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2010.08.27

NO.46 「重要な欠陥」について

新任監査役:内部統制報告制度で使われる「重要な欠陥」とは、どのようなことなのでしょうか?再確認したいのですが・・・。

先輩監査役:今頃、そんなこと言っていては・・・、と思ったが、素直に聞いてくれたことは、良いことですよ。知ったかぶりでは、いつまでも知らないままですからね。

新任監査役:実は、先日、今年の3月期決算会社の内部統制報告書の「重要な欠陥」について発表がありましたので、お聞きしたいと思ったのです。

先輩監査役:「重要な欠陥」という表現そのものも問題になっており、変更されるかも知れないが、とりあえずは、今のままで説明しましょう。
 ご存じのように、内部統制報告制度は、企業が正しい財務報告を作るための社内の仕組みを作って、問題があるかどうかを経営者(会社が)監査して、判断する。その判断の妥当性について監査法人が評価する。それを有価証券報告書に添えて提出する、という仕組みで、ライブドア事件などの有価証券報告書の虚偽記載などを防ごうというものですね。
 さて、「重要な欠陥」ですが、財務報告に重要な影響を及ぼす可能性が高い内部統制の不備をいうのです。例えば、業務を遂行するうえでの社内ルールが不十分であるなど、管理体制が有効に機能せず、財務諸表に誤りが起きかねない状況を指します。
 因みに、「重要な欠陥」ですが、米国では「マテリアル・ウィークネス」と言っており、直訳すれば「重要な弱点」となる。だから「欠陥」という表現はいかがなものか、との指摘もあるのですよ。

先輩監査役:今年の3月期決算企業は、内部統制報告書の提出するのが2回目となるが、初年度は「重要な欠陥」と開示をした企業は56社だったが、今年は
22社で、前年に比べ半分以下に減りました。しかし、2年連続して「重要な欠陥」とした企業も10社あったようです。

新任監査役:「重要な欠陥」になぜ、なったのでしょうか?

先輩監査役:一つは、監査人からの指摘ですね。二つ目は、経営者や社員の不正が「重要な欠陥」の主な原因として挙げています。例えば、近畿日本鉄道は不正行為があったことが発覚したので、2009年3月期に「有効」として提出した内部統制報告書を訂正し、2010年3月期決算も重要な欠陥としていますね。

原因で気になるのは「統制環境」による「重要な欠陥」です。
 対象期間中に企業合併や子会社の設立、持分法適用関連会社の増加などの事業再編があって、内部統制の整備状況の記録の整備に、経営・財務の担当者といった経験者を充てることが難しかったとの趣旨を内部統制報告書に記した企業もありましたね。
 中には、財務報告に直接影響を及ぼさない不祥事を「重要な欠陥」の理由に挙げている企業もあります。その会社は、内部統制の基本的要素の一つである「統制環境」での全社的な内部統制が十分に整備・運用されていないことや、「情報と伝達」「モニタリング」が正常に機能しなかったとして、「当事業年度末日までに財務報告において虚偽記載等は認められないものの、財務報告に重要な影響をおよぼす可能性が高いことから重要な欠陥に該当すると判断した」と発表しています。

新任監査役:この様な情報はどうして入手されるのですか?

先輩監査役:EDINET(Electronic Disclosure for Investors' NETwork)ですよ。
それは、『金融商品取引法に基づく有価証券報告書等の開示書類に関する電子開示システム』のことで、提出された開示書類について、インターネットで閲覧できます。URLは、http://info.edinet-fsa.go.jp/
その他、雑誌の『日経コンピュータ』にも詳しくありました。

新任監査役:自分で探し、閲覧してみます。ありがとうございました。■

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