて、三菱重工、新日鉄、石川島播磨、神戸製鋼所の4社の株主からOKという回答があったそうです。

監査役B:その他に、栗本鉄工所、駒井鉄工、コミヤマ工業、日本車輛製造、ハルテック、JFEエンジニアリング、横河ブリッジ、川崎重工、日立造船、三井造船 住友金属工業、住友重機械工業 日本橋梁、川田工業、高田機工、サクラダ、日本車輌製造などあるようですね。

監査役A:戦後最大の談合事件なので裁判も戦後最大の株主代表訴訟をしようと思っているようですよ。

監査役B:それにしても経団連の姿勢が分からないのですよ。独禁法の改正で課徴金を18%に引き上げる案を葬り、12%に引き下げさせましたからね。

監査役A:橋梁だけでもあれだけの会社が係わっているのですからね・・・。経団連もなりふり構わず、この法律に反対しましたね。

監査役B:指導的立場にある国土交通省もいい加減なものですね。

監査役A:役所が購入する物や工事などほとんど談合が行われているようですね。

監査役B:予算と実績が大きく違わないように、低すぎる落札は困るのですよ。このようなとき、役所は業者を呼んで、協力要請をするようです。

監査役A: 日本道路公団は、ほとんどが官製談合で業者同士が話し合う余地はほとんどないようですね。にもかかわらず、国土交通省の役人が捕まらないことは納得できないね。

監査役B:それにしてもなぜ、談合が続くのですか?

監査役A:談合はワークシェアリングのためでもあるようですよ。公共事業を請け負うのは1社ですから、1人勝ちになって他がつぶれてしまう。だからみんなで仕事を分け合って行こうという側面もある。勿論、これは、市場経済の原理に反する行為ですよ。

監査役B:業界の人に言わせば政治献金や天下りの「無駄飯食いの官僚乞食」がなくなれば談合で変に儲けなくとも良いとか。

監査役A:それにしても逮捕される社員のことをどう考えているのでしょうかね?

監査役B:関係者の中から自殺者も出たりすることも・・・。
          
監査役A:その様な悲劇は、何とか無くしたいですね。

監査役B:監査役として身体を張ってみますか。■

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NO.67 2005・06・07 談合(2)


監査役A:先週、談合についての情報をお願いしましたが、沢山の情報を頂きました。
          
監査役B:実務家の方からの情報が多いですね。

監査役A:やはり、談合を監査役も知っていたようですね。

監査役B:しかし、それはうわさ程度で誰も真実は喋ってくれないでしょう。談合はいけないことの注意は喚起しているでしょうが・・・。 社長も罪が問われないのですね。

監査役A:官吏がせっせと予定価格を業者に流し、その見返りを天下りと言う官民癒着構造が出来上がっているようですね。談合はいろいろな業界にあるようです。印刷業界、デパート業界なども。

監査役B:談合を防止するために公共取引委員会は何をしているのですか?

監査役A:1.談合等が明確になると談合により落札した業者に課徴金を課する 2.最近では捜査する

監査役B:公共事業体の方は?

監査役A:1.予定価格や最低制限価格の公表と低入札価格調査制度の導入  2.独占禁止法違反等の不正行為に対する指名停止  3.談合により落札した業者に違約金を課するなどの防止策がとられているようですね。

監査役B:それでもダメなのですか?

監査役A:工事の中には、特定の業者でなければ出来ない工事があり、そこが談合 に参加したとして指名停止をすると指名停止が解除まで工事ができなくなる。それが困るのです。 また、その工事が国の補助事業の場合、年度を越えると補助を受けられ なくなるおそれがある。これ等のことで発注者にとって非常に困る状況 になる。また、業者に課徴金や違約金を課してもその額を予め落札額に入れて おくこともあるようですね。また違約金を払えばいいのだという意識があるということも考えられる。

監査役B:予定価格や最低制限価格を決める方法は?

