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2009.03.02

NO.11 内部通報制度


新任監査役:先日の読売新聞に、東証1部の「オリンパス」の男性社員が、社内の通報窓口に上司について告発をした結果、配置転換や冷遇の制裁を受けたと、近く東京弁護士会に人権救済を申し立てる、と言う記事がありましたね。

先輩監査役:ありましたね。記事によれば、通報窓口責任者から上司に男性の名前が伝えられ、異動さされ、その後の人事評価は最低水準だそうだが、オリンパスは公益通報者保護法で、社内の不正を告発した従業員らに対し会社側が不利益な扱いをすることを禁じていることぐらい知ってそうに思うのですがね。

新任監査役:男性は「こんな目に遭うなら、誰も怖くて通報できない」と訴え
ているようですね。

先輩監査役:内容は、会社として取引先から機密情報を知っている社員を引き抜こうとしていることを知ったので、このことは、不正競争防止法違反の可能性があると思って、最初は、ちゃんと上司にそのことを伝えたんだね。しかし、聞き入れられなかったため、その後、コンプライアンスヘルプライン室に通報した。

新任監査役:その後、オリンパスは相手のメーカーに謝罪しているから内容に間違いはなかったと言うことですね。

先輩監査役:にもかかわらず、別部門への異動を言い渡され、かつ、部外の人と許可なく連絡を取ることを禁じられたり、資料整理しか仕事が与えられない、人事評価も長期病欠者以外には適用されないような低い評価だそうだ。

新任監査役:それで、昨年2月、会社と上司に対し異動の取り消しなどを求め
て東京地裁に提訴し、係争中なのですね。

先輩監査役:そもそもなぜ、内部通報制度が誕生したのか、そして、何をすべきか、何をしてはいけないのか、再確認が必要ですね。

新任監査役:次々と要請される制度を追いかけるだけで、過ごしているところもありますので、よく注意するようにしないといけませんね。

先輩監査役:内閣府が2007年に全国約3000社を対象に行った調査によると、社内に内部通報窓口を設置している企業は全体の4割、大企業では9割を超えていますね。しかし、実効性については疑問視する声が少なくない、との話です。

新任監査役:その理由の一つになると思いますのは、内閣府の調査に答えた企業の窓口担当者のうち、18%が「社員に『本当に保護するのか』と不信感を持たれている」と回答していますからね。

先輩監査役:何事も形骸化しないようにチェックを入れないといけませんね。

新任監査役:社内で秘密が守られず不利益を被ったとしても、企業に科せられる罰則がありませんから、関西大の森岡教授は「企業に対する罰則を設け、外部通報の要件を緩和するなど法改正が必要だ」との考えを漏らしているようです。やはり、再度、確認が必要ですね。■

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