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2010.07.22

NO.44 ISO26000


取締役A:昨日7月21日BERC(一般社団法人経営倫理実践研究センター)の会員限定セミナーの「第11回時局セミナー」に出てきました。

取締役B:それは暑い中、大変でしたね。

取締役A:猛暑でしたね。しかし、テーマが『ISO26000の最新動向シンポジウム』~企業のCSR経営のあり方~ というので興味があり参加してきました。
会場の「海事センタービル」8階801・2号室は満員でしたよ。

取締役B:どのような内容でしたか?

取締役A:第一部は(社)経営倫理実践研究センター専務理事手島祥行氏の挨拶の後、基調講演で経済産業省 産業技術環境局 基準認証政策課 工業標準専門職の宮澤 武明氏がテーマ「ISO26000の最新動向~企業のCSR取組みへの影響~」を話されて、その後、第二部 パネルディスカッションに入りました。
パネリストは、 ISO/SR国内委員会委員であり、ISO/SRの日本産業界のエキスパートとして国際会議でも活躍をしておられる (株)損害保険ジャパン理事・CSR統括部長関 正雄氏。それからISO/SR国内委員会委員で(社)日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会常任理事の古谷由紀子氏、それと (株)三菱ケミカルホールディングス内部統制推進室部長山中裕氏でした。
 そして、コーディネーターはISO/SR国内委員会委員であり、東京交通短期大学学長、BERC首席研究員、理事の田中宏司氏で進められました。最後は、閉会の挨拶を松本邦明氏(経営倫理実践研究センター 常務理事)がされました。

取締役B:なかなかの面子ですね。 ところでISOそのものがよく分からないのですが・・。

取締役A:国際規格には、三種類あり、古くからあるのは、IECという電気・電子機器に関する国際標準規格。それと国際電気通信連合(ITU)規格がありますが、それ以外の国際規格を扱うのがISO「国際標準化機構」だとの説明でした。

取締役B:そういえば、JIS規格というのもありましたね。1980年代はISO9001の取得で会社は大騒ぎでしたし、1990年に入れば、環境関連のISO14001。その上に、又あるのですか?

取締役A:そうです。ISO26000というもので、そもそも「経済成長、環境、社会的平等性に着目したもので、それらに寄与するものが必要だという消費者からの要請で開発されたのです。「社会的責任規格」と呼んでいます。

取締役B:社会的責任規格なら以前にも聞いたことがありますね。

取締役A:そうでしょう。実はこの規格の準備会合は、2001年にスタートしています。そこから数えますと実に10年の歳月、審議、検討されて公表にこぎつけているのです。

取締役B:えらい時間がかかっていますね。

取締役A:世界標準ですから、例えば、今年の5月17日に行われたコペンハーゲンでの総会には、57カ国、28リエゾンから約400名の参加者があったと言うのですから、調整も大変だと思います。日本からも12名が参加したようです。

取締役B:どのようなことが議論され、決まったのですか?

取締役A:途中段階で専門部門の検討グループ(SAG)から次のような勧告があったようです。レジュメによれば
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
レポートは以下の点について言及
1.SRとは何か、2.SRの標準化、3.lSOのSR分野における能力
<勧告の主な内容>
・ISOはSRの標準化を推進するための7つの前提条件を提示。
・適合性評価に利用されないガイダンスドキュメント作成を推奨
・途上国の参加強化を推奨
・既存の技術委員会ではなく新たな委員会の設置を推奨
・標準化の議論には利害関係者の参画を要請等

<ガイダンスドキュメントの要件>
 ガイダンスドキュメントとは以下の要件を満たす文書であり、それに照らして適合性を評価するための文書とすべきでない。
・企業および他の組織でも利用できる
・結果およびパフォーマンスの改善を協調する
・この分野の一般用語を採用する
・様々な文化、社会及び環境のSRに対応できる
・他(既存)のSR規則を補完できる
・政府が果たすべき役割を弱めるものではない
・組織の規模を問わず有用である
・SRの運営・利害関係者の特定、信頼性の確保に係る手段を提供する
・明確な書きぶりである
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

取締役B:よく分かりませんが、CSRではなく、SRなのですか?

取締役A:ご存じのようにCSRは Corporate Social Responsibility の略です。
しかし、ISO26000は、企業だけの社会的責任を問題にしているのではなく、大学(USR)、病院(HSR)、政府機関(OSR)、自治体(OSR)
NGO(OSR)というようにあらゆる組織の社会的責任を対象にしているのです。それでSRという言葉が出てくるのです。

取締役B:なるほど了解しました。もう一つ、「適合性を評価するための文書とすべきでない」とありますが、この意味はどうなのですか?

取締役A:流石、ポイントを突いた質問ですね。
内容は「基準」ではなく「ガイダンス文書」なのです。あくまでも指針なのです。今までのISO9001やISO14001は出来ているか否かを第三者から認証を受けていましたが、そういう性質のものではないのです。

取締役B:うーん?

取締役A:ISO9001やISO14001は「shall」で「~しなければならない」「~とする」でしたが、今回のISO26000では「ガイダンス文書」で、「should」と表現されていて、「~するのがよい」「~することが望ましい」という記載になっているのです。

取締役B:規格のタイプが今までとは違うのですね。ところで「ISO26000の我々への影響は、どうなんでしょうか?

取締役A:内容は100ページ、「should」が400もあるようですので細かいところまでは分かりませんが、コーディネーターでISO/SR国内委員会委員であるBERC首席研究員、理事の田中宏司氏のコメントでは「我々は、新しいものが出来たと身構える必要はない。日本で従来やってきたことが沢山ある。しかし、将来、改訂があるので、それに対応することは必要だ。できれば、日本ならではのもの、日本スタイルを確立して、世界に展開したい」との抱負を最後に述べられました。

取締役B:グローバル化は社会的責任にもやってきたと言うことですね。しかし、我が社は我が社として、持続可能な社会のために、何をすべきか、をよく考えていこうと思いました。ご報告いただき、ありがとうございました。

取締役A:スケジュールとしては、今年の12月頃に公表されますので、当社も、BERCからの情報を得て、準備をしたいと考えています。■


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