« March 13, 2012 | Main | March 26, 2012 »

2012.03.16

NO.84 会社法改正に反対する経済団体


監査役A:3月13日の朝日新聞の社説は「会社の規律―経営に社外の目いかせ」
でした。

監査役B:企業統治に対する信頼を高めるために会社法を見直している法制審議会が昨年末に発表した「中間試案」に対するパブリック・コメントが終わったのですね。

監査役A:記事では「パブリック・コメント」とは言わずに「各界への意見照
会」が終わりとしていますね。「パブリック・コメント」と表現していても本来
の目的は「各界への意見照会」にあったのですね。

監査役B:「会社法制の見直しに関する中間試案」についての意見は、団体から
119通,個人から72通,合計191通が寄せられたようですが、その中で
も経済界の後ろ向きの姿勢が 際立っていると記事で書いていますが、どのよ
うなことに経済界は反対しているのですか?

監査役A:記事の内容をおさらいしますと
▽一定の条件を満たす会社に社外取締役を少なくとも1人置くように義務づけ
  る。
▽社外取締役や社外監査役になれる人の要件を厳しくして、親会社の役員や社
  員は「社外」扱いしないようにする。
▽親会社の株主が子会社の役員の責任を追及する裁判を起こせるようにするな
  どして、グループ経営の規律を強める。
これについて、経団連をはじめとする経済団体の多くは、いずれについても反
対をしている。 その理由ですが、「大事なのは形式でなく、個々人の資質や倫
理観だ。」「各社の創意工夫と株主総会の判断にまかせよ。」「子会社の経営は親
会社が目を光らせているから心配いらない。」「企業の手足をしばりすぎると、
活力ある経営ができなくなる。」ということです。

監査役B:確かに、基本は、個人の資質や倫理観ですが、いつの時代でも資質
や倫理観を疑いたくなるような不祥事は絶えません。ましてや「創意工夫にゆ
だねる」というような甘いことでは、不祥事の防止は不可能でしょう。

監査役A:社内出身の取締役だけでは同じ企業風土で育っているので、そこに
異なった視点や経験を持っている取締役が取締役会に加わると牽制機能が高ま
るのは自明の理ですが、それでも反対するのは、トップが自分の思いどうりに
経営したいからでしょう。

監査役B:だから社外役員と言っても「取引先の関係者」など自分の意向に沿
う人を認めさせようとする。中堅や新興の企業経営には、投資家の目など多様
な目も意識すべきなのですが・・・。

監査役A:経営者は社内には「経営環境の変化に即応せよ」と言いながら、
オリンパス事件によって、日本が企業統治の後進国という評価が広がっても、
「今のままのルールで問題はない」と言っているのは、おかしいです。日本
への投資を呼びこもうというような観点が欠けているのでしょう。

監査役B:ともかく自社中心で、かつ当面のリスクやコストを嫌っており、
結果的に、潜在するリスクやコストが大きくなってしまう。このような発想で
は、企業の発展はおぼつかないだろうね。その上、会社法を改正しようとして
も経済団体が賛成しないと言うことでは、日本は良くならないでしょうね。

監査役A:救いはあると思いますよ。我々監査役が傍観者的でなく、取締役会
を始め、あらゆる機会をとらえて、良い方向に導くことですね。微力ですが。■
 
-タイトルの変更について-

最初は、元監査役として、新任の監査役を応援できれば、との思いからタイト
ルを「監査役への応援歌」としました。しかし、コーポレート・ガバナンスは
監査役だけの問題ではありませんので、取締役にも呼びかけようと「ガバナン
ス情報」に変更しました。
しかし、最近、コーポレート・ガバナンスに限界があると感じるようになりま
した。そこで個々の企業の統治ではなく、日本としての企業統治体制が必要と
考えるに至りました。今後の展開をお読み戴き、ご意見をお寄せいただければ
幸いです。

- 企業のトップは企業の社会的責任を認識して、持続的発展を目指そう -
      

| Comments (0)

« March 13, 2012 | Main | March 26, 2012 »