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2006.02.15

NO.118 監査役にチャンス到来


監査役A:今日の日経の社説はスクラップしておきたいね。

監査役B:私も取締役会で解説しようと考えていました。

監査役A:監査役が言うよりこのような記事を使って説得した方が効果的ですからね。

監査役A:企業不祥事は、「法令を守るための内部管理体制の不備が」原因であることが多いですし、「経営者の不正行為を監視」することになっている「取締役会が機能」していないのがほとんどですからね。

監査役B:ライブドアーも「社外監査役二人を含む三人の監査役も法令違反を止めることができなかった。」ようですし。

監査役A:ライブドアーの監査役については「監査役への応援歌」№109で話が出ていましたが、「常勤監査役は、63歳の元神田警察署長をしていた警視庁のOBで、非常勤監査役は、弁護士と会計士。会計士は会計監査人の監査法人に所属している会計士」ですね。

監査役B:公務員OBといわば関係者ですね。

監査役A:このようなメンバーでは、社外監査役と言っても、経営トップ層の暴走を止めるのは、難しいでしょう。

監査役B:それで「会社法の法務省令は社外から招く取締役や監査役について、職歴などの詳細を開示するよう義務づけた」のですね。

監査役A:一寸長いのですが、条文を確認してみましょう。
会社法施行規則:第七十六条(監査役の選任に関する議案)
 取締役が監査役の選任に関する議案を提出する場合には、株主総会参考書類には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
 一 候補者の氏名、生年月日及び略歴
 二 株式会社との間に特別の利害関係があるときは、その事実の概要
 三 就任の承諾を得ていないときは、その旨
 四 議案が法第三百四十三条第二項の規定による請求により提出されたものであるときは、その旨
 五 法第三百四十五条第四項において準用する同条第一項の規定による監査役の意見があるときは、その意見の内容の概要
2 前項に規定する場合において、株式会社が公開会社であるときは、株主総会参考書類には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
 一 候補者の有する当該株式会社の株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)
 二 候補者が他の法人等を代表する者であるときは、その事実(重要でないものを除く。)
 三 候補者が現に当該株式会社の監査役であるときは、当該株式会社における地位及び担当
3 第一項に規定する場合において、株式会社が公開会社であり、かつ、他の会社の子会社であるときは、株主総会参考書類には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
 一 候補者が現に当該他の会社(当該他の会社の子会社(当該株式会社を除く。)を含む。以下この項において同じ。)の業務執行者であるときは、当該他の会社における地位及び担当
 二 候補者が過去五年間に当該他の会社の業務執行者であったことを当該株式会社が知っているときは、当該他の会社における地位及び担当
4 第一項に規定する場合において、候補者が社外監査役候補者であるときは、株主総会参考書類には、次に掲げる事項(株式会社が公開会社でない場合にあっては、第三号から第七号までに掲げる事項を除く。)を記載しなければならない。
 一 当該候補者が社外監査役候補者である旨
 二 当該候補者を社外監査役候補者とした理由
 三 当該候補者が現に当該株式会社の社外監査役(社外役員に限る。以下この項において同じ。)である場合において、当該候補者が最後に選任された後在任中に当該株式会社において法令又は定款に違反する事実その他不正な業務の執行が行われた事実(重要でないものを除く。)があるときは、その事実並びに当該事実の発生の予防のために当該候補者が行った行為及び当該事実の発生後の対応として行った行為の概要
 四 当該候補者が過去五年間に他の株式会社の取締役、執行役又は監査役に就任していた場合において、その在任中に当該他の株式会社において法令又は定款に違反する事実その他不正な業務の執行が行われた事実があることを当該株式会社が知っているときは、その事実(重要でないものを除き、当該候補者が当該他の株式会社における社外取締役又は監査役であったときは、当該事実の発生の予防のために当該候補者が行った行為及び当該事実の発生後の対応として行った行為の概要を含む。)
 五 当該候補者が過去に社外取締役又は社外監査役となること以外の方法で会社(外国会社を含む。)の経営に関与していない者であるときは、当該経営に関与したことがない候補者であっても社外監査役としての職務を適切に遂行することができるものと当該株式会社が判断した理由
 六 当該候補者が次のいずれかに該当することを当該株式会社が知っているときは、その旨
  イ 当該株式会社の特定関係事業者の業務執行者であること。
  ロ 当該株式会社又は当該株式会社の特定関係事業者から多額の金銭その他の財産(これらの者の監査役としての報酬等を除く。)を受ける予定があり、又は過去二年間に受けていたこと。
  ハ 当該株式会社又は当該株式会社の特定関係事業者の業務執行者の配偶者、三親等以内の親族その他これに準ずる者であること。
  ニ 過去五年間に当該株式会社の特定関係事業者の業務執行者となったことがあること。
  ホ 過去二年間に合併等により他の株式会社の事業に関して有する権利義務を当該株式会社が承継又は譲受けをした場合において、当該合併等の直前に当該株式会社の社外監査役でなく、かつ、当該他の株式会社の業務執行者であったこと。
 七 当該候補者が現に当該株式会社の監査役であるときは、監査役に就任してからの年数
 八 当該候補者と当該株式会社との間で法第四百二十七条第一項の契約を締結しているとき又は当該契約を締結する予定があるときには、その契約の内容の概要
 九 前各号に掲げる事項に関する記載についての当該候補者の意見があるときは、その意見の内容

