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2008.02.18

NO.272 内部管理体制の不備


新任監査役:(株)IHIが2/9から特設注意銘柄になったと日経で報じていましたが、このような企業はご存じでしたか?

先輩監査役:私も初めて聞きました。インターネットで調べると一部上場企業で「総合重機大手。航空宇宙は民間航空機用エンジンで首位。造船で三井造船、川崎重工と提携」とありました。

新任監査役:「特設注意銘柄」にされたのは、内部管理体制に問題があるということなのですが、何があったのですか?

先輩監査役:昨年末に訂正報告書を出したのですね。それは2007年3月期の営業損益が246億円の黒字から56億円の赤字に修正したのですよ。

新任監査役:それは大きいですね。それも前年の決算ですから驚きですね。

先輩監査役:東証は特設注意銘柄に割り当てた理由について「事業にかかるコストを算出するために必要な情報を、社内で把握するプロセスが機能していないなど内部管理体制に問題がある」(水沼久雄・上場管理部長)と日経で書いていました。

新任監査役:誤差は、上下で300億円ですから大きいですね。それを今頃になって訂正とは、問題ですね。

先輩監査役:もう少し詳しく言いますと「工事進行基準対象工事に係る総発生原価見通しを適切に算出しチェックする上で、必要な情報が適時に利用可能な形で伝達されないなど必須情報を把握するプロセスが機能していなかったこと、また、本社部門による事業部情報のモニタリング体制も万全でなかった」と東証は言っています。

新任監査役:こんなに巨額では、上場廃止にならないのですか?

先輩監査役:その可能性ありと一旦「監理銘柄」に指定しておいて、審査を進めてきたのですよ。その結果、「廃止に相当する行為は確認できなかった」と上場維持を決めて、「特設注意銘柄」とし、注意勧告を出したのですよ。

新任監査役:今後どうなるのですか?

先輩監査役:一年に一度、内部管理体制確認書を東証に提出して、三度提出しても改善が認められないと上場廃止になる。「特設注意」扱いを解くためには、「内部管理体制確認書」で、決算訂正の原因が解決されたことを証明しなければならないのですよ。

新任監査役:今年の決算から、「内部統制報告制度」が導入されますが、その直前だけに緊張しますね。

先輩監査役:その報告書は他の財務諸表と同じように公表され、投資家の目に触れることになりますからね。一番恐いのは、東証ではなく、市場であり、株価ですからね。■

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本日の「監査役情報」の内容

< 監査報告書の「ひな型」の使い方 >

監査報告書の「ひな型」は重宝している監査役が多いことでしょう。
しかし、その使い方は正しく使う必要があります。使い方の解説を
いつものように法令の条文を添えて試みました。

「監査役情報」の詳細はつぎのところにございます。
http://premium.mag2.com/mmf/P0/00/61/P0006122.html

      新任の監査役さんにお勧め頂ければ幸いです。

   - 監査役は監査を通じて、会社と社会に貢献できる -


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