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2007.06.06

NO.214 新時代の企業統治(3)(4)


先輩監査役:今日は、新時代の企業統治の(3)と(4)とを一緒に読みましょう。
アメリカで企業統治が最初に深刻な問題になったのは、巨大企業が誕生した1930年代だった。そのことを法学者のバーリと経済学者のミーンズも「巨大企業では株主が支配権を行使できない事態が発生している」と言っていたが、 その意味は次のとおりです。
巨大企業のため多くの株主ができると株主が経営を行うのではなく、経営の専門知識を持った人に経営を任せることになった。そのうえ、多くの株主の出現は、株式が分散されるので、経営者を解任できるだけの議決権を持てず、議決権を集めることも難しくなった。そのことから経営者は株主の代わり企業の実質的な支配者になったのだね。

新任監査役:経営者が大株主でもないのに威張っているのは、そういうことでしたか。このことを所有と支配の分離と呼んでいるのですね。

先輩監査役:所有と支配の分離について二人の学者は、私的利益に支配されない社会的制度になったと評価していたようです。しかし、証券市場で企業が買収されるようになったり、株主の意に反して経営する経営者を買収を通じて解雇する手段が用いられたりした。

新任監査役:80年代以降の乗っ取り屋による株の買い占めで、会社の支配権を奪う強引な手法に経営者たちは震え上がったようですね。経営者は、乗っ取りを防ぎ、自分の地位を守るためには、株価を上げるしかない、と考えて数々のカラクリが編み出した。その結果、企業の成長よりも株価を優先し、目先の利益ばかりを追い求める経営が横行した。

先輩監査役:それが乗じて、エンロンなど一部の企業には、健全性に疑問のあるものが出てきた。そして、新たなコーポレート・ガバナンス議論が出てきた。

新任監査役:つぎは日本のコーポレート・ガバナンスの歴史ですね。

先輩監査役:日本の最初の近代的株式会社は、国立第一銀行。それに続き明治中期には多数の株式会社が設立された。その頃の会社は株主のためのもので、株主が会社を支配していた。ところが昭和の軍国主義体制が台頭し「所有と経営の分離」をスローガンに掲げ、株主の影響力を弱めようとした。

新任監査役:その後、日本の会社制度に壊滅的な影響を与えたのが、米国占領軍の「財閥解体」。強制的に分割された旧財閥系企業は所有者不在の企業になってしまった。その後、企業は資本の自由化に伴う外資による乗っ取りを防ぐ名目で株式の持ち合いが進行した。

先輩監査役:持ち合いは、旧財閥系企業だけでなく、公開企業が銀行を中心に持ち合いを進めた。持ち合いによって、経営は株主からの影響が減ったが、一方、株主からのチェックがなくなったことから経営者の規律付けも弱くなった。

新任監査役:そのような状況から、また、大きく変わったのが、バブルとその崩壊ですね。

先輩監査役:バブルで多くの不良債権を抱えた銀行は、持ち合いで持っていた大量の株式を不良債権償却の原資をつくるために売却せざるを得なくなった。
そのために、自ずと持ち合い解消が進み、銀行から放出された株は、海外株主や機関投資家、フアンドに移行した。

新任監査役:その続きは、後日でしょうね。■
 
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