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2005.10.23

NO.85 取締役会への付議

監査役A:東京スタイルの株主代表訴訟で和解が成立しましたね。

監査役B:そんな株主代表訴訟があったことも知らなかったですね。何の訴えなのですか?

監査役A:社長が独断で投資をして会社に損害をもたらしたというモノです。

監査役B:そんなケースはどの会社でもあるのではないでしょうか?大抵の会社はワンマン社長が多いでしょうから。

監査役A:いくらワンマンでも大きな金額なら取締役会にかけているでしょう。
今回のケースは、取締役会にかけずに、40億円の債券を買って、31億円の損害が出たというのです。

監査役B:取締役会に掛かっていなかったのですか、それではダメですね。
しかし、そのことを誰が訴えたのですか?

監査役A:例のM&Aコンサルティング(村上ファンド)の村上氏ですよ。
彼は株主でしたからね。

監査役B:M&Aだけでなく、色々やるのですね。

監査役A:大株主ですから会社に損害を与えた取締役や監査役を訴えて、損害賠償金を会社に支払わせようとしますね。

監査役B:監査役もですか?

監査役A:会計監査人や新しくできる会計参与も代表訴訟の対象ですよ。

監査役B:そうですか。監査役も気を付けないといけませんね。ところで和解の内容は?

監査役A:高野社長が個人で会社(東京スタイル)に一億円の損害賠償金を支払う、ということで村上氏と和解したのですね。

監査役A:刑事事件でもないのに、大きい金額ですね。

監査役B:訴えはいくらだったのですか?

監査役A:会社の損害は約31億円でしたが、村上ファンドは、10億円の損害賠償を求めていました。

監査役B:訴えの内容は何でしたか?

監査役A:社長が取締役会の決議を経ずに購入を決めたことと、取締役としての善管注意義務を怠ったと言うことでした。
その結果、裁判では、「取締役会決議を経た事実は認められない」しかし、「代表取締役としての善管注意義務違反とは認められない」ということでしたね。

監査役B:私も当社の「取締役会規則」を見直して、付議事項を再確認してみないといけませんね。

監査役A:株主代表訴訟と言えば、橋梁の談合で問題になった各社の取締役に対して、株主オンブズマンが株主代表訴訟の準備を進めているようですよ。

監査役B:彼らは株主なんですか?

監査役A:いいえ、株主ではないのですが、代表訴訟を彼らに委託しても良い株主を探して訴えるのです。

監査役B:そんな形で訴えることができるのですか。

監査役A:そのようなこともあって、会社法では株主代表訴訟ができる株主の条件を厳しくしたのですよ。

監査役B:とにかく、経営の透明性、法令遵守などに株主の監視の目が厳しくなっていきますね。

監査役A:和解に対して村上ファンド側は「ワンマン社長が同様のことを行えば代表訴訟できることを示した形で、コーポレートガバナンスやコンプライアンス面から見て有意義」(中島章智弁護士)と評価していましたね。

監査役B:早速この事を各取締役にも認識してもらわないといけませんね。■

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