監査役B:細かいですね。いい加減な社外取締役や社外監査役を防ごうとなるとこのように規定しないといけないのですね。

監査役A:このような独立性の高い社外取締役や社外監査役を選ぶだけでなく、その社外取締役や社外監査役重要な情報が集まるようにしないと意味がないので、つぎのように書かれている。「社外役員は会社の内情に詳しくないため、監査役会のスタッフなどから常時、十分な情報が届くように運用することも欠かせない」。

監査役B:その様な体制を整えても堀江被告のように「自分は知らなかった」と否認し続けているもようですが、それで通るのですか?

監査役A:この件ですが、内部統制システムの構築と運用の「責任を負う代表取締役に「知らない」「聞いていない」といった弁明は許されない」のです。このことは、判例で既に明らかなのです。大和銀行や神戸製鋼所の株主代表訴訟でそうした考えを裁判官が言っていますね。

監査役B:内部統制システムの構築と運用の責任は会社法のどこでしたか?

監査役A:会社法の第三百六十二条(取締役会の権限等)の6項に
「六 取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備」とあるのがそれですよ。

監査役B:話が変わりますが「金融庁は今国会に提出する予定の金融商品取引法(投資サービス法)案」というのは何なのですか?

監査役A:例の「日本版SOX法」のことですよ。先日のあるセミナーでの情報ですが、遅れているようです。

監査役B:法案が出る前に既に「今も金融庁が任意で確認書を提出させ、東京証券取引所も宣誓書を出させている」のですが、法律で経営者責任をより明確にしようということですね。

監査役A:効果的なのは厳罰だとの考えが、次第に濃厚になってきましたね。
 米国の企業改革法では、「最高経営責任者(CEO)などに財務諸表の公正さを宣誓させており、故意に違反すれば最長で二十年の禁固刑となる。」ようです。「日本でも社外役員の監視機能を高める」だけでなく、「経営者の不正に対する抑止力を強めることが欠かせない。」と社説も言っていますね。

監査役B:監査役も内部統制システムの構築が大会社に義務づけられることから、内部統制システムについてが監査役監査の対象になりますので大変ですね。

監査役A:それ以前に内部統制システムの構築を見守っていかないといけませんし・・。しかし、今日のような社説が出ると「コーポレート・ガバナンス」「内部統制」「会社法」「会社法施行規則」などの新しい動きの追い風となりますので、今日のようなタイトルのしたのですよ。

監査役B:活用します。■

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