監査役A:最近では、予定価格など企業が所有しているソフトを使えば簡単に予定価格を算出できるそうです。
低入札価格調査制度というのは最低制限価格以下の入札があった場合、発注者が工事が可能であるかどうか調査する制度ですが、最終的 には業者が「できます」と返答すればそれまでだそうです。その他にもいろいろ工夫しているようですが、談合に対しては特効薬 のような防止策がないのが実情のようです。

監査役B:競争入札であると特定の業者がすべての工事を落札する可能性が強く、弱小の業者は落札できなくなるようですね。このため、多くの企業が維持していくためには平等に工事を落札することが必要不可欠である。
また、談合すれば利益が極端に大きくなる場合もあるので企業にとっては止められない。

監査役A:その他いろいろなケースがあって落札率や落札額だけでものは言えず、決め手になる方法はないようですね。従って談合は、企業倫理の問題であるということになりますね。

監査役B:会社のために談合して、逮捕される社員は悲劇ですね。

監査役A:社長や監査役は、談合を自分の恥と思わないといけないですね。■

   情報提供ありがとうございました。

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NO.66 2005・05・31 談合


監査役A:大きな談合事件が問題になっていますね。
          
監査役B:私は談合と関係のない業界なので不思議なんですよ。40年も続いていたと言うことですが、なぜなんでしょうか?

監査役A:監査役制度が全く機能していなかったのでしょうか?

監査役B:これは読者の皆さんからご意見や情報を頂きたいですね。

監査役A:是非ともお願いしたいですね。■

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no.65 2005.05.24 取引先


監査役A:ディズニーの夢を破るようなことがありましたね。
          
監査役B:暴力関係者に清掃を委託していた件ですね。

監査役A:かなり力のある暴力団らしいですね。

監査役B:「中央興発」という会社で、全国の右翼団体で組織する「全日本愛国者団体会議」の名誉議長志賀三郎氏(79)の実兄や長男が、代表取締役や役員を務めたことがあるなど、志賀氏との関係が深い企業のよう
ですね。

監査役A:経営幹部は知らなかったのですか?

監査役B:どうでしょうか、中央興発の現在の社長は、オリエンタルランドの故・高橋政知元会長が発起人となって設立した千代田区の建設会社の監査役が兼務していて、幹部との関係は極めて深いようですね。

監査役A:実際は「丸投げ」とか?

監査役B:その不動産会社に、オリエンタルランド本社ビルなどの清掃業務を84年から毎年1億800万円で委託していたが、その業務を大手ビルメンテナンス会社に“丸投げ”し、毎年4000万円以上の利益を得ていたようですね。

監査役A:20年も前からですね。なぜ、今問題になったのですか?
     
監査役B:正確には分かりませんが、読売新聞では「読売新聞の指摘を受け、中央興発との契約の経緯などについて内部調査を実施。」とありましたね。他の新聞では「最近、コスト削減のため、下請けなどに厳しい取引条件を突き付けていると聞く。その不満が高まっており、内部告発も増えているようだ」と話す関係者もいるようですね。

監査役A:そう言えば業績は低下傾向のようですね。

監査役B:ある新聞では「夢を売るのが生業」の同社にとって、ブランドイメージは商品そのもの。開業以来、もっとも大事にしてきた財産が損なわれた。」と書いていましたね。

監査役A:我が社の取引先もその様な視点で見直さないといけませんね。

監査役B:総会屋も「仕事をくれ」と言ってくるのがあるそうですからね。

監査役A:結末はどうなったのですか?

監査役B:OLCは「調査の結果、中央興発の以前の代表者はコンプライアンス(法令順守)にそぐわない人物だったと分かった」として、今月十七日に契約解除を中央興発に通知。十九日に了承の返事が来たと言っていますね。

監査役A:当たり前かも知れませんが、勇気ある決断ですね。■

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no.64 2005.05.18 会社法案が衆議院を通過


監査役A:会社法案が昨日、衆議院を通過しましたね。
          
監査役B:あとは参議院ですが、そこでの修正もなく成立するでしょう。

監査役A:法案は経団連の強い要望で組み入れられた内容が民主党の力で修正されましたが、興味深いですね。

監査役B:どんな法律でも関係団体の力関係で決まるのでしょうが、最終的に野党によって修正されるといことは救われますね。

監査役A:経済団体は、経営のしやすさ、国際競争力を付けるためとの理由なのだが・・・、少し視野が狭いのではないかと思いますね。

監査役B:具体的な修正内容はどんなことですか?

