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2006.04.16

NO.134 利益供与

 
監査役B:かなりご無沙汰ですね。また、海外監査でしたか?

監査役A:以前から地球の裏側で案件がありましてね。一度は行ってこないといけなかったのですが・・・、遠いので億劫でね。

監査役B:監査役さんですから良いシートでしょうが、所要時間は変わりませんからね。

監査役A:セキュリティーも厳しく、シカゴではトランジットだけなのに、両手の人差し指の指紋をとられ、顔も撮影されましたよ。それも行き帰り共に。

監査役B:靴も脱がされましたでしょう。あれは少し屈辱的ですね。

監査役A:帰りの機内で朝日新聞の社説を見たのですが、

監査役B:蛇の目ミシンの利益供与訴訟についての最高裁判決ですね。

監査役A:株主だった人物に「ヒットマンが来ている」などと脅されるまま金を渡したり、迂回融資の形で300億円を用立てたばかりか、借金の肩代わりまでしていたようだね。

監査役B:それについて、一、二審の判決は「恐喝の被害者」と認め、「やむを得なかつた」として元社長らの責任を問わなかったのですが、最高裁は「株主から不当な要求をされたら、警察に届ければよかつた」として、経営者に落ち度があつたと断定した。

監査役A:最高裁としては、どんな事情であれ、闇の勢力に金を流すようなことは許さないという姿勢なんだね。

監査役B:もう一つ、注目すべき点があるのです。会社にとつて好ましくない株主を排除しようとする場合、その株主に直接働きかけるのではなく、第三者に対価を支払って、株を引き受けてもらうことなどは、「株主の権利行使に関する利益供与」にあたるかどうか、明確でなかったが、今回、利益供与に当たるという判断を示したことです。

監査役A:今まで利益供与といえば、総会屋などにお金を渡すことに限っていたが、その範囲が広がったのだ。

監査役B:それと警察に届けることについて判決は「不当な要求がされた場合は法令に従った対応をすべき義務があるのに、警察に届け出るなどの対応をしなかった」と判断。「被害者」としての立場を重視した1、2審とは対照的に、義務違反を認めています。

監査役A:やはり、警察に届けるべきですね。

監査役B:会社法では、監査役の監査に利益供与が触れられないが、重要であると言うことには変わりがないので、引き続き重点を置いていかねばなりませんね。

監査役A:そうですね。この記事を機内で見て、時差ボケが吹っ飛びましたよ。■

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