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2006.06.02

NO.146 株主総会(3)

監査役B:株主総会直前で忙しくなりましたね。

監査役A:会社法になったので、その対応チェックも大変です。

監査役B:そのことで今日から日経の連載が始まりましたね。
なぜ、会計士の賠償責任額に上限を設けるのか、が分かりませんね。

監査役A:元々、会社法423条に(役員等の株式会社に対する損害賠償責任)
の定めがあり、そこには、次のように責任を問うことになっています。
「取締役、会計参与、監査役、執行役又は会計監査人(以下この節において「役員等」という。)は、その任務を怠ったときは、株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。」
 もしも、この責任を免除しようとするときは、株主全員が賛成しないとできないのです。
(株式会社に対する損害賠償責任の免除)
第四百二十四条 前条第一項の責任は、総株主の同意がなければ、免除することができない。

監査役B:それは厳しいですね。社外取締役など二の足を踏みますね。

監査役A:そこで責任を限定するという契約を会社と社外取締役や社外監査役が結ぶことができるというルールが427条にあります。

監査役B:会計監査人の責任免除もここにあるのですね。

監査役A:しかし、カネボウの粉飾に会計士が加担した中央青山監査法人の件で流れが変わってきたようですね。

監査役B:確かに問題ですが、会社としては粉飾に力を貸してもらったのだから・・・。

監査役A:株主が黙っていないのですよ。

監査役B:株主って?

監査役A:機関投資家です。記事にあったように、英大手機関投資家ハーミーズ・ペンションズ・マネジメントとか、企業年金連合会が、議決権行使書でその様な定款変更には「NO」と言うのですよ

監査役B:なぜ、機関投資家はその様な行動に出るのですか?

監査役A:今年の2月に企業年金連合会の矢野理事長の連載がありましたが、そこで次のように言っていました。
 「株式市場の一二%は公的年金や企業年金のお金です。国民すべてが年金を通して実質的な株主となっている状態ともいえます。国民の老後は企業や株式市場の発展にかかっています。
 日本企業はこれまで取引先や従業員など身内ばかり見て、株主を重視してきませんでした。日本企業は何を目指そうとしているのかわからないことが多いのです。これでは企業の持続的成長や株価の上昇が望めず、年金の安定も期待できません。外部からのチェックや経営評価といったコーポレートガバナンス活動は不可欠だと考えます。」

監査役A:もちろん、60社以上が「株主代表訴訟での会計士の賠償責任額に上限を設けるようになった。」ようですが、「セイコーエプソンなど10社以上が公表した定款変更案を撤回する異例の事態」もあるようですね。

監査役B:その他に中央青山との契約解除が出ていますね。

監査役A:今回の株主総会に間に合わないという企業もあるので、増えることは確かですね。

監査役B:監査役としても関係することが多そうですね。

監査役A: そうですね。会社法344条にある(会計監査人の選任に関する監査役の同意等)399条の(会計監査人の報酬等の決定に関する監査役の関与)
425条の(責任の一部免除)などがありますからね。

監査役B:今までは、執行側の言うとおりに了解してきましたが・・・。

監査役A:それでは今後はいかないでしょう。株主総会で監査役への質問も増えているようですし。監査役会としてしっかりとした同意方針を持っていないとね。■

<参考条文>
第四百二十七条 第四百二十四条の規定にかかわらず、株式会社は、社外取締役、会計参与、社外監査役又は会計監査人(以下この条において「社外取締役等」という。)の第四百二十三条第一項の責任について、当該社外取締役等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときは、定款で定めた額の範囲内であらかじめ株式会社が定めた額と最低責任限度額とのいずれか高い額を限度とする旨の契約を社外取締役等と締結することができる旨を定款で定めることができる。
2 前項の契約を締結した社外取締役等が当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役若しくは執行役又は支配人その他の使用人に就任したときは、当該契約は、将来に向かってその効力を失う。
3 第四百二十五条第三項の規定は、定款を変更して第一項の規定による定款の定め(社外取締役(監査委員であるものを除く。)と契約を締結することができる旨の定めに限る。)を設ける議案を株主総会に提出する場合について準用する。
4 第一項の契約を締結した株式会社が、当該契約の相手方である社外取締役等が任務を怠ったことにより損害を受けたことを知ったときは、その後最初に招集される株主総会において次に掲げる事項を開示しなければならない。
一 第四百二十五条第二項第一号及び第二号に掲げる事項
二 当該契約の内容及び当該契約を締結した理由
三 第四百二十三条第一項の損害のうち、当該社外取締役等が賠償する責任を負わないとされた額
5 第四百二十五条第四項及び第五項の規定は、社外取締役等が第一項の契約によって同項に規定する限度を超える部分について損害を賠償する責任を負わないとされた場合について準用する。

