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2011.01.27

NO.58 資生堂のダイバーシティ経営

監査役A:19日に「全国社外取締役ネットワークの新春シンポジウム」に出かけてきました。

監査役B:テーマは何でしたか?

監査役A:『取締役会のダイバーシティがなぜ重要か ~独立社外・女性・外国人を取締役会に迎えた先進企業の取り組み』ということでしたが、私は、特にダイバーシティーについて関心がありました。

監査役B:ダイバーシティーは何となくしか分かりませんね。

監査役A:と言うことで、基調講演の『資生堂のダイバーシティ経営』(30分)
岩田喜美枝氏 ㈱資生堂 代表取締役/執行役員副社長の話についてご報告しましょう。
 まず、<なぜ、女性の活躍が必要か>との話ですが、化粧品メーカーであるので、特にニーズがあったのでしょうが、早くから女性活性化に取り組まれているので、参考になると思いましたね。
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企業経営戦略の視点からも「人材の完全活用」「よい人材の採用」と「ダイバーシティマネジメントの推進」は重要である。

女性の活躍が不十分であることは、また、女性であることで能力発揮ができないことは人材の大きなムダづかいである、と考えている。。

「ダイバーシティマネジメントの推進」であるが、役員や社員が多様である理由は、次のことがある。1.市場の理解が正しくできる。2.変化への対応力がある。3.新しい価値の創造が可能である。(モノカルチャーからでは生まれないと考えている)

まず、内部から管理職を育成することが必要だが、女性の活躍支援における課題がいくつかある。
第一段階は、「女性は子どもができたら退職が当たり前」という段階があった。この頃、優秀な人を失ってきた。これに対して「仕事と育児の両立支援」を
行うと結婚、出産による退職者が激減した。

第二段階は「女性は、かろうじて仕事と子育てを両立」するという状況であったが、長時間労働の職場を無くそうと、働き方のスタイルを変えていこうと、
「WLB実現や働き方改革」を行った。その次は「女性の育成・登用のための
ポジティブアクション」であるが、と言うものの女性と言うことで制度上の差別をしないで人事のツールを総動員して行った。
第三段階では「男女ともにも子どもを育てながらしっかりキャリアアップ」を目指す。

仕事と育児の両立支援として資生堂が実施してきた主な取り組みは次のとおり。

導入年   支援策
1990  育児休業(3年間)
1991  短時間勤務(小学校3年生まで)
2003  カンガルーム汐留(本社付近に設置した事業所内託児所)
2005  育児休業制度の改訂(2週間以内は有給。男性の取得促進)
2007  カンガルースタッフ体制(短時間勤務をする美容職の代替要員)
2008  配偶者の海外転勤に伴う休業制度
2008  退職社員の再雇用制度

WLBのための働きかた改革によるメリットは
1.家庭・地域・社会などのでの活躍の結果、多様な価値観が職場に持ち込まれる
2.仕事の価値創造力が高まる
3.生産性の高い働き方により更に個人生活の時間を創出する
と言うことである。このサイクルを回して、新しい価値の創造と経営効率を追求していっている。

WLBのための働き方改革として、何をしてきたか、と言えば
① 業務の廃止(経営レベルから担当者レベルまでのすべての段階)
② 業務プロセスの簡素化
  (IT化による合理化、決裁権限、会議の持ち方、資料の作り方)
③ 仕事の配分や社員の配置の見直し
④ 社員の時間意識・タイムマネジメントカの強化
  (ノー残業デー、オフィス消灯時刻)
⑨ 社員一人ひとりの能力アップ(人材育成)


女性の育成・登用のためのポジティブアクション
即ち、どう育てるか?であるが、方法は2つ。OJTと異動(異なる仕事・異なる職場の経験)で、この二つで女性を育成している。

非日本人の育成・登用についてもお話ししたい。

「グローバル人事戦略の進化」として、次のようなことを考えている。
グローバル人事基盤の整備
・グローバル人事ポリシー
・国際間異動ポリシー
・グローバルグレード
・リージョナル人材育成
・コミツティの設置

その方向としては
1.経営マネジメントのダイバーシティ促進
2.現法幹部候補生の人材育成体系の整備
3.国際異動の推進
4.評価・処遇の標準化

これらによって、次のことを狙っている
 ・主要ポストへの非日本人登用
 ・適材適所の人材配置の実現
具体的には、現在、現地法人の社長の非日本人は34%であるが、50%を目標にしている。

監査役B:かなり具体的に話されたのですね。

監査役A:今から女性活用など考えている企業には参考になりそうですね。
私は、取締役や監査役の中に異質の能力や体験をお持ちの方に入っていただくことが、コーポレート・ガバナンス上で、効果的と考えています。
次回の社長とのミーティングの時に提案しようと思っています。■

なお、前号で予告していました内容がセミナーとして公開されましたのでご紹介します。
  公益社団法人経済同友会では、来る2月4日、日本経済研究センターと共催で
「日本再生のビジョン-閉塞感打破に必要ことは」をテーマにシンポジウムを開催します。
 開催概要、プログラム、ご参加のお申し込み方法等は下記サイトをご参照ください。

http://www.doyukai.or.jp/policyproposals/articles/2010/110125a.html


- 監査役と内部監査担当は監査を通じて、会社と社会に貢献できる-
     Web:http://tada.cocolog-nifty.com/kansayaku/

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