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2009.07.20

NO.21 内部統制元年

監査役A:7月16日と17日の日経で「内部統制元年課題を探る」と総括が出ていましたね。

監査役B:2005年の西武鉄道事件から5年で第一ラウンドが終わったのですね。

監査役A:事件が発覚してから4年目にスタートでしたのですが、早かったのか、遅かったのか、どうでしょうか?

監査役B:早い方だと思いますよ。その前からSOX法というモデルがあり、かつ、日本企業でニューヨーク市場に上場していた会社がありましたね。それらがベースになったので早く出来たのでしょう。

監査役A:兎に角、コーポレート・ガバナンス上、画期的なことですね。今までは監査役がしっかりすべきだ、と監査役の権限を強化して、期待されてきましたからね。

監査役B:会社として、社内の管理体制としての「内部統制制度」を構築して、自己点検して、会計監査人の監査を受けたのですから画期的ですね。

監査役A:今年は、導入初年度ですからその結果と課題を検証する必要があるでしょう。

監査役B:経営コンサルティング企業で予想外の結果が出て、大騒ぎしていたようですね。まさに「紺屋の白袴」ですね。

監査役A:問題があると開示した企業が2672社中、2,1%の56社。確か、アメリカでは15%くらいあったようなので、良い数値ですね。

監査役B:しかし、規模別にみると問題点が浮かびあがってくる。半数以上の31社が売上高200億円未満で、200億円以上400億円未満は9社、ということで400億円未満が合計40社で全体の7割を占めています。

監査役A:問題の原因は何が多かったのですか?

監査役B:トーマツの調べですが、問題の原因(延べ社数)で最も多いのは、「決算・財務報告プロセスの不備」で33社。不正・不適切な会計処理を原因とした企業は11社であったようです。

監査役A:内部統制報告の株価への影響については、初年度の開示ということもあり、冷静に受け止めていたようですね。

監査役B:しかし、米国では、初年度の問題を2年目に直した企業の株価は適用開始前に比べて平均25%上昇しており、一方、2年連続で問題があった企業の株価は5・7%下落したようですね。

監査役A:問題点があった企業は体制整備を急ぐ必要があります。問題は、今年は問題がなかった企業です。安心していると問題が出やすいですね。

監査役B:『問題なし』とした企業で虚偽記載などが発覚した場合、経営トップの責任が問われかねないので、要注意ですね。

監査役A:この制度を活かして、自社の弱点を経営改善につなげていかないとね。

監査役B:この制度も2年目に入りますが、今年の課題は何でしょう?

監査役A:各コンサルタントが開催するセミナーでは、経費の軽減がテーマのようですね。

監査役B:当初は、米国に上場していた日立が子会社200社以上を含めて、合計1000人余りを準備作業に投入し、2006年末には「人件費も含め100億円以上かけた」と言っていましたので、みんなはびっくりしていました。

監査役A:それには、金融庁から「他社が過度に警戒しかねないので、内部統制の費用に言及するのは控えてもらえないか」と要請を受けたようですね。

監査役B:初年度は手探りですから経費も時間も要るだけ使ったきらいがありますのでね。

監査役A:その他に制度上の課題として、企業や監査法人の間で評価や判断にばらつきがあったようですね。

監査役B:それと投資家の間で不満が多い「開示のタイミング」の問題ですね。
内部統制報告書を株主が見るのは、有価証券報告書と一緒に提出するので株主総会の後になる、総会前にわからないのは合理性を欠くということです。

監査役A:そのことは、記事によれば、「金融庁が内閣府令を改正し、来年にも有価証券報告書と内部統制報告書は総会前に提出できるようになる見通し」ですね。
それは、企業の任意で強制ではないようですがね。

監査役B:この他に会計や監査についても国際基準が及んでくるようで、当分、
これらの制度のあり方について試行錯誤が続きそうですね。

監査役A:監査役も勉強が大変ですね。ところで夏休みはどこへお出かけですか?

監査役B:お盆は日本の事業所も工場も休みですから、海外に出かけてきますよ。

- 監査役や内部監査は監査を通じて、会社と社会に貢献できる-

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