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2006.05.11

NO.142 中央青山監査法人(1)


新任監査役:中央青山監査法人のことで連日新聞紙上は大にぎわいですね。

先輩監査役:そうだね。しかし、監査役は新聞記者の書いた記事だけで終わっていたのではいけないよ。

新任監査役:と言いますと?

先輩監査役:監査役は事実を確認する姿勢が必要なんだよ。何事にもね。今回の件では、金融庁の公式発表も確認することだ。内容的には新聞記事の方が解説もあり、分かりやすいという側面もあるが。

新任監査役:早速、見てみます。

先輩監査役:本当はカネボウだけでなく、平成17年1月25日の足利銀行の内容も見た方が中央青山監査法人のことがよく解るよ。監査でも言えることだが、一つだけの情報で判断せずに、もう一つ類似の情報を見てみると物事が立体的に見えてくるのだよ。■

-参考情報-

                                             平成18年5月10日
                                                    金融庁

                監査法人及び公認会計士の懲戒処分について

カネボウ株式会社(以下「カネボウ」とする。)が作成した財務書類について、監査証明を行った中央青山監査法人及び同監査法人の関与社員に対し、本日、下記の処分を行った。なお、今後の手続の進行等に伴い、その他の関係者について、追加的な処分を行うことがある。

また、本処分に関する開示企業等からの照会等に対応するため、本日、各財務(支)局等に相談窓口を設置する(窓口の連絡先については別添)とともに、日本公認会計士協会に対しても相談窓口の設置を要請した。

                               記

1.監査法人
(1)処分対象
中央青山監査法人
(所在地:東京都千代田区霞ヶ関3-2-5 霞ヶ関ビル)

(2)処分内容
業務の一部停止2ヶ月(平成18年7月1日から平成18年8月31日まで)

[停止する業務]
証券取引法監査及び会社法(商法特例法)監査(法令に基づき、会社法(商法特例法)に準じて実施される監査を含む。)。ただし、一定の監査  業務を除外するものとする(詳細は別紙1)。
(3)処分理由
カネボウの平成11年3月期、平成12年3月期、平成13年3月期、平成14年3月期及び平成15年3月期の各有価証券報告書の財務書類にそれぞれ虚偽の記載があったにもかかわらず、同監査法人の関与社員は故意に虚偽のないものとして証明した。

なお、同監査法人に対する調査を通じて、別紙2のとおり、審査・教育体制及び業務管理体制を含む監査法人の運営に不備が認められたことから、同監査法人に対しては、責任の所在の明確化を含めた現状認識及び対応策について、公認会計士法第49条の3第1項に規定する報告徴求を併せて行っている。

2.関与社員であった公認会計士
(1)処分対象
公認会計士 徳見 清一郎 (登録番号:5116号 住所:神奈川県横浜市)
公認会計士 神田 和俊 (登録番号:5636号 住所:東京都江東区)
公認会計士 宮村 和哉 (登録番号:9798号 住所:埼玉県吉川市)

(2)処分内容
公認会計士 徳見清一郎について   登録抹消
公認会計士 神田和俊について    登録抹消
公認会計士 宮村和哉について    業務停止1年 (平成18年5月15日から平成19年5月14日まで)
(3)処分理由
カネボウの平成11年3月期、平成12年3月期、平成13年3月期、平成14年3月期及び平成15年3月期の各有価証券報告書の財務書類にそれぞれ虚偽の記載があったにもかかわらず、故意に虚偽のないものとして証明した(徳見公認会計士については、平成11年3月期、平成12年3月期、平成13年3月期及び平成14年3月期、宮村公認会計士については、平成15年3月期)。

                                             以上

お問い合わせ先
金融庁 Tel:03-3506-6000(代表)
総務企画局企業開示課
(内線3679、3666、3662)