第三百四十四条(会計監査人の選任に関する監査役の同意等)
 監査役設置会社においては、取締役は、次に掲げる行為をするには、監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、その過半数)の同意を得なければならない。
一 会計監査人の選任に関する議案を株主総会に提出すること。
二 会計監査人の解任を株主総会の目的とすること。
三 会計監査人を再任しないことを株主総会の目的とすること。
2 監査役は、取締役に対し、次に掲げる行為をすることを請求することができる。
一 会計監査人の選任に関する議案を株主総会に提出すること。
二 会計監査人の選任又は解任を株主総会の目的とすること。
三 会計監査人を再任しないことを株主総会の目的とすること。
3 監査役会設置会社における前二項の規定の適用については、第一項中「監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、その過半数)」とあり、及び前項中「監査役」とあるのは、「監査役会」とする。

第三百九十九条 (会計監査人の報酬等の決定に関する監査役の関与)
取締役は、会計監査人又は一時会計監査人の職務を行うべき者の報酬等を定める場合には、監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、その過半数)の同意を得なければならない。
2 監査役会設置会社における前項の規定の適用については、同項中「監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、その過半数)」とあるのは、「監査役会」とする。
3 委員会設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、その過半数)」とあるのは、「監査委員会」とする。

第四百二十五条 (責任の一部免除)
前条の規定にかかわらず、第四百二十三条第一項の責任は、当該役員等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときは、賠償の責任を負う額から次に掲げる額の合計額(第四百二十七条第一項において「最低責任限度額」という。)を控除して得た額を限度として、株主総会の決議によって免除することができる。
一 当該役員等がその在職中に株式会社から職務執行の対価として受け、又は受けるべき財産上の利益の一年間当たりの額に相当する額として法務省令で定める方法により算定される額に、次のイからハまでに掲げる役員等の区分に応じ、当該イからハまでに定める数を乗じて得た額
イ 代表取締役又は代表執行役 六
ロ 代表取締役以外の取締役(社外取締役を除く。)又は代表執行役以外の執行役 四
ハ 社外取締役、会計参与、監査役又は会計監査人 二
二 当該役員等が当該株式会社の新株予約権を引き受けた場合(第二百三十八条第三項各号に掲げる場合に限る。)における当該新株予約権に関する財産上の利益に相当する額として法務省令で定める方法により算定される額
2 前項の場合には、取締役は、同項の株主総会において次に掲げる事項を開示しなければならない。
一 責任の原因となった事実及び賠償の責任を負う額
二 前項の規定により免除することができる額の限度及びその算定の根拠
三 責任を免除すべき理由及び免除額
3 監査役設置会社又は委員会設置会社においては、取締役は、第四百二十三条第一項の責任の免除(取締役(監査委員であるものを除く。)及び執行役の責任の免除に限る。)に関する議案を株主総会に提出するには、次の各号に掲げる株式会社の区分に応じ、当該各号に定める者の同意を得なければならない。
一 監査役設置会社 監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、各監査役)
二 委員会設置会社 各監査委員
4 第一項の決議があった場合において、株式会社が当該決議後に同項の役員等に対し退職慰労金その他の法務省令で定める財産上の利益を与えるときは、株主総会の承認を受けなければならない。当該役員等が同項第二号の新株予約権を当該決議後に行使し、又は譲渡するときも同様とする。
5 第一項の決議があった場合において、当該役員等が前項の新株予約権を表示する新株予約権証券を所持するときは、当該役員等は、遅滞なく、当該新株予約権証券を株式会社に対し預託しなければならない。この場合において、当該役員等は、同項の譲渡について同項の承認を受けた後でなければ、当該新株予約権証券の返還を求めることができない。

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