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2011.12.07

「第三者委員会報告書」について


監査役B:いよいよ、オリンパスの第三者委員会報告書が出ましたね。新聞記事の情報だけでは、偏りがあるような気がして、これを待っていったのです。
ところで、あの委員会の委員長の甲斐中 辰夫さん、ってどういう人なのですか?

監査役A:まず、マスコミ報道についてですが、12月3日の日本経営倫理学会の研究例会で話された樋口晴彦氏(学会会員・警察大学校教授)もマスコミ情報の問題点について触れておられましたが、私も同じようなことを感じていました。
 それから委員長の甲斐中 辰夫さんですが、ウイキペディアによれば、(かいなか たつお、1940年1月2日生まれ )検察官出身の元最高裁判所裁判官(2002年10月7日 - 2010年1月1日)。元東京高等検察庁検事長、元最高検察庁次長検事。弁護士。とありますね。 

監査役B:やはりそれなりの人をお願いしているのですね。
最近、「第三者委員会」という言葉が紙面でよく見るようになりましたね。

監査役A:そのことについて流石、朝日新聞ですね。<耕論>で「不祥事と第三者委員会」と早速、採り上げていました。この感性は評価したいですね。
その冒頭に「最近、はやりの委員会を考えた」と記していることから、「はやり」の可能性もあるのでしょう。しかし、私はこの「はやり」は持続すべきと思っています。

監査役B:しかし、九州電力や北海道電力の第三者委員会については、問題が出ていましたね。

監査役A:確かに、企業は第三者委員会を「「免罪符」か「みそぎ」のように認識していることが多いように思えます。著名な弁護士らを委員長とする第三者委員会を設置することで、不祥事で傷ついた企業イメージを浄化したいという意識」があると<深耕>の中で、真山仁さん(作家)が言っています。

監査役B:九州電力が「やらせメール」問題で、第三者委員会の調査報告の核心部分を採り上げなかったこのが批判されましたが、あれも九州電力が第三者委員会に「みそぎ」的な効果を期待していただけなのでしょう。
 
監査役A:私は以前から日本の検察の力に期待していたのです。最後は正義の検察がいると安心していたのですが、それがどうやら違っていたようです。
<深耕>で弁護士の国広正さんが次のように言っておられます。
 「企業不祥事の根本的な原因、つまり「真因」を探究するのは第三者委員会にしかできないと思います。特捜検察などの国家権力による捜査では、不祥事の真因にはたどりつけません。 」

監査役B:その理由は何なんですか?

監査役A:目的が違うからです。例えば、長銀の粉飾決算事件ですが、次のように言っています。
「その処理には公的資金が使われたこともあり、破綻の原因究明よりも「経営者を刑務所に送れ」という世論や政治の思惑が優先され、それを受けた東京地検特捜部の「国策捜査」でした。捜査機関は特定の犯罪を構成する法律要件に該当する事実があるかどうかだけを調べます。不祥事の真因やそれを防げなかった組織上の問題の究明は目的ではない。経営陣を刑務所に入れるだけでは、不祥事の本質は解明されないままになりがちです。」

監査役B:「国策捜査」と言えば、昨日、仮釈放された鈴木宗男氏は、小沢さんを始め大勢に人に迎えられていました。私には、とても違和感がありました。

監査役A:第三者委員会の話に戻しましょう。
<深耕>での、もう一人の宗像紀夫さん(弁護士、元東京地検特捜部長)は
九州電力の「やらせメール」問題に関する第三者委員会の郷原信郎委員長が
「委員長内定後、就任直前に古川康・佐賀県知事と面会して、「早期に辞任した方が政治的ダメージは少ない」と辞任を促したこと」は問題であり、委員長として会見し、「知事の発言は結果的にやらせメールの引き金になった」と、まだ本格的な調査も始まっていない段階でのこのような発言は、委員会に対する信頼性を失わせるものであり、越権行為と言えます。」と指摘しています。

監査役B:でも、必ずしも第三者委員会の結論が常に正しいとは限らない場合もあるでしょう?

監査役A:「調査を依頼した企業などが第三者委の中立・公正さに疑念を持つ時は、検証チームを立ち上げて第三者委の活動を調査するというのも一つの方法ではないでしょうか。」と宗像紀夫さんは言っています。
前置きが長くなりましたが、この様に情報を持って、オリンパス第三者委員会報告書を読んでいきましょう。■   (次号に続く)
           (朝日新聞平成23年12月7日<耕論>などを参照)


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