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2006.06.18

NO.154 株主総会の開催地


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新任監査役:お久しぶりです。15日の「06株主総会の焦点会社法が変える(7)総会の開催地―自由化で参加しやすく。」についてお教え下さい。

先輩監査役:まず、商法に次のような条文があったのです。
「第233条  総会ハ定款ニ別段ノ定アル場合ヲ除クノ外本店ノ所在地又ハ之ニ隣接スル地ニ之ヲ招集スルコトヲ要ス 」

新任監査役:ということは、「株主総会を開催するところは、定款に特別な定めがなければ、本店の所在地か本店に隣接する地域で開かなければならない。」ということですね。

先輩監査役:「隣接スル地」の意味は、最小独立行政区画のことで、具体的には市、町、村、東京都では区です。

新任監査役:例えば、ヤフーの本社は港区ですが、港区の隣接自治体は千代田区、中央区、新宿区、品川区、渋谷区、江東区ですから、昨年の赤坂プリンスホテル(千代田区)でも、今年の予定会場の東京国際フォーラム(千代田区)でも商法上でも問題はないのですね。会社法ではどの様に決められたのですか?

先輩監査役:商法の第233条に対応する条文はなくなったのです。しかし、会社法施行規則第63条に次のような定めがあります。
「二 法第二百九十八条第一項第一号に規定する株主総会の場所が過去に開催した株主総会のいずれの場所とも著しく離れた場所であるとき(次に掲げる場合を除く。)は、その場所を決定した理由
イ 当該場所が定款で定められたものである場合
ロ 当該場所で開催することについて株主総会に出席しない株主全員の同意がある場合」

新任監査役:そこに「著しく離れた場所」という文言がありますが、何か違和感がありますね。

先輩監査役:実は、会社法案が参議院で審議されたとき次のような附帯決議が平成17年6月29日についたのです。
「政府は、本法の施行に当たり、次の事項について格段の配慮をすべきである。
1.略
2.株主総会の招集地に関する規定の変更については、株主総会が株主の権利行使の重要な一局面であることにかんがみ、その招集に当たって、株主の利便性を損なう恣意的な招集地の決定がされることがないよう、株主総会の招集通知の記載事項の在り方等について適切な措置を講ずること。」
 これを踏まえたものになったのでしょう。

新任監査役:分かりました。それで記事にあるように「ユシロ化学工業も今年から所在地の東京都大田区での開催をやめ、交通の便の良い同港区に開催地を移した。」のですね。

先輩監査役:一方、意図的に「株主の集まりにくい地域での開催」は「総会決議が無効になる可能性がある」ということで、ブルドックソースは「開催地を本社所在地とその隣接地、鳩ケ谷工場に限定」する定款変更案を出して、その危険性を減らそうという会社もあります。今後、個人株主の増加に対応した会場での開催や新しい本社ビルへの移転後も本店だけを残すというおかしなこともなくなりますね。■

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