監査役A:修正された内容は、株主代表訴訟について「会社の正当な利益が著しく害され、会社の過大な費用負担が予測される場合」は制限されるとの原案でしたが、会社の過大な負担が予想されても、経営陣の責任を追及しなければならないこともあるとの理由で削除されました。

監査役B:自己株式の処分についてもありましたね。

監査役A:政府案では定款で定めれば、簡単な手続きで自己株式を市場で売却できるような規定担っていたが、これも削除されましたね。
     
監査役B:その他には?

監査役A:会社による総会屋への便宜供与が明らかになった際、取締役の責任を軽減した規定も見直し、取締役への適用を除外しました。

監査役B:民主党もなかなかやりますね。

監査役A:民主党の中には、会社法のプロジェクトチームがあり、担当を4つに分けて、それぞれ専門的に研究する態勢を取っているようですね。

監査役B:ホリエモン騒動で先送りされるものもあるようですね?

監査役A:いわゆる「三角合併」ですね。1年先送りの予定ですが、これについては「経済活性化に逆行だ」とか「敵対的買収は資本の最適配分につながるので、市場にも歓迎される」と日興シティグループ証券の藤田勉氏が"完璧な買収防止策"を批判していますね。 他にも、機関投資家や外国企業、在日米国商工会議所などから「外資脅威論などナンセンスな感情論だ。かえって株式市場の混乱と不安定を生む」とも言っている。

監査役B:この話は急に出てきましたからね。

監査役A:そうです。時間を掛けて、多角的な検討が必要なようですね。■

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no.63 2005.05.03 金融庁が新しい監査を


監査役A:金融庁が上場企業の不祥事防止のために新しい監査を公認会計士にやらすようですね。
          
監査役B:今日の日経のトップ記事ですね。「日々の業務遂行や内部管理の状況、取締役会の意思決定過程など」を公認会計士にチェックさせる制度を導入する方針だとか。

監査役A:証券取引法を改正して、2008年3月期にも義務付ける計画のようですね。具体的にはどうするのでしょうか。

監査役B:重要な意思決定はその審議過程を文書化して、会計士に監査させるようですね。

監査役A:そんなことなら取締役会議事録にありますし、監査役は取締役会に出席してビジネス・ジャッジメントルールを基本にしてモニタリングしていますね。

監査役B:いい加減な取締役会もあるようですし、議事録も議題だけという内容のないものもあるのでしょうね。

監査役A:業務手続きを文書で残すよう義務付ける、と言うことは証拠保全を義務づけたようなものですね。

監査役B:伝票も複数の部署が点検していることを文書で確認するようですが、これなど内部牽制として通常の業務で実施しているでしょう?

監査役A:そうですね。これでは会計士におんぶに抱っこ、になりますね。

監査役B:だから監査法人に支払う費用も多くなりそうですね。SEC基準に沿って内部整備してきた日立製作所では、「監査法人にも十億円以上払った」とのことですね。

監査役A:儲けているのは監査法人だとも書いていましたね。

監査役B:監査役については出てきませんね?

監査役A:会計士については、金融庁として許認可や法規で縛りやすいが、監査役はそうはいかないでしょうからね。

監査役B:会計監査人が企業統治監査も行うとなれば、会計士の試験範囲も増やすのでしょうか?

