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2010.01.31

NO.31 求められるガバナンス


監査役A:久しぶりですね?

監査役B:海外子会社を回っていたのですよ。

監査役A:いいですね。

監査役B:そうでもないのですよ。現地法人の社長がまずいことをしましてね。

監査役A:目が行き届かないところでは、つい、おかしなことを考えてしまうようですね。

監査役B:帰国して「日系テレコム21」で企業統治をキーワードに検索しましたら、3つの記事が出てきました。
一つは、「更生法申請、日航の企業統治は?」、二つ目は「サッポロに10役員要求 スティールが株主提案」三つ目は「富士通社長に山本氏、「8人抜き」に成長託す、
まず企業統治立て直し」でした。

監査役A:日本航空の経営再建は、予想以上に大変なようですね。公的資金を7000億円も投入するのですからね。これほど多額の公的資金を入れるなら透明性を高めなくては、ということで私的整理ではなく、法的整理で、それも法的整理のなかでも債権者への制約が強い会社更生法を活用しながら、官民共同ファンドの企業再生支援機構が先導するということになったのですね。

監査役B:裁判所の管理下に置いて、透明性を高める必要があるとの判断だが、言い換えれば、私企業に任せるだけでは安心できないということですね。ここまでの深い傷を負ったのは、「企業統治」が問題になって当然でしょう。

監査役A:監査役さんはどうしていたのでしょうね?

監査役B:「沈まぬ太陽」では、監査役は良い提案をしていましたが・・・。
二つ目の「サッポロに10役員要求 スティールが株主提案」です。

監査役A:サッポロホールディングス(HD)の筆頭株主になっている例の米投資ファンドのスティール・パートナーズが、役員について大株主として提案した件ですね。

監査役B:スティール側は6人を新たに役員に選んで、経営の抜本的な立て直しを求めたのですね。

監査役A:現経営陣のうち、4名は残して、社長や専務など6名は排除していますね。その理由は「現経営陣は収益計画を何年も連続して達成できなかった責任をとるべきだ」ということのようです。

監査役B:日本航空も同じような状況なのに、大株主は何も言わなかったのでしょうね。

監査役A:三つ目は「富士通社長に山本氏、「8人抜き」に成長託す、まず企業統治立て直し。」ですね。富士通は外からでなく、現社長が「企業統治に疑問符がついていること」に対して英断を下したのでしょう。

監査役B:勿論、社長のリーダーシップもあるが、指名・報酬委員会を1回当たり3時間で3回開き、十分に議論したり、委員長である大浦溥アドバンテスト相談役など大半の役員と面談し、適任者を選んだようですね。

監査役A:そうでしたか。それにしても「ガバナンス」や「企業統治」という言葉が紙面を賑わすようになりましたね。

監査役B:いい意味でも、悪い意味でも、皆さんの企業統治についての関心が高まってきますから良いことですね。

監査役A:一方、残念な話がありましてね。
東証1部の「パイオニア」の元常勤監査役が、同社子会社「東北パイオニア」(山形県天童市)の株式公開買い付け(TOB)に絡み、インサイダー取引を行ったようです。証券取引等監視委員会などの情報によると、元監査役は2007年3月中旬の役員会議で、パイオニアが東北パイオニアをTOBで完全子会社化するとの情報を入手して、公表前に部下名義の口座で東北パイオニア株3200株を559万8000円で買い付けた疑い、なんですよ。

監査役B:こともあろうに監査役がねぇ。

監査役A:証券取引等監視委員会は株式の売買データーを細かく分析していますからね。部下の名義ならばれないと考えていたのでしょうか。それ以前の問題ですが。

監査役B:日本航空の会長になられた稲盛氏は、著書『生き方』で次のように言っておられる。
「私は、これからの日本と日本人が生き方の根に据えるべき哲学をひと言でいうなら、「足るを知る」ということであろうと思います。また、その知足の心がもたらす、感謝と謙虚さをベースにして、他人を思いやる利他の行いであろうと思います。」
監査役A:稲盛さんは「利他の心」を持っておられるので、大きな影響力が発揮できるのだと思いますね。■

- 監査役や内部監査は監査を通じて、会社と社会に貢献できる-

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