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2010.05.06

NO.38 「国際会計基準(IFRS)に関する誤解」 通番NO.332 


監査役A:最近、国際会計基準(IFRS)についての勉強会の案内がよく来ますね。

監査役B:出版物も多いですね。いくつかパラパラと目を通しましたが、本当のところ分かりにくいですね。

監査役A:色々な説があるみたいですね。そんなはずがないと思うのですが。

監査役B:それで金融庁が「国際会計基準(IFRS)に関する誤解」というレポートを発信したのですよ。

監査役A:それはどんな内容でしょうか?

監査役B:国際会計基準(IFRS)に関して、誤解を招くような情報が流布されているとの指摘が多くあったようで、その誤解を集めて、解説をしています。
内容は、専門家でない我々にも理解できるように、正確性よりも分かりやすさに重点を置いて作成した、とありました。

監査役A:例えば、どのような誤解があるのでしょうか?いくつか事例を挙げてください。

監査役B:そうですね。
1.「上場会社は直ちにIFRSが適用される」
誤解・・・上場会社には、直ちにIFRSが適用されるので、大至急準備をしなければならない。
実際・・・2010年3月期から、一定の要件を満たす上場企業の連結財務諸表について、IFRSを任意に適用できるようになったもの。
○国際的な財務・事業活動を行っている上場企業の連結財務諸表に、2010年3月期からIFRSを適用できるようになっている(個別財務諸表は日本基準のみ)。○2012年を目途に上場企業の連結財務諸表への強制適用の是非を判断することになっている。
○仮に強制適用を決定した場合、十分な準備期間(少なくとも3年)を確保することになっている(企業会計審議会「中間報告」)。
○上場企業の個別財務諸表へのIFRSの任意適用については、今後、幅広い見地から検討を行うことになっている(企業会計審議会「中間報告」)。


2.「非上場の会社(中小企業など)にもIFRSは適用されるのか」
誤解・・・非上場の会社(中小企業など)であっても、IFRSを適用しなければならなくなる。
実際・・・非上場の会社はIFRSを適用する必要はない。
○2010年3月期からのIFRSの任意適用は、上場企業で、かつ、国際的な財務・事業活動を行う企業の連結財務諸表に限られている。
○非上場の会社(中小企業など)に対するIFRSの強制適用は、将来的にも全く想定されていない。
 (注)上場会社の連結財務諸表にIFRSを適用する場合、当該会社の非上場の連結子会社等は親会社に対し、親会社がIFRS適用のために必要な情報を提供する必要があるが、その場合であっても、当該連結子会社等が作成する財務諸表にIFRSの適用を強制することはない。
○国際的な資金調達等を行わない非上場の会社(中小企業など)には、必ずしもIFRSとのコンバージェンス(収れん)を積極的に進める必要はないとの見解もあるところ。民間の会計関係者により、「非上場会社の会計基準に関する懇談会」が設置され、非上場会社向けの会計基準の議論開始。

3.「全面的なITシステムの見直しが必要か」
誤解・・・IFRSになると、ITシステムを含め、業務プロセス全般について全面的に見直さなければならない。
実際・・・既存のシステムの全面的な見直しは、必ずしも必要ではない。
○IFRSを適用するために必要な範囲で、システムの見直しを行えばよい。

4.「社内の人材のみではIFRSに対応できないのではないか」
誤解・・・IFRSはプリンシプル・ベース(原則主義)なので、適切な処理の検討について、社内の人材のみでは対応できず、必ずコンサルタントなどに依頼しなければならない。
実際・・・プリンシプル・ベースだからといって、コンサルタントなどの外部専門家に依頼しなければならないということはない。
○研修や自習、社内検討等を通じて社内の体制を整備することでも相応の対応が可能と考えられる。

監査役A:なるほど。分かりやすいですね。

監査役B:注意事項として、次のことが書かれていたので、注意してください。
・異なる前提条件が存在する場合等には、考え方が異なることもあることに注意が必要である。
・IFRSの見直し等に関する記載については、2010年(平成22年)3月末時点のものであり、見直し等の議論によっては、適切でない記載となる場合もあることに注意が必要である。

出典は次の所からです。
「国際会計基準(IFRS)に関する誤解」の公表について
 http://www.fsa.go.jp/news/21/sonota/20100423-2.html


- 監査役や内部監査は監査を通じて、会社と社会に貢献できる-

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