監査役A:新聞には書いていませんが、6月に出る報告書には詳細が出ることでしょう。

監査役B:カネボウの連続の粉飾決算や西武鉄道による有価証券報告書の虚偽記載などを会計士は不正を見抜かないといけないのですがね。

監査役A:企業不祥事の問題を各省庁がバラバラで対策を考えており、自分の範囲内での対策しか出てこないことになりますね。

監査役B:私もこの方法の効果には疑問ですね。■

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no.62 2005.05.03 郵政民営化


監査役A:連休で国会もお休みで、新聞も静かですね。
          
監査役B:小泉さんも海外だし・・。

監査役A:民営化法案に片を付けて出かけましたね。

監査役B:しかし、あの処理は問題が多すぎますよ。

監査役A:確かに強引だね。それでも自民党では決着が付いたのでしょう?

監査役B:まー、これを読んでみてください。野田聖子からのものですが。
 

■◇今月の主な活動報告◇■

政府は4月27日夜の臨時閣議で、2007年4月からの4分社化などを盛り込んだ郵政民営化法案を決定し、国会に提出しました。
これに先立ち、自民党では同日に総務会を開催し、法案の国会提出を認めた形になっています。
しかし、今回の法案の取り扱いは、関連合同部会、政務調査会審議会、そして総務会に至るまですべて、前例のない「少数決」をもって決定されました。それゆえ、私はこの法案については党議拘束がかかっていないものと
理解しています。自民党総務会はわが党の最高意思決定機関です。総務会における決定は原則、全会一致をもってなされ、どうしても賛成できない総務会メンバーは通常、欠席するなどして反対票を投じないことを旨としてきました。
今回の郵政民営化法案は部会レベルで議論を重ねたと言われるものの、政府は最後まで、部会で提出された質問条項にはゼロ回答を決め込みました。その結果、修正された条文はわずか3ヶ所で、文字数にして10字ばかりです。

総務会の決定には、原則として、党議拘束がかかります。それは、政権与党として責任もって法案を国会に提出させるためです。しかし今回、最後には、「小泉総理の30年来の思いを実らせたい」というような、国民生活の利便性向上や21世紀日本の活性化策などとは程遠い理由で党内議論が押し切られました。私はこの結果にどうしても、責任をもつことができません。

ちまたに「公社より民営化がよいのだから、さっさと進めては」という議論があることも承知しています。
しかし、設立からわずか2年しか経っていない日本郵政公社について、国は、国会議員は、国民は、本当にその取り組みを吟味、精査したのか-私はいまもって頷くことができません。<野田聖子>


監査役A:同じようなことが企業内で起こったときに、監査役としてどんな行動をとるのか、試されるところですね。■

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no.61 2005.04.26 会社法(2)


新任監査役:先週、九段会館で開かれた「旬刊商事法務」の会社法の解説会の出かけてきました。
          
先輩監査役:九段会館とは懐かしいね。あそこは監査役協会の会合でよく使っていたのだよ。最近は会員が増えて入れなくなったので、国際フォーラムに変わったのだが。講師は? 

新任監査役:講師は東京大学法学部の岩原紳作教授でした。先生は「要綱」の時の委員だったそうです。
まず、会社法制の現代化の経緯ですが、商法は平成9年から改正がくり返されてきた。その中には議員立法のものもあり、パッチワーク的なものもあるので整合性が取れていないものが出てきていたのでそれを修正すること。それ以前からもH17年に向けて口語化は進められていたようですね。

先輩監査役:議員立法は正規のステップを踏んでいないようで、結果的には粗製濫造という側面もあったようだね。
改定のキッカケは委員会等設置会社の創設で、監査役設置会社との間にギャップがあったことで、そのことは既に法案に付帯決議があったのだよ。
それと昨今、ドイツ、イギリスでも会社法制の改革が進んでいるので日本も遅れないよう、世界的なものに匹敵する内容にしていかねばならないというニーズもあったのだが。

新任監査役:まず、有限会社が廃止されましたが、いわゆる株式譲渡制限会社とは実態は変わらないので同じルールにすべきだという考えから改正された。

先輩監査役:次のような違いもあるのだが、それは合理的なのか疑問視されていた。
特別決議について株式会社では2/3、有限会社では3/4。会社機関が株式会社では取締役会や監査役が、有限会社では取締役会は不要、監査役はなくとも良い、という具合だよ。それで二つとも存続する必要はないので、一つにした。

