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2011.12.08

NO.73「企業不祥事防止策 オリンパスを事例として」

監査役B:オリンパス関連の情報は、今日でほぼ揃いましたね。根本原因は何でしょうか?

監査役A:本業以外で、汗を流さずに儲けようとしたことでしょう。投資で儲ける能力も充分にないのに,他社もやっているから、という程度で金融機関のセールスマンの口車に乗ってしまったことでしょうか。

監査役B:それで損をした会社も多くあったが,こんな事件を起こしていない会社もある。その差は何でしょうか?

監査役A:他社の実態は良く分かりませんが、今回の不祥事の原因は、第三者委報告書によれば、損失隠しは歴代社長ら「トップ主導で秘密裏に行われた」と報告しています。

監査役B:トップが大元では防ぎようがありませんね。会社法では、取締役や取締役会、監査役がトップをチェックすることになっていますが・・・。

監査役A:取締役も監査役の選任は実質的には、トップがしているようなモノですし、彼らは社長の元部下であることが多いですね。

監査役B:社長としては自分をチェックすることになる人に厳しい人を選ぶことは、よほどのことがない限りやらないでしょう。そういう意味では、義務づけようとしている社外取締役も同じですね。社外取締役を全く知らない人に依頼することは無いのですから。

監査役A:オリンパスには、3名の社外取締役がいましたし、海外から招聘したウッドフォード社長も社外取締役でした。また、社外取締役の義務づけや要件の厳格化には、経済界が強く反対しています。経団連の米倉弘昌会長は「オリンパスには3人の社外取締役がいた。義務づけても改善にはならない」と発言しています。

監査役B:実効性の無い社外取締役の義務化がなぜ、議論されるのでしょうか?

監査役A:目に見えない外圧があるのかも知れませんが、それは別として、法制審議会のメンバーも実効性がないことは分かっているのに決めようとするところに、何か不思議さを感じますね。

監査役B:不祥事防止策として、取締役や監査役以外では、内部統制システムがありますが、これはどうですか?

監査役A:「トップ主導で、ごく一部の人間だけが不正経理を扱い、秘密を共有し、そういう人間が優遇された」このような状況では、内部統制システムがあっても機能しないでしょう。

監査役B:内部通報制度はあったようですね。

監査役A:ありました。次のような記事が朝日に出ていました。
 ある社員は「2007年に企業倫理を逸脱していると感じた上司の行動を社内で通報した後、畑違いの部署に異動させられ」ています。その社員は不当な左遷だと民事訴訟をおこして、勝ちました。東京高裁判決は「制裁的に配転命令をしており、人事権の乱用にあたる」と認め、慰謝料など220万円の賠償を同社に命じたのですが、会社は最高裁に上告し、賠償金は支払われなかった。しかし、不正経理の発覚で不安視した彼は、「判決確定前でも仮に支払いを強制できる」という判決内容に基づき、三菱東京UFJ銀行新宿支店にあると思われたオリンパスの預金の差し押さえを申し立てた。東京地裁は申し立てを認め、差し押さえ命令を出したが、その後、オリンパス側から「払う」と連絡があったという。

監査役B:上司へ通報したのですか,内容次第ですが外部に通告できなかったかと思いますね。かなり勇気や覚悟の要ることですが・・・。

監査役A:最後は、監査法人ですね。問題を見逃してきた取締役や監査役も問題ですが、監査法人の責任は大きいですよ。監査法人はそのことに関するプロですからね。調査結果次第では損害賠償を監査法人に求める訴訟も起こすというニュースも流れています。

監査役B:日本会計士協会が調査に動き出したようですが、遅いですね。監査報酬を企業からもらっているので・・、ということで甘い判断は許せないですよ。

監査役A:企業は意外と小さいことなら先生方に無理を言っているようですよ。

監査役B:となるとコーポレート・ガバナンスに有効な手立ては無いと言うことになりますね。

監査役A:有効な策はあるのです。しかし、今までのようなエゴや恥を気にしないトップや企業姿勢では難しいですね。今、世界は大きな転換期にありますからこの点でも、やがて変化があると思いますよ。

監査役B:当社だけでも変わっていくべきですね。

監査役A:そうですね。私も次回の社長とのミーティングでお話をしようと思っています。■

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