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2006.06.03

NO.147 株主総会(4)


監査役A:昨日の東証は大変な乱高下でしたね。

監査役B:デイトレをしている人は儲けるチャンスでしたでしょうね。私は無縁ですが。

監査役A:世の中全体のスピードが速くなってきたのでしょうか。今日の日経の「06株主総会の焦点会社法が変える」は「四半期配当」を採り上げていますが、株主も半年では物足りない?

監査役B:ほんの10数年前でしょうか、アメリカの経営は、四半期配当を気にした短期志向が問題だとよく言われたものでしたね。

監査役A:「短期間に配当を受け取りたい」という個人投資家らのニーズに応えること、それと株主重視の経営姿勢を明らかにしたい。それによって、安定株主につなげたいということが強くなってきたのでしょう。

監査役B:機関投資家は、当然、企業の利益配分について厳しく見てきますので、上場企業は株主を意識した利益還元がこれまで以上に求められそうですね。

監査役A:そのようなことで利益配当の決定が株主の手から取締役会に移された。

監査役B:良いんでしょうかね。取締役会に移して・・。自分たちに都合の良いことをしないか少し心配ですね。

監査役A:それで今日のタイトルも「―取締役会権限強化を警戒-」となっているのですね。配当など剰余金処分の権限を株主総会から取締役会に移すとき、定款変更が必要なので株主総会で決議をしてもらうのですが、その後、問題のある配当をしたときにどうするか、ということですね。

監査役B:そのチェック、牽制のために取締役の任期を一年に短縮することが条件にしてあるのですね。前年に問題があれば、次の株主総会で取締役を選任しないと言うことですね。委員会設置会社では先に実施されていますね。

監査役A:そうなんですが、それ以前に取締役会の決議そのものが株主を考えた意思決定をすべきでしょう。それを米議決権行使助言会社は問題視しているようですね。

監査役B:その「議決権行使助言会社」って何なのですか?

監査役A:詳しくは知りませんが、世界には多くの機関投資家や金融機関が株式を保有していますね。期末になると一斉に議決権行使書を送ってきます。しかし、個々の企業が求める賛否に付いての判断ができない。その判断の情報提供する会社です。

監査役B:そのインスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)が「(日本は独立性の高い社外取締役が少ないため)配当などを取締役会で決めるという提案は、米年金基金などの理解を得るのは難しそう」と言っているのですね。

監査役A:日本の多くの取締役会は、社長と社長の部下のようなイエスマンが審議決定することで、株主重視の決定がなされるかが疑問だと言うのでしょう。ISSは、監査役の存在を知らないようですね。

監査役B:監査役は取締役会に出席し、必要なときには発言しなければならない義務がありますからね。

監査役A:発言するためには、剰余金処分の議案が出てきたときに、判断出来るよう勉強しておかないといけません。

監査役B:また、勉強が増えますね。ところで、本田技研工業は、定款変更をして四半期配当をするようですね。

監査役A:たまたま手元にホンダの招集通知がありますが、それによれば、次のように変更案が書かれています。

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        第6章 計 算
 (事業年度)
 第34条  当会社の事業年度は、毎年4月1日から翌年3月31日までとする。

(剰余金の配当等の決定機関)
 第35条  当会社は、取締役会の決議によって、会社法第459条第1項各号に掲げる事項を定めることができる。

(剰余金の配当の基準日)
第36条  当会社の期末配当の基準日は、毎年3月31日とする。
 当会社の中間配当の基準日は、毎年9日30日とする。
 前二項のほか、基準日を定めて剰余金の配当をすることができる。
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<参考条文>

会社法 第459条 (剰余金の配当等を取締役会が決定する旨の定款の定め)

会計監査人設置会社(取締役の任期の末日が選任後一年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の日後の日であるもの及び監査役設置会社であって監査役会設置会社でないものを除く。)は、次に掲げる事項を取締役会(第二号に掲げる事項については第四百三十六条第三項の取締役会に限る。)が定めることができる旨を定款で定めることができる。

一 第百六十条第一項の規定による決定をする場合以外の場合における第百五十六条第一項各号に掲げる事項
二 第四百四十九条第一項第二号に該当する場合における第四百四十八条第一項第一号及び第三号に掲げる事項
三 第四百五十二条後段の事項
四 第四百五十四条第一項各号及び同条第四項各号に掲げる事項。ただし、配当財産が金銭以外の財産であり、かつ、株主に対して金銭分配請求権を与えないこととする場合を除く。

2 前項の規定による定款の定めは、最終事業年度に係る計算書類が法令及び定款に従い株式会社の財産及び損益の状況を正しく表示しているものとして法務省令で定める要件に該当する場合に限り、その効力を有する。

3 第一項の規定による定款の定めがある場合における第四百四十九条第一項第一号の規定の適用については、同号中「定時株主総会」とあるのは、「定時株主総会又は第四百三十六条第三項の取締役会」とする。■

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