新任監査役:有限会社の条件を基本にして株式会社にしたが、ネーミングは株式会社の方が好まれるので株式会社にしたそうです。

先輩監査役:既存の有限会社は残るのですよ。これについては中小企業団体の強い要望があったようだ。有限会社を無くし、株式会社に切り替えるには登記、カンバン、名刺、印鑑などの変更があり、相当費用がかかる。
それで残したが、新しく有限会社は出来ないということだ。

後輩監査役:大会社についてはオプションとして別途書かれているそうです。

先輩監査役:細かい話になると思うので、それぐらいでいいですが、これを手がかりにいろいろな解説を読んでしっかり身につけて下さいね。

新任監査役:分かりました。会場で気付いたことですが、若い女性の人が目立ちましたね。

先輩監査役:それは差別発言じゃないでしょうね?■

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no.60 2005.04.19 社外取締役


監査役A:金融庁は、東京証券取引所に上場企業が社外取締役を起用することを義務付けるように要請するようですね。
          
監査役B:会社法の改正ではなく、東証のルールを改定してもらって実現しようと言うのですね。

監査役A:アメリカでもニューヨーク証券取引所のルールが事実上、法令のような効果がありますからね。

監査役B:社外取締役って「飾り」だと評した記事を見たことがありますね。

監査役A:確かに、当社にはこのような人と親しいと有名人に社外取締役に就任してもらった企業もあるかも知れないね。アメリカでも退役軍人を招聘したケースも多かった頃があると言いますね。

監査役B:にもかかわらず・・・、それほど「社外」が良いのでしょうかね?

監査役A:普通の取締役は社長の部下のようなものですからね。トップにモノが言える人はごく希でしょう。だからコーポレート・ガバナンスのために社外取締役を入れるという話は今までもよくありましたね。しかし、友人・知人、取引先などを入れて、実質は期待できないケースも多いですね。      

監査役B:それで社外取締役の定義というか、条件を厳しくするらしいですね。「経営陣と利害関係がない人物」「過去三年間にその企業や親子会社の役員や従業員でなかった人」「その家族と企業との間に取引関係がない」などの要件が浮上している、とのことですね。
 
監査役A:一般的なコーポレート・ガバナンスのためならそれでも良いでしょうが、今回、金融庁が狙っているのは「買収への過剰防衛や不正会計を防ぎ資本市場の公平性を保つため」としていますが、この役割が果たせる社外取締役となるとかなり難しいでしょうね。

監査役B:現在の商法でも既に社外取締役を委員会等設置会社には義務付けていますから、何らかの形で義務づけは避けられないでしょうね。

監査役A:そうですね。監査役も過半数が社外にすることになりますし。

監査役B:社内出身は取締役も監査役もダメと言うことですかね?

監査役A:これは執行側にも監査役側にも誤解や甘えがあると思いますね。監査役に選ぶとき、また、就任したら全く立場が変わるのですから厳然とした姿勢が必要です。

監査役B:その点では社外取締役も社外監査役も変わらないはずですね。■

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no.59 2005.04.12 会社法


先輩監査役:先日の全国社外取締役ネットワーク主催のセミナーはどうでしたか?
          
新任監査役:いろいろ勉強になりました。

先輩監査役:具体的には?

新任監査役:まず、法律の構成ですが、979条まであり、総則には34の用語の定義が明確にされた。例えば、大会社、社外監査役、監査役設置会社、監査役会設置会社など。ここは見逃さないことですね。

先輩監査役:少し覚えていた条数や条文が全く役に立たないね。しかし、定義が今まではあちこちに書かれていたものが総則にまとまるなど見やすくなったがね。
      
新任監査役:第七編に「雑則」という名前のところの第二章に株主代表訴訟が入っているのです。

先輩監査役:亡くなられた天皇陛下は「雑草という草はない。」と言われたそうだが、「雑則」とは、適切でないね。

新任監査役:有限会社を株式会社に統合というか一緒にしたルールになったこと。そのために有限会社のルールに合わせたので緩やかになったところもありますね。難しく言うと「株式会社の機関設計の柔軟化」と言うそうですが。

