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2010.06.05

NO.39 役員報酬の個別開示


新任監査役:役員報酬の個別開示が資生堂の公開で昨日の新聞でA大きく採り上げていまが、そもそも何が問題なのですか?

先輩監査役:会社は、社長のものでも取締役のものでもないことは、お分かりでしょう。

新任監査役:そうですね。関係するステークホールダーのものでしょう。

先輩監査役:にもかかわらず、社長や取締役だけで自分たちの報酬を決めることもあるのです。いわゆるお手盛りですよ。

新任監査役:しかし、総額は株主総会の決議の枠内でしょう。個別の報酬額まで必要なのでしょうか?

先輩監査役:先日、Webを見ていると次のような情報がありました。
「民放の役員報酬は取締役会でお手盛りで決まります。たとえば04年度の“長者番付”を見ると、日テレの氏家斉一郎会長の年収は1億7500万円です。95年度にフジの日枝久会長(当時は社長)も1億2300万円の年収がありました。2人ともオーナー経営者ではなく、配当収入がないので年収のほとんどが役員報酬でしょう。どちらもトップに君臨したままなので高額報酬はキープしているはずです」

新任監査役:私は海外の例を見ましたよ。
「米ゴールドマン・サックスのロイド・ブランクファイン会長兼最高経営責任者(CEO)の09年の報酬総額は980万ドル(約8億8700万円)。米フォード・モーターのアラン・ムラリーCEOは報酬として1790万ドル(約16億1000万円)を受け取った。ドイツ銀行のヨゼフ・アッカーマンCEOの報酬は955万ユーロ(約11億8000万円)だった。」

先輩監査役:海外の例は驚きますね。日本でも何とか歯止めを掛けないといけないとの考え方があり、株主オンブズマンは2002年以来7年にわたって、ソニー取締役会に対して役員報酬の個別開示を求める株主提案を行ってきました。

新任監査役:早くから動きがあったのですね。にもかかわらず法令で義務づけられなかったのですか?

先輩監査役:総額で縛りがあること、プライバシーが大切だ、など経済界が反発してきたのです。しかし、ドイツや英国、アメリカなどが個別開示に踏み切っているので、金融庁も腰を上げたのでしょう。

新任監査役:経済界の反発があるなら、政権交代も無縁ではないですね。それにしても個別開示でどのようなメリットがあるのでしょうか?

先輩監査役:方法の基本は「情報開示によるコーポレート・ガバナンス」で、情報公開すれば、少しは自己規制があることを期待しているのです。

新任監査役:そういえば社外役員の活動状況を「事業報告」に掲載するのと趣旨は同じですね。

先輩監査役:法令が決まってから開示する企業が多いのですが、その以前から開示している企業もあります。日興コーディアル、東京エレクトロン、Peopleなどがあります。

新任監査役:経営の透明性が叫ばれていても横並び意識で行動する企業がまだまだ多いと言うことですね。

先輩監査役:われわれも反省しなくてはいけませんが・・・。

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