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2007.06.16

NO.219 新時代の企業統治(10)

新任監査役:なぜ、6月に株主総会が多いのかが分かりました。お役所の年度と同じ3月末を決算日にしている会社が多く、決算後3カ月以内に株主総会を開かねばならないのですね。

先輩監査役:上場企業が3月決算としている理由は、お役所の年度と同じ3月末にするだけでもないようですよ。6月下旬のいわゆる株主総会の集中日以外だと面倒な株主が来るので、それを嫌って、3月決算に変えた企業もあったからね。

新任監査役:しかし、特定の日に集中することを避ける法令ができたのでしたね。

先輩監査役:それは会社法施行規則 第63条にあります。
 法第二百九十八条第一項第五号に規定する法務省令で定める事項は、次に掲げる事項とする。
一 法第二百九十八条第一項第一号に規定する株主総会が定時株主総会である場合において、同号の日が次に掲げる要件のいずれかに該当するときは、その日時を決定した理由(ロに該当する場合にあっては、その日時を決定したことにつき特に理由がある場合における当該理由に限る。)
イ 当該日が前事業年度に係る定時株主総会の日に応当する日と著しく離れた日であること。
ロ 株式会社が公開会社である場合において、当該日と同一の日において定時株主総会を開催する他の株式会社(公開会社に限る。)が著しく多いこと。
二 法第二百九十八条第一項第一号に規定する株主総会の場所が過去に開催した株主総会のいずれの場所とも著しく離れた場所であるとき(次に掲げる場合を除く。)は、その場所を決定した理由
イ 当該場所が定款で定められたものである場合
ロ 当該場所で開催することについて株主総会に出席しない株主全員の同意がある場合

先輩監査役:ある特定の日に株主総会が集中すれば、株主は複数の3月決算の会社の株主総会に出席できないことから、上記のようなルールができたのだが、機能しているか疑問ですがね。海外の機関投資家からは、一時期に議決権行使を判断しなくては行けないので困ると苦情が出ている。それで、株主総会の招集通知は、会社法では、2週間前に発送すれば良いのだが、外人の株主が多い会社の場合は、それより早く発送する企業が出てきています。

新任監査役:株主総会は株式会社の最高意思決定機関で、記事によれば、次のような決定が、株主総会でないと決定できないのですね。
取締役会設置会社の場合の株主総会の意思決定の権限としては
①取締役・監査役などの機関の選任.解任に関する事項
②会社の基礎的変更に関する事項(定款変更、合併・会社分割解散等)
③株主の重要な利益に関する事項(剰余金配当、株式併合等)
④取締役にゆだねたのでは株主の利益が害されるおそれが高いと考えられる事項(取締役の報酬の決定等)
しかし、配当を取締役会で決定して、株主総会より先に送ってくる会社もありますが・・・?

先輩監査役:剰余金配当は原則、株主総会決議です。しかし、例外として会社法459条にあるように取締役会でも決議できる。

新任監査役:中には、株主を無視したような配当を決定することも出てきますね。

先輩監査役:それで取締役の任期を一年にすることを条件にして、次回は選任しない、ということができるようにしている。

新任監査役:しかし、現実では、重要な意思決定機関なのに、審議もされずに「シャンシャン総会」と言うような形式的な総会で終えることができたのは何故ですか?

先輩監査役:その日の議案の決議に必要な議決権を会社が集めてしまっているから「賛成多数」で進行できるからですが、真面目に株主の質問に誠意を持って応えている企業もありますよ。

新任監査役:記事では、日本の株主総会の権限は、アメリカなどに比べて強いと書いていますね。

先輩監査役:確かに、日本では、利益処分や取締役の報酬は総会で決定しなければならないが、アメリカでは、そうではない。利益処分については例外を認めましたが。

新任監査役:記事に「一部の「モノ言う」株主にとって日本の総会は、実に実入りのいい場所となる危険をはらんでいる。」と結んでいますが、これはどういう意味でしょうか?

先輩監査役:うーん? こんなことがまだあるのかなー? 間違いじゃないかなー?■

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