先輩監査役:日本ではほとんどの株式会社が1000万円以下の会社なのに上場企業も同じ商法で規定しようとするところに無理があったのだ。何年も前からこの事は問題になっていたがね 。

後輩監査役:商法はこのところ改定が続いていたがその間の整合性がとれていなかったものがあり、それを調整した。例えば、取締役の責任について委員会等設置会社のそれと違っていたものが調整された。
  
先輩監査役:但し書きが就いているのも多いから要注意だね。

後輩監査役:その他に、最低資本金規制の撤廃、内部統制システムの構築に関する決定・開示、取締役会の書面決議、会計参与の導入と盛りだくさんでした。

先輩監査役:この他に施行規則に譲っていることもあるので、今年一杯気が抜けないですよ。

後輩監査役:まだあるのですか?大変ですね。■


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no.58 2005.04.05 会社法


先輩監査役:期末監査の方は進んでいますか?
          
新任監査役:あれもこれも気になって・・・、気が焦るばかりです。

先輩監査役:そんなところに悪いが、新会社法も勉強してくださいよ。

新任監査役:はい、監査役関連もいろいろか変わるようですね。

先輩監査役:監査役は取締役が法令違反をしていないかをチェックすることも責務だから、監査役のところだけ勉強していてもダメですよ。
      
新任監査役:となりますと全部ですね。何か勉強するコツがありませんか?私は法律に弱いもので・・・。

先輩監査役:私も法律などとは無縁のところから監査役になったんだが、繰り返し勉強することかな。

後輩監査役:やはり、そうですか。

先輩監査役:2月にあった監査役協会のセミナー、神田先生のものを聞かれたでしょ。それが活字になって『月刊監査役』の4月号に出ていますね。その以前から今回、検討を進めてきた法制審議会会社法部会の会長の東大の江頭教授の解説が「商事法務」 に連載されているし、易しいところでは、3月22日の日経新聞 の「ニュースがわかる」がいいですね。

新任監査役:そうですか。それほど沢山ありましたか。

先輩監査役:特に「商事法務」の連載は、「ここで妥協した」など裏話が書かれて いるので興味深いですね。この他に解説本が沢山出ているよ。何度も勉強するために、色々な媒体や先生方のものに目を通していくことが 頭に入るコツかな。
  
後輩監査役:明日も全国社外取締役ネットワーク主催のセミナーに参加してきます。やはり話は分かりやすいですから。

先輩監査役:君の場合はあと、3年間は会社法と関わるのだからね。頑張ってくだ さい。■

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no.57 2005.03.29 立花隆氏の話から


監査役A:毎日、ライブドアーとフジTVのことで新聞もTVも賑わって いますね。
          
監査役B:西武鉄道やコクドの話が薄くなりましたね。保釈もされましたが。

監査役A:ジャーナリストは、わいわい言っているだけで何が問題なのか, その点をもっと探って欲しいですね。

監査役B:記者はある想定で取材する傾向がありますね。

監査役A:そこには「思い込みによる誤り」を犯すことも多いですね。 立花隆氏は「人間は何かが「そうであってほしい」と思っている ときは、そうである側に有利な証拠を無意識のうちに優先的に集め、その証拠価値の評価にあたっても、自分の願望に有利な方向 にバイアスをかけて判断するのである。自分ではあくまで客観的 に公正に判断したつもりでも、無意識のうちに、自己に有利に資 する主観的判断を下しているものである。」と言っていますが まさにそうですね。

監査役B:もう一つ心配なのは、マスコミが報道した情報だけで判断してしまうことの問題です。

監査役A:立花隆氏は「報道記者がいいネタをつかむために最も大切な能力は、 情報の所在を嗅ぎつける能力ではなくて、いま最も大切な情報のミッ シング・リンク(欠落部分)がどこであるかを突きつめて考えていく、 分析能力、推論能力のほうである。足と耳を使って、情報の所在を探 しだすのは、その後の作業になる。」と言っています。

