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2009.01.01

NO.296 サブプライムローンの背景


新年明けましておめでとうございます。

今年からここの情報提供の対象を新任監査役には限らず、経営幹部全般とし、内容をコーポレート・ガバナンス全般と変えさせていただきます。情報名も
「監査役への応援歌」から「ガバナンス情報」に変えました。ここの内容が
皆さまのニーズに合うようでしたら、今後ともお読み下さいますようお願い
申し上げます。

本日の情報源:
日経新聞 2009/12/31 経済教室「2009年の日本経済」
堺屋 太一  「円高・高齢化を逆手にとれ 危機、チャンスに転化 
<全き知価社会>への備えを」

新任幹部::おめでとうございます。今頃、お聞きしにくいのですが、サブプライムローンはなぜ、出てきたのでしょうか?その背景を知りたいのですが。

先輩幹部:その話は、1971年にアメリカがドルを金に交換しないことを決めたことに端を発すると言えます。このことで、紙幣が金という物質的な裏付けのないものになったので、いくらでもお金を発行できるようになったのだ。

新任幹部:それでアメリカは、ドルを増刷して、八〇年代に財政が大赤字でも景気振興のための大減税を行えたのですね。

先輩幹部:それだけではなく、物価抑制のために貿易経済の自由化も進めた。
この結果、アメリカの景気はよくなり、金触や情報、観光などが大発展、雇用も大きく伸びたのです。にもかかわらず、物価はさほど上がらなかった。それは、世界各地から安い輸入品がどっと流入したからなのだ。そのことからアメリカの製造業は輸入品の洪水で大打撃を受け、多くの管理職や中堅技能者が職を失いました。

新任幹部:その当時、このようなアメリカについて「ドルの垂れ流しが続けば遠からずドルの国際的地位と価値は失われるだろう」と、多くの経済学音は警告していましたが、どうなりましたか?

先輩幹部:現実はそうはならなかったのですね。その理由は「通貨の価値は、他のあらゆる物資と同様、需要と供給が釣り合っていれば保てる」ということだったので、ドルを垂れ流して供給が増加しても、それに見合った需要、つまり借り手があればドルの国際通貨としての地位と価値は保たれたのです。
そのためにアメリカは八〇年代にジャンク債を発行して、借り手を増やしたのだ。

新任幹部:ジャンク債って何ですか?

先輩幹部:ジャンクとはゴミ、と言う意味ですが、格付け機関による格付けが無く債務不履行リスクの高い債券のこと。当然、その企業は財務内容が悪いなど、欠点が多かったり、信用力が低いものですよ。

新任幹部:そんなものが売れたのですか?

先輩幹部:リスクが高いが、その分、利回りが高いために売れたのです。しかし、それも九〇年代初頭に破綻しました。そこでロシアや中南米、東南アジアに借り手を広げていったが、これも九七~九八年に崩れるのです。

新任幹部:その頃からですねIT(情報技術)産業に焦点を定め始めたのは。

先輩幹部:それも二〇〇一年に弾けるのですよ。そして、その次に考え出されたのが、低所得者を対象としたサブプライムロ-ンなのです。

新任幹部:サブプライムローンは「構造詐欺」ともいえる巧妙な仕組みだそうですね。

先輩幹部:低所得者の住宅ローンの債権を束ねて証券化して販売したのです。

新任幹部:なぜ、「構造詐欺」と言われるのですか?

先輩幹部:この仕組みを格付け会社は投資適格と評価したのです。それを信じた世界の金融機関が、内容を十分に調査することなく、大量に購入していた。

新任幹部:仕組んだメンバーもメンバーですが、それを購入した金融機関の杜撰さや無責任ぶりも問題ですね。

先輩幹部:そのサブプライムローンは、少しばかりの資源価格の上昇を契機に破綻してしまいましたのです。

新任幹部:世界の金融機関が購入していたので、世界を金融危機に陥れたのですね。

先輩幹部:そうなのです。その損失は、全世界で三兆㌦にもなるだろうと言われていますね。

新任幹部:サプライムがなくなれば、それに代わる大型の借り手は出てくるのでしょうか?

先輩幹部:もう現れないでしょう。と言うことから、ドルを垂れ流す一方で借り手を増して通貨の需給を均衡させてきたペーパーマネー体制は、崩壊してしまったのです。

新任幹部:ここまでは、よく分かりました。今回のことは、かなり構造的ですね。今年も激しい年になるとのことですね。

先輩幹部:しかし、そこにはリスクと同じ程度のチャンスがある、と堺屋太一さんが言っていました。しかし、チャンスをつかむためには、現状を歴史の中で正しく理解しておかなければならない、とも言っていましたよ。

情報源:日経新聞 2009/12/31 経済教室「2009年の日本経済」
堺屋 太一  「円高・高齢化を逆手にとれ 危機、チャンスに転化 
<全き知価社会>への備えを」


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