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2012.02.20

NO.81「東大話法」という話法


取締役A:今、『原発危機と「東大話法」』―傍観者の論理・欺瞞の言語― 明石書房
が人気ですね。読後の感想は「原発事故後の学者先生の発言に「本当のことを言っているのかな?」と思ったり、「なぜ、彼らはぬけぬけと嘘をつけるんだろう?」など、ひっかかっていたのですが、この本で、氷解しました。」「大変、興奮しました」「すっきりした!」との声が多いです。

取締役B:いやー、まだ読んでいませんので、まず、著者について情報提供して下さい。

取締役A:筆者は安冨 歩氏(やすとみ あゆむ、1963年 )経済学者。京都大学経済学部卒業後、1991年 京都大学大学院経済学研究科修士課程修了。 1993年 京都大学人文科学研究所助手。1997年 名古屋大学情報文化学部助教授。そして、2000年に東京大学大学院総合文化研究科助教授。現在は、東京大学東洋文化研究所教授。

取締役B:京大を出て、現在、東大に勤めているので客観的に見え、ものも言えるのでしょうね。書かれた動機というか・・それはどうなのですか?

取締役A:著者の安冨先生は本書で次のように書いています。
「原発事故をめぐっては、数多くの東京大学卒業生・関係者が登場し、その多くが、揃いも揃って、同じパターンの欺瞞的な言葉の使い方をしていることに気づいたからです。
しかもそれは、私が東大で見聞してきた奇妙な言動と、幅広い一致を見せていました。」

取締役B:副題が「-傍観者の論理・欺瞞の言語-」となっているのですね。
例えば、どのようなものですか?それは?

取締役A:「東大話法一覧」と称して列挙してあります。それもアップしておきましょう。
 規則1  自分の信念ではなく、自分の立場に合わせた思考を採用する。
 規則2  自分の立場の都合のよいように相手の話を解釈する。
 規則3  都合の悪いことは無視し、都合のよいことだけ返事をする。
 規則4  都合のよいことがない場合には、関係のない話をしてお茶を濁す。
 規則5  どんなにいい加減でつじつまの合わないことでも自信満々で話す。
 規則6  自分の問題を隠すために、同種の問題を持つ人を、力いっぱい批判する。
 規則7  その場で自分が立派な人だと思われることを言う。
 規則8  自分を傍観者と見なし、発言者を分類してレッテル貼りし、実体化して属性
      を勝手に設定し、解説する。
 規則9  「誤解を恐れずに言えば」と言って、嘘をつく。
 規則10 スケープゴートを侮蔑することで、読者・聞き手を恫喝し、迎合的な態度を
      取らせる。
 規則11 相手の知識が自分より低いと見たら、なりふり構わず、自信満々で難しそう
      な概念を持ち出す。
 規則12 自分の議論を「公平」だと無根拠に断言する。
 規則13 自分の立場に沿って、都合のよい話を集める。
 規則14 羊頭狗肉。
 規則15 わけのわからない見せかけの自己批判によって、誠実さを演出する。
 規則16 わけのわからない理屈を使って、相手をケムに巻き、自分の主張を正当化す
      る。
 規則17 ああでもない、こうでもない、と自分がいろいろ知っていることを並べて、
      賢いところを見せる。
 規則18 ああでもない、こうでもない、と引っ張っておいて、自分の言いたいところ
      に突然落とす。
 規則19 全体のバランスを常に考えて発言せよ。
 規則20 「もし○○であるとしたら、お詫びします」と言って、謝罪したフリで切り
       抜ける。

取締役B:ポイントの一つは「役と立場」のため発言しているということですね。

取締役A:「立場上・・・」と言えば、大義名分があるから、嘘でもつけるのです。
このことは東大だけではありませんが・・・。

取締役B:規則9の「誤解を恐れずに言えば」と言って嘘をつく」というのは、よく使う話法ですね。

取締役A:私も似たような言い方をして、無茶苦茶なことを言った経験がありますね。

取締役B:東大の先生達は「御用学者」と言われてきましたが、それで「傍観者の立場や欺瞞に満ちた話し方」をするのでしょうか?

取締役A:それらを筆者は「東大話法」と名付けていますが、「東大話法」は東大に限ったものではなく、我々も使ってきましたが、特に東大において強く見られるものだと言うのです。

取締役B:確かにタイトルを「官僚」や「マスコミ」などと置き換えても良さそうですね。
にもかかわらず、なぜ、東大で、特に「東大話法」が使われるのでしょうか。

取締役A:著者は「東京大学という権威を利用すると、それは非常に効果的であって、多くの人をだまくらかせるのであり、そういう経験を積むことによって、東大関係者は自信満々となり、ますます東大話法に磨きをかける、という循環関係になっています。」と述べています。この指摘は極めて鋭く、痛快ですね。

取締役B:あの20の「東大語法」ですが、これらは文章を書いたときにチェックする基準にもなりますね。

取締役A:まさにそう思います。

取締役B:しかし、我々は大先生など権威に弱く、だまされそうになりますが、だまされないためには、どうしたらよいのでしょうか?

取締役A:著者は「東大話法」のやり口を知り、自らがそれを使わないことだ、と言っています。

取締役B:面白そうなので、読んで見ますが、概要を知るために目次をお教えください。

取締役A:目次は細かくなりますが、アップしてみます。
 はじめに
 東大話法一覧
第1章 事実からの逃走
 燃焼と核反応と/  魔法のヤカン/  名を正す/  学者による欺瞞の蔓延――経済
 学の場合/  名を正した学者の系譜/  武谷三男の「がまん量」/  高木仁三郎・市
 民科学者/  小出裕章と「熊取六人組」/  玄海原発プルサーマル計画をめぐる詭弁
 との闘い
第2章 香山リカ氏の「小出現象」論
 香山氏の記事の出現/  原発をネットで論じている人々の像/  ニートや引きこも
 りの「神」/  仮面ライダー・小出裕章/  小出裕章=「ネオむぎ茶」説/  「原発
 問題=新世紀エヴァンゲリオン」説/  インターネットの意味/  関所資本主義の終
 焉/  お詫びのフリ/  真理の探求へ/  真理の探求からの逃避/  香山氏はなぜ
 この文章を書いてしまったのか
第3章 「東大文化」と「東大話法」
 不誠実・バランス感覚・高速事務処理能力/  東大関係者の「東大話法」/  東大工
  学部の『震災後の工学は何をめざすのか』/  東大原子力の「我が国は」思想/  工
  学研究の「計画立案」/  東大原子力の中期計画/  東大原子力の野望/  東大原
  子力の長期計画/  東大原子力文書の東大話法規則による解釈/  傍観者/  池
  田信夫氏の原発についての見解/  池田信夫氏の「東大話法」/  鈴木篤之氏の「東 
  大話法」/  「東大話法」の一般性
第4章 「役」と「立場」の日本社会
 「東大話法」を見抜くことの意味/  「立場」の歴史/  夏目漱石の「立場」/  沖 
  縄戦死者の「立場」/  日本版プラトニズムとしての「立場」/  職→役→立場/
  原子力御用学者の「役」と「立場」/  天下りのための原子力/  福島の人々が逃
  げない理由
第5章 不条理から解き放たれるために
 原発に反対する人がオカルトに惹かれる理由/  槌田敦のエントロピー論/  化石
  燃料と原子力/  地球温暖化/  出してはならないもの/  人間活動の生態系/
  人間の破壊/  熱力学第二法則と人類の未来/  原子力のオカルト性/
 「日本ブランド」の回復へ
 あとがき

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