監査役B:我々監査役も気を付けないといけませんね。

監査役A:執行側から提供された情報だけで判断せずに、足りない情報は何かについても気を配らないといけないと言うことですね。

監査役B:そのためには監査役もかなり勉強が必要ですね。

監査役A:そうですね。監査役は3~4名ですし、監査役スタッフも居ない ところも多いですからね。

監査役B:東証に提出する情報開示に関する宣誓書のために専門組織を設置 している企業が129社もあるようですね。

監査役A:監査役会としても情報開示強化に関してどの様な監査をすべきかを考えないといけませんね。

監査役B:次々と新しいことが出てきて大変ですが、がんばりましょう。■

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no.56 2005.03.22 他社の株主総会

新任監査役:お早うございます。いよいよ期末監査ですし、その後には株主総会の本番が控えていますから・・・。

先輩監査役:落ち着かない?と言うところだね。
          
新任監査役:そうなんです。何か妙薬がないものでしょうか?

先輩監査役:一度、株主総会を体験すると少しは緊張がとれるのですがね。その意味で1,2月決算の会社の株主総会に出席してみてはどうだろう。

新任監査役:どうすればいいのですか?

先輩監査役:会社として保有している株があると思いますよ。総務部に尋ねてみては?私はそのために1、2月決算の株を買ってあるんだよ。行ってみる?
      
新任監査役: 是非とも行かせて下さい。

先輩監査役:それ以外に同僚が株主総会に出席したレポートをくれるんだよ。

後輩監査役:それも読ませてください。

先輩監査役:いいですよ。その代わりに先ほどの会社の出席レポートも書かないといけないよ。

新任監査役:レポートを書くと言うことは、出席するポイントが分かり勉強になります。■
      
----<「東燃ゼネラル」「楽天」のレポートのご希望の方ご連絡下さい>---
    

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no.55 2005.03.15 不祥事と監査役


新任監査役:お早うございます。最近、監査役の活躍ぶりが新聞に良く出ますね。

先輩監査役:西武鉄道の件ですね。日経新聞によると、昨年8月20日に開かれた西武鉄道の取締役会で、監査役が個人名義株の問題を指摘していますね。
          
新任監査役:これが端緒で西武鉄道はコクドに対し、株の実質的な保有状況を調べるよう要請しているのですね。

先輩監査役:監査役の指摘は、過去の経験などから参考として情報提供すると言うレベルでは、本来いけないものなんだよ。

新任監査役:と言いますと?

先輩監査役:監査役の発言は監査結果に基づいていなければならない、と言うことですよ。言い換えれば事実に基づいたものでないといけない。今回の例でも、その当時に指摘した内容は、後日判明した数値とピッタリだったようですね。
      
新任監査役:そうでしたね。今回も親会社にもの申すのですからね。慎重でないといけませんね。

先輩監査役:それだけでなく監査というものの重みから言えることですよ。

後輩監査役:それにしても監査役の貢献は素晴らしいですね。

先輩監査役:実際には、各社で色々貢献しているのですよ。それが事件にならないので新聞報道にならないだけです。

新任監査役:そう言われてみますとそうですね。新聞はその様なスタンスですね。
      
先輩監査役:新聞に載るかどうかと言うことより肝心なことは、重要な指摘や発言は取締役会議事録に正しく記録しておくことです。そのためには監査調書をキッチリ作成し、監査役会で検討して、意見形成をしておくことも必要でしょう。

新任監査役:いやー、監査役監査の重みがずっしり来ますね。■

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no.54 2005.03.08 新監査役監査基準の実践


先輩監査役:3月号の『月刊監査役』を読まれました?

新任監査役:いやー、まだですが・・・。

先輩監査役:去年の11月に開催された監査役全国会議で一番感動したのが早稲田大学法学部の尾崎先生だったのです。それに加えて後半の会議のコメンテーターだった弁護士で東大教授の武井一浩先生の発言も掲載されているからうれしいです。
          
新任監査役:私は留守番でしたが、どんな内容ですか?