―――(別紙1)処分範囲 ―――

証券取引法に基づく監査業務(企業内容等の開示に関する内閣府令の規定が適用される有価証券報告書等に記載される財務諸表についての監査業務に限る)並びに会社法に基づく監査業務(旧商法特例法に基づく監査業務を含む)及びこれに準ずるものとして以下に掲げる法律に基づく監査業務の7月1日より8月31日までの停止
・保険業法
・信用金庫法
・協同組合による金融事業に関する法律
・労働金庫法
・農林中央金庫法
ただし、以下に掲げる者に対する、それぞれに指定する期間に係る監査業務についてはこの限りではない。
・4月決算会社のうち、7月末日までに証券取引法に基づき有価証券報告書を提出しなければならない会社7月
・5月決算会社のうち、8月末日までに証券取引法に基づく有価証券報告書を提出しなければならない会社全期間
・上記以外の5月決算会社7月
・6月決算会社8月
・10月決算会社のうち、7月末日までに証券取引法に基づき半期報告書を提出しなければならない会社7月
・11月決算会社のうち、8月末日までに証券取引法に基づき半期報告書を提出しなければならない会社8月
また、証券取引法に基づき有価証券届出書を提出する際に、直前決算期の財務諸表が既に適切に監査されている場合、有価証券届出書に記載される財務諸表について監査業務を提供することは差し支えないものとする。

―――(別紙2)審査・教育体制及び業務管理体制を含む監査法人の運営の不備

中央青山監査法人については、審査・教育体制及び業務管理体制を含む監査法人の運営に関し、主として以下のような不備が認められた。
① 審査体制が、レビュー・パートナーによるレビューに過度に依存し、審議会による審議やインターナル・レビュー、モニタリング等が有効に機能していなかった。

② 監査法人として、レビュー・パートナーが判断の拠り所とする基準・マニュアル等が適切に整備されておらず、レビュー・パートナーによるレビュー業務が有効に機能していなかった。

③ 投書への対応について、十分な仕組みが用意されていなかった。

―――(別添)財務(支)局等における相談窓口の連絡先
関東財務局統括証券監査官(管轄区域:東京都を除く関東財務局管内)
郵便番号:330-9716
 (他は略)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


                                           平成17年1月25日
                                                 金 融 庁
 

                     監査法人の処分等について
 
1 .株式会社あしぎんフィナンシャルグル-プ及び株式会社足利銀行に係る監査証明(平成15年3月期決算及び平成15年9月中間決算)に関し、公認会計士法に基づく調査を行った結果、当該監査証明を行った中央青山監査法人について、①地方事務所に対する審査体制及び指導・教育体制の不備、②監査調書作成等に係る業務管理体制の不備が認められた。

2.このことは、公認会計士法に規定する「監査法人の運営が著しく不当と認められるとき」に該当すると認められ、本日、中央青山監査法人に対し、戒告処分を行った。

3.なお、中央青山監査法人に対しては、公認会計士法第49条の3第1項の規定に基づき、審査・教育体制及び業務管理体制を含む監査法人の運営について、対応策等に係る報告を求めることとする。

連絡・問い合わせ先
金融庁総務企画局企業開示参事官室 野村・大沢
電話3506-6000(内線3654、3670)
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(参考)

(1) 地方事務所に対する審査体制及び指導・教育体制の不備
 平成15年3月期決算について、①貸倒引当・償却の妥当性の検証が、監査リスクの高いものとして監査計画上、重点項目とされていた、また、②監査法人が監査を行っている全国の地銀、第二地銀等の監査や金融検査の状況が監査法人本部において集約可能であった等にもかかわらず、監査意見表明に当たっての審査は地区審議会で終了し、本部審議会に付議されていない。また、審査の過程でどのような判断の下にそのような処理が行われたかを示す十分な記録が残されていない。
 監査法人本部は、監査法人が監査を行っている全国の地銀・第二地銀の監査や金融検査の状況等を知り得る立場にあり、監査法人本部において事案を的確に管理し、集約した情報を関連した地方事務所に伝達し、適切な指示を行うなり本部審議会で検討していれば、平成15年3月期における貸倒引当・償却に係るいくつかの監査上の問題点につき、より深度ある監査を行うことが可能であったものと認められる。
 以上のことは、監査基準で定められている「監査の質の管理」に抵触するものと認められる。

(2) 監査調書作成等に係る業務管理体制の不備
 平成15年3月期及び平成15年9月中間決算について、監査証明業務を執行した関与公認会計士が作成した監査調書には、監査の内容、判断の過程や結果が十分に記載されていないなどの不備が認められる。このことは、監査基準で定められている「監査調書の記録保存」に抵触すると認められ、監査法人はそうした状態を看過していたものであり、監査法人の業務管理体制には不備があるものと認められる。■

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