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2007.03.15

NO.197 「公認会計士法」の改正


先輩監査役:昨日、新聞に報道されていたが、公認会計士法等の一部を改正する法律案が閣議決定していましたね。

新任監査役:読みました。

先輩監査役:監査役は、今後、会計監査人との関係が深くなるので、あの記事だけでなく、法案そのものにも目を通しておくべきでしょうね。

新任監査役:そうですね。私も次のところから見てきました。
http://www.fsa.go.jp/common/diet/index.html
先日、実は会計士の先生と支店の監査に同行したのですが、「公認会計士法」を知らずに恥をかきました。

先輩監査役:この改正で会計士の監査が厳しくなってくるでしょう。

新任監査役:監査時間も増えて、監査報酬も増額になるでしょうね。

先輩監査役:内部統制の指導もありますので、監査報酬の額は、かなり覚悟がいるでしょう。
実は、それだけでなく、次は、いよいよ監査役に矛先を向けられると予感しますね。

新任監査役:確かに、企業不祥事があっても監査役が問われることがありませんが、不思議に思っているのです。

先輩監査役:監査役の権限も強化され、すべきことも細かく定められたのですから、その責任を司法から問われるのは時間の問題でしょう。

新任監査役:そう言えば、先日のセミナーで、「企業不祥事があると監査役にヒアリングに行くべしと新聞記者に言っている」と言っていた大学教授もおられました。徐々に監査役にも迫ってきますね。とりあえずは、6月の株主総会準備に掛からないといけません。ありがとうございました。■

<参考情報> 公認会計士法等の一部を改正する法律案の概要
背景
企業活動の多様化、複雑化、国際化
監査業務の複雑化、高度化組織的監査の重要性の高まり
公認会計士監査をめぐる不適正な事例等

Ⅰ.監査法人の品質管理・ガバナンス・ディスクロージャーの強化
1.業務管理体制の整備
・監査法人において、
- 業務の執行の適正確保
- 業務の品質管理の方針の策定及びその実施
のための業務管理体制を整備

2.監査法人の社員資格の非公認会計士への拡大
・監査法人の社員資格の非公認会計士(「特定社員」)への拡大
・特定社員の日本公認会計士協会への登録
・社員及び業務運営に関する意思決定機関の参加者に占める特定社員の割合について、
一定の上限を設定

3.監査法人による情報開示の義務づけ
・業務及び財産の状況に関する説明書類の公衆縦覧

Ⅱ.監査人の独立性と地位の強化
1.監査人の独立性に関する規定の整備
・公認会計士や監査法人は「独立した立場において業務を行わなければならない」旨
職責規定において明確化
2.就職制限の範囲を被監査会社の親会社や連結子会社等へ拡大
・監査証明業務に関与した監査法人の社員が、退職後、被監査会社のみならずその親
会社又は連結子会社等の役員等に就任することを禁止
3.いわゆるローテーション・ルールの整備
・大規模監査法人において上場会社の監査を担当する主任会計士のローテーション・
ルール(継続監査期間5年、インターバル期間5年)を法定化
(現行法では、継続監査期間7年、インターバル期間2年の一般ルール)
・新規公開企業に係る公開後の最初の継続監査期間を短縮

4.不正・違法行為発見時の対応
・監査人が財務書類に重要な影響を及ぼす不正・違法行為を発見した場合であって、
監査役等に通知するなど、被監査会社の自主的な是正措置を促す手続きを踏んだ上で
もなお適切な措置がとられないと認めるときは、監査人は当局へ申出

Ⅲ.監査法人等に対する監督・責任のあり方の見直し
1.行政処分の多様化(現行法では、戒告、業務停止、解散命令のみ)
・監査法人に対する行政処分の類型として次のものを追加
- 業務管理体制の改善命令
- 違反行為に重大な責任を有すると認められる社員について、一定期間、当該監査
法人の業務及び意思決定の全部又は一部に関与することの禁止(注)命令
(注)例えば、品質管理の方針を策定する者やその実施者について、一定期間、そ
の職務に従事することの禁止
・個人の公認会計士が著しく不当と認められる業務の運営を行った場合を、当局によ
る必要な指示や処分の対象に追加

2.課徴金納付命令の創設
・公認会計士・監査法人に対し、違反行為を適切に抑止する観点から利得相当額を基
準とする課徴金を賦課(一定の戒告・業務停止、解散命令等を行う場合であって、課
徴金の賦課が適当でないと認められるときは、命じないことができる)
- 故意の場合:認定した虚偽証明期間に係る監査報酬額の1.5倍
- 相当の注意を怠った場合:認定した虚偽証明期間に係る監査報酬額の1倍
・除斥期間は7年

3.有限責任組織形態の監査法人制度の創設
・有限責任組織形態の監査法人については、内閣総理大臣への登録を求め、次の要件
を整備
- 最低資本金
- 供託金(損害賠償責任保険によりその全部又は一部を代替可能)
- 計算書類の開示(一定規模の監査法人については監査報告書を添付)
・虚偽証明事案に係る業務執行社員については無限連帯責任

4.報告徴収・立入検査の権限の公認会計士・監査審査会への委任の範囲
・監査法人等に対する報告徴収・立入検査の権限を金融庁長官から公認会計士・監査
審査会へ委任する範囲の見直し(日本公認会計士協会の品質管理レビューに関して行
われるものその他業務の運営の状況に関するもの)

5.外国監査法人等の届出制度等の整備
・外国会社等から提出される有価証券報告書等に係る監査証明業務を行う外国監査事
務所(「外国監査法人等」)の内閣総理大臣への届出
・ 外国監査法人等に対する当局の権限(必要な指示、報告徴収、立入検査)を整備

Ⅳ.その他
○ 社員の競業等の禁止
・監査法人における社員の競業禁止規制について、非監査証明業務に関しては、他の
社員全員の同意を要件に解除を容認
・監査法人の社員が大会社等から非監査証明業務により継続的な報酬を得ている場合、
監査法人が当該大会社等に対して監査証明業務を提供することを禁止

Ⅴ.施行期日
・公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行
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- 監査役は監査を通じて、会社と社会に貢献できる -

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