先輩監査役:この会のテーマは「新監査役監査基準の実践-今後の監査役の職務」となっているが、改訂の背景から話されているからよく 理解できますね。

新任監査役:私は改訂の背景が知りたかったので丁度いいですね。

先輩監査役:監査役監査基準の解説会もあったが、あれとはひと味違います ね。学者先生の説明と併せると立体的になり、見えてくるもの がありますよ。
      
新任監査役:そうですか。

先輩監査役:加えて、監査役の監査が適法性監査だけか、妥当性監査も含まれるのかということについても両先生は触れておられるのが特徴でしょう。

後輩監査役:協会では、直接的には触れてこなかったようですね。

先輩監査役:次に、監査役監査基準の26条「代表取締役との定期的会合」 についてかなりページが割かれています。

新任監査役:第26条(代表取締役との定期的会合)の条文は次のとおりです
 「監査役及び監査役会は、代表取締役と定期的に会合をもち、代表取締役の経営方針を確かめるとともに、会社が対処すべき 課題、会社を取り巻くリスクのほか、監査役監査の環境整備の 状況、監査上の重要課題等について意見を交換し、代表取締役 との相互認識と信頼関係を深めるよう努めるものとする。」

先輩監査役:それと第6項「内部統制システム整備状況の監査」についても詳しく説明されていますよ。
          
新任監査役:しっかり読んでみます。

先輩監査役:そうですね。活字になると尾崎先生の熱意も伝わってきません がじっくり読んでみて下さい。
ところで、新任監査役向けの133条監査の解説会には出るの?

新任監査役:あれは話を聞かないとよく分からないので出てきます。■

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no.53 2005.03.01 新生銀行 八城政基社長の話


監査役A:昨日、「社外取締役ネットワーク」のセミナーに行ってきまし たよ。
          
監査役B:どんなお話でしたか?

監査役A:新生銀行の代表執行役会長兼社長八城政基社長さんのお話で、一つは「会社は誰のものか」と言う話でアメリカと日本では考 え方が違うのだと。そのことを次の例で説明していましたね。 「正味資産(Net worth)」はアメリカでは株主のものだと考え ており、その額が多いとなぜ配当しないのかと言われる。日本 では正味資産は会社のものと考えるのが普通です。

監査役B:会社はステークホールダーのものではないのですか?

監査役A:それについては否定していましたね。その理由は、まず、定義 が曖昧であることと、そして、その中には対立する関係者もいる。例えば銀行とそれ以外は対立しますね。それを一緒には出来ない、と言っていましたね。

監査役B:それでは何を目標にしているのでしょうかね?

監査役A:経営の目標は「長期的・安定的に利益を出すこと」と言い切っていましたね。

監査役B:確か、昨年の株主総会で委員会等設置会社になりましたね。

監査役A:発足当初から監査委員会も監査役会もあったようですね。監査委員会が充分機能するように監査委員のスタッフに元常勤監査役を長に据えているとのこと。

監査役B:社外取締役についてはどの様に評価しておられましたか?

監査役A:エンロンなどで機能しなかったと言われるが、どこの会社でもトップと経理担当と外部の会計監査人がグルになれば何でも出来る。だからチェックする人が必要なのだ、と。

監査役B:新生銀行の社外取締役はどんな人がなっているのですか?

監査役A:基準としては、大企業のトップ経験者、日銀出身者と言ってい ましたね。「この方たちに私はお仕えするのです」と。

監査役B:確か八城さんはエッソ石油やシティバンクなどを経験された経営者でしたね。

監査役A:そうです。だからアメリカのコーポレート・ガバナンスについても慣れておられるので、委員会等設置会社も違和感がないの でしょう。

監査役B:新生銀行はこのところ調子がよいのでは?

監査役A:バックオフィスを集中化したり、インフラのコストを徹底して下げたそうです。

監査役B:八城社長もお客さまの目線で見ているとか。これですかね, ポイントは。■

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