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2011.09.13

NO.69東電・福島原発事故- 大切なことは分かっていたがエゴで消去されていた? -

監査役B:11日で東日本大震災から半年を迎えたましたね。

監査役A:震災や津波の被害が大きいが、原発事故の方も危険な動きがが起きていないか注視しないといけないですね。

監査役B:しばらくはなりを潜めて居るだろう、政・官・財・学が一体となった“原子力村”は、巻き返しに出てくるのは必至でしょう。それぞれに「美味しい」ですからね。

監査役A:そこで、ご存じなければ、NHKが11日に再放送した「アメリカから見た福島原発事故2」の内容を再確認していただきたいですね。

監査役B:日曜日の夜ですか・・、見ていませんね。ぜひ、お聞かせください。

監査役A:タイトルは、ETV特集「アメリカから見た福島原発事故」でして、中心は東京電力福島第一原発の重大事故についてアメリカで原子炉の設計、研究、規制に関わってきた技術者たちがNHKのカメラの前で赤裸々に話した内容です。後半には日本の関係者も出てこられますが。
・福島第一原発は、アメリカのゼネラル・エレクトリック社(GE)で設計された原子炉で「マークⅠ」型と呼ばれているものですが、その「マークⅠ」はGEが手がけた最初の本格的な商業用原子炉でして、アメリカ国内でのビジネスは赤字であったそうです。しかし、日本に輸出したものは利益が出ていた。それは、契約後の設計変更分についても請求すれば支払ってくれたからだと、GEの担当者は笑っていました。当時の日本には、原子炉の知識は充分でなく、チェックも出来ない状況にあったようです。

監査役B:確か、福島第一原発の1号機から5号機はすべてこの「マークⅠ」でしたね。

監査役A:そうなのです。元GE社の技術者のデール・ブラインデンボウさんは、1976年に内部告発をして「マークⅠ」の安全性に問題があるので、すぐに停止すべきと会社の上層部に訴えたのです。

監査役B:ここでも「内部告発」ですか。

監査役A:しかし、停止すると「GEの原子力ビジネスが終わる」と言われ、停止されなかった。それで、彼は25年間勤めたGEを辞職した。

監査役B:自社内だけでなく、政府などに告発しなかったのですか?

監査役A:そのことと関係がありそうな話ですが、その後、アメリカ連邦議会の安全委員会は、10億円の予算を使って、原子炉の安全の検証を調査させているのです。その結果、出てきたのが「ラスムッセン報告」で、結論は「危険の確率は50億分の一である」ということででした。

監査役B:それは正しいのですか?

監査役A:その結論に数学者のキースミラーは問題があると指摘しましたが、GEや原子力産業の人たちの反対に出会ったのだが、この「ラスムッセン報告」は日本にも浸透していったのです。
 この報告は発生確率を低く抑え過ぎていると疑問視されたことが、スリーマイル島の事故の後にありました。

監査役B:発生確率を低く抑えると当然、対策が少なくなる。東電の安全神話の問題点はこれですよ。

監査役A:実は、スリーマイル島で事故にあった原子炉は、「マークⅠ」より格納容器が大きいタイプであり、大量の放射性物質が保管できたのです。しかし、「マークⅠ」はコスト削減のため小さくしたのです。

監査役B:それでは、「マークⅠ」は、設計段階から構造上の問題を抱えており、水素爆発も想定されていたというのですね。

監査役A:そう言えますね。福島では、分析していたとおりに事故が進んでいますからね。

監査役B:アメリカでの「マークⅠ」の建設はどうなのですか?

監査役A:10機ほど建設されています。しかし、地震のない、津波もない東部に限られています。
監査役B:原発本体でなく、「非常用発電機」は、なぜ、同時に使用不能になったのですか?

監査役A:一つの原子炉に2台設置されていたが、共に原子炉より海に近い位置の建屋の地下に隣同士で設置されていたのが実態です。
この設計図から元サンディア国立研究所の科学者ケニース・バジョロさんは、「2台を設置する位置の高さは変えるべきである」と指摘している。ちなみに、アメリカのブラウンズフェリー発電所では、3機の原子炉に8機の「非常用発電機」が設置されているが、異なる所に設置され、かつ防水装置も付けて、洪水に備えていたのです。

監査役B:日本では、なぜ、素人でもおかしいと言うことがなされたのですか?

監査役A:平成5年7月に非常用電源を地上一階にあったものを地下に移したいという「設置変更届」が出されています。この図面を元・原子力安全委員会の原子炉安全基準専門部会会長の村主進氏に見てもらったら、「安全上重要な設備は、多重・多様・信頼性がなければいけない、という審査指針がある。」
それに違反し、通産省も許可していたのです。

監査役B:なぜ、東電もメーカー、審査当局もおかしいと思わなかったのですかね。

監査役A:東電の元副社長豊田正敏氏は「初めて見た図面だ」「これは設計ミスであり、人為ミスだ」と言ってました。

監査役B:他国の事故があっても「日本は違う」。「品質がよい」「故障しにくい」だから「安全だ」と聞かされてきましたが・・・。

監査役A:M9の地震などは隕石が落ちてくる程度の確率だと考えていたようです。だから重大事故を想定しない、そこに考えることを止める土壌が出来てしまう。また、判断するときに、事実やデーターでなく「期待」で決定を行ってしまっている。

監査役B:事故の確率が低いと無視されたようだが、それは誤りですね。発生時の影響の重大性を考慮に入れていない。

監査役B:もう一つ分からないのが「ベント」です。あれは放射能を拡散してしまうのでしょう?

監査役A:そうですね。ベントを取り付けることは、自己矛盾すると思います。ベントは後から取り付けたのですが、メーカーの担当部署では、当然、フィルターを付けるものと考えていた。しかし、フィルターが大きく目立つものになるとまずいので、と東電は付けることを好まなかった。

監査役B:根底には「秘密主義」がありそうですね。

監査役A:原発は核兵器にも繋がるので、元々、秘密主義の体質がある。
また、原発につては、「壊れる」などと悪く言わない体質もあるようです。
そのことが「村の掟」になり、 阿吽の呼吸になり、議論しなくなる。
異論を唱える人は、外へ追いやる。
このような図式を「今では、技術者として責任があると考えており、心が痛む。」と元東芝の技術者後藤政志さんは、目を伏して語っておられたのが印象的でした。
 監査役として、現役の時に出来る限りのことをしておかないと定年後、ずーっと心を痛めるようになりますね。

監査役B:本当は逃げ出したい気持ちもありますが、使命感から頑張ります。■

下記で一部の映像が見ることができます
http://www.dailymotion.com/video/xkjjkj_20110814-yyyyyyyyyyyyyyy_news

- 監査役と内部監査担当は監査を通じて、会社と社会に貢献できる-

Web:http://tada.cocolog-nifty.com/kansayaku/

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