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2012.01.18

NO.76 監査役にも損害賠償

監査役B:オリンパスの5人の元・現監査役に対し、損害賠償請求訴訟を東京地裁に提起したと発表がありましたね。合計で10億円ですから大変ですね。

監査役A:私は10億でなく、83億円が先に眼に飛び込んできたのでびっくりしましたよ。83億円は損害額だったのですね。それを支払い能力に応じて減額して、損害賠償請求額を決めたようですね。

監査役B:問題は、小松克男・元監査役と現監査役の今井忠雄、島田誠(社外)、中村靖夫(社外)の3氏は、損失の穴埋めに利用された企業買収をめぐる巨額支出について「取締役会に異議を述べたり、再調査を要求したりした事実は認められない」と委員会は指摘しています。それで、監査役の注意義務に違反するので、計約47億円の損害を与えたと認定しています。

監査役A:監査役は取締役会に出席しているだけでは、ダメなんですよね。
「それは問題です」とか「この点について再調査する必要があります」などと発言しないといけないのですね。

監査役B:そのことは以前から言われています。それに加えて、監査役の発言が、取締役会議事録に記載されていないといけません。だから発言だけでなく、記載をチェックすることも必要です。

監査役A:5人の監査役ですが、ニュースで良く出てくる山田秀雄前監査役は元取締役として既に提訴されており、今回は対象外になっているのですね。

監査役B:そうです。
その他、執行役員の責任も認めず、監査法人についても注意義務違反は認められないとしていますが、どういうことですか?納得いきません。

監査役A:監査法人ですが、2009年3月期まで担当したあずさ監査法人については、必要な監査手続きをしており、職責上「損失分離の仕組みを発見できなかったことはやむを得ない」と判断したようです。
しかし、「損失分離スキームを発見できなかったことやジャイラス買収に伴う報酬の支払い、国内3社の株式取得に伴うのれん計上を認めたことについて注意義務違反がないと判断。」との記事もありましたが、私にも良く分かりませんが。

監査役B:「必要な監査手続き」を実施していたから不問というのは、納得いかないですね。

監査役A:現在担当している新日本監査法人についても英ジャイラスの買収に伴うのれん代計上を認めたことも「会計処理上、不当とは言えない」と判断して、無限定適正意見を表明したことに注意義務違反はないとしています。

監査役B:いままででも、監査法人や会計士が企業から訴訟を起こされた事例がありましたが、「積極的に不正に関わるなどしていない限り、賠償が認められなかった」ことが多かったですね。

監査役A:しかし、10年以上もオリンパスの不正を見抜けなかった監査法人については、やはり、問題ですよ。プロですからね。

監査役B:確かに、日本公認会計士協会の幹部も「世の中の期待に応えられなかったのは事実で、存在意義にかかわる」と危機感を持っているとの記事にありましたが、本当ですね。あれで不問で終わるなら「会計監査のあり方」そのものを検討しなければ、ならないですね。

監査役A:金融庁や日本公認会計士協会は、新日本監査法人が適切な監査をしていたかどうか、が調べているようですが、監査報告書の決まり切った文言も問題だと思っています。

監査役B:今回の訴訟で、今まで世間から納得してもらっていない監査役監査について議論が再発しそうですね。

監査役A:太田稔・元監査役は1990年から2001年まで経理部長を務め、多額の損失を知りながら損失隠しを黙認。監査役に就任後も「監査役としての調査義務の履行を放棄した」とされ、その間に約37億円の損害を会社に与えたと明らかになった以上、監査役としての責任も問われるでしょう。

監査役B:この一連の問題に対して、日本監査役協会はどのような態度で出てくるのか、単純に監査役側のスタンスだけでは、困りますね。

監査役A:何もかも本質が問われ、問い直すときに来ていますからね。■

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