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2009.12.14

NO.29 公開会社法(仮称) その2


監査役A:なぜ、公開会社に限定したのか、については、さほど新鮮な情報はありませんでしたね。

監査役B:そうですね。資料では「ルールの不備の問題は、株式を公開している会社にはとくに重要となる。会社にとって株式を公開することは、自己の行動原理を広く社会から募ることでもある。また、株式を公開している会社はそれだけ利害関係人も多く、社会に与える影響も大きい。株式を公開することを英語で‘Go Public”いうことからも.単に株主に対してのみならず、取引先や従業員、地域などを含めた様々な利害関係者を考えた行動が期待されるのである。」としています。

監査役A:そして、公開会社をめぐる現行法制での問題点を「公開会社法(仮称)」で解消しよう、ということですね。

監査役B:その問題点としてまず特記していたのが「会社法(裁判規範)と金融商品取引法(行政規範)が並立しており、会社法と金融商品取引法との間で、情報開示や会計のあり方が不明確となっている。」その具体例として「決算公告、財務諸表.会計監査、新株発行手続.公開買付などが、会社法と金融商品取引法との間で異なる手続が存在する」としています。

監査役A:会社法と金融商品取引法とでは成り立ちが違いますからね。金融商品取引法は限られた時間で作られましたので・・・・。

監査役B:先月でしたか、日本公認会計士協会から法務大臣に出した要望書にも同じような内容がありましたね。
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<参考>
3.有価証券報告書の財務諸表と計算書類の実質的一元化について
 上場会社の株主・投資家の受け取る財務情報の質・量、比較可能性、有用性等の
観点から、金融商品取引法と会社法における財務情報の実質的な一元化について検
討いただきたい。財務情報の実質的な一元化の方法として、上場会社は有価証券報
告書の財務諸表の作成により、会社法上の計算書類の作成がなされたものとみなす
(つまり、株主・投資家向けに開示される財務情報として有価証券報告書の財務諸
表のみを作成する。)といった方法が考えられる。

4.金融商品取引法と会社法に基づく監査制度の一元化について
 上場会社については、財務情報の実質的な一元化と合わせて、金融商品取引法と
会社法に基づく監査制度の一元化について検討いただきたい。監査制度の一元化の
方法として.金融商品取引法に基づく財務諸表の監査により、会社法に基づく計算
書類の監査がなされたものとみなすといった方法が考えられる。
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監査役A:次の大きい問題指摘は「適正な企業統治を実現するシステムが担保されていない」ということで、具体的には
○資本市場から見て、企業統治のあり方が水準に達していない
 ・社外取締役制度の狙いが達成されていない
O「会社のあり方」に対して、従業員の意見を反映する仕組みがない
 ・会社法では.清算時以外は従業員の意見を聴かなくてよい
○M&A法制が整備されていない。
 ・企業買収者に対する「全部買付義務」や「企業経営方針の明示義務」がない
○監査役が有効に機能していない
 ・経営陣になれなかった人が監査役になるようでは.牽制にならない
○会計監査への経営陣の影響が強い
・経営陣が会計監査人を選んで報酬を決めるようでは、適正な監査に疑いが残る

監査役B:最後の問題は「企業集団の取扱いが明確ではない」こと。
○金融商品取引法と会社法で、企業集団の取扱いに違いがある
○親会社の子会社に対する責任が明確ではない
 ・親会社の株主や取締役が持つ、子会社の意思決定、業務執行の権限が明らかでない
・ 企業集団として事実上一体なのに、損害賠償や株主代表訴訟が分断されている

監査役A:これらの問題点を「公開会社法(仮称)」で無くしていこうと言うのでしたね。(その2 終わり)■

- 監査役や内部監査は監査を通じて、会社と社会に